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Willbeの水素燃料電池発電機はアイシンと共同開発!1000種類超エンジンを支える技術|知られざるガリバー

技術・サイエンス

Willbeが1000種類以上のエンジンを作り分けられる理由と水素発電への挑戦

2026年9月19日放送の『知られざるガリバー〜エクセレントカンパニーファイル〜』に登場するのは、愛知県津島市に本社を置く汎用エンジンメーカー株式会社Willbe(ウィルビー)です。

農業機械や建設機械などに使われるエンジンを、顧客の要望に応じて1000種類以上も作り分ける技術力が今回の大きな見どころ。さらにWillbeは、従来のガソリンエンジンだけにとどまらず、アイシンと燃料電池発電機を共同開発し、水素を使った次世代電源にも踏み出しています。

この記事でわかること

  • Willbeとアイシンが共同開発する水素燃料電池発電機
  • Willbeが1000種類以上のエンジンを作り分けられる理由
  • エンジンを簡単に始動できる「MiLAiスタート」「ミラクルスタート」
  • 三菱重工グループから独立してWillbeとなった歴史

Willbeの水素燃料電池発電機はアイシンと共同開発

公式動画:Willbe「Earth POWER」プロモーションビデオ

番組予告では、「大手自動車部品メーカーと共同開発した環境に優しいクリーンな水素燃料電池発電機」が紹介されます。テレ東の予告段階では共同開発先の社名までは出ていません。

しかしWillbeの公式Xは2026年3月、「Aisin様と共同開発した燃料電池発電機」をH2&FC EXPOに出展すると告知しています。したがって、番組で紹介される共同開発先は株式会社アイシンとみてよいでしょう。

アイシン自身も「可搬型FC発電機」の開発を公表しています。

主な特徴は次の通りです。

  • 燃料:水素
  • 定格出力:2kW
  • サイズ:496mm×654mm×512mm
  • 質量:37kg
  • トヨタ自動車製の第2世代燃料電池セルを使用
  • 同出力帯のガソリン発電機と比較して約3分の2の質量
  • 高効率・高出力と静音性を両立
  • 土木・建設現場、レジャー、災害時、屋内イベントなどでの利用を想定

水素カートリッジなどから水素を供給し、燃料電池で電気をつくります。発電時に二酸化炭素や環境汚染物質を排出しないことが大きな特徴です。

2026年3月にもアイシンはH2&FC EXPOへ可搬型FC発電機を出展。実用化を見据えた開発が続けられています。

つまり今回の『知られざるガリバー』で映し出されるのは、単なる試作品ではなく、Willbeが培ってきた「現場で使える動力」のノウハウと、アイシンの燃料電池技術を組み合わせた次世代の発電機という点が重要です。

1000種類以上のエンジンを作り分けるWillbeの強さ

Willbeの主力は「MEiKi POWER」ブランドの汎用ガソリンエンジンです。

自動車のエンジンとは違い、汎用エンジンはさまざまな作業機械へ組み込まれます。

たとえば農業機械でも、草を刈る機械、土を耕す機械、ポンプを動かす機械では、求められる回転数や出力、取り付け方法、操作方法が異なります。

建設現場でも同じです。

そのため、単に同じエンジンを大量生産すればいいわけではありません。搭載する機械ごとに細かな仕様変更が必要になります。

番組では、Willbeが顧客の要望に合わせて1000種類以上を作り分けていると紹介されています。極小単位で行う精密加工や、さまざまな仕様を効率よく生産する組立ラインにも密着します。

公式サイトを見ると、4ストロークだけでもGBシリーズ、GB-Gシリーズ、MZシリーズなど多数を展開。2ストロークにもTLE、TBE、TS/TB、TU、TUEなどのシリーズがあります。

「1000種類」という数字は、1000個のまったく別の基本エンジンを販売しているというより、搭載する作業機や顧客の条件に合わせた膨大な仕様の作り分けによって生まれていると考えると分かりやすいでしょう。

エンジン始動を楽にした「MiLAiスタート」

番組予告には「エンジン始動の負担を減らす革新技術」も登場します。

Willbeには、その代表的な技術として「MiLAiスタート」があります。

これはLi-ionバッテリーとセルスターターをエンジンに組み込んだシステムです。

従来の小型エンジンでは、ロープ状のリコイルスターターを勢いよく引いて始動する方式が一般的でした。しかし作業する人によっては、この動作そのものが負担になります。

MiLAiスタートはキーを回すだけでエンジンを始動でき、エンジン運転中にはバッテリーを自己充電します。Willbeは「世界初のLi-ionバッテリ内蔵セルスターターエンジン」としています。

公式仕様ではLi-ionバッテリーの重量は0.25kg。一方、比較対象として掲載されている24Ahの鉛蓄電池は7.5kgです。

外部に大きなバッテリーを置かず、エンジンそのものへ小型電池を収めることで、作業機へ搭載しやすくしているわけです。

「ミラクルスタート」はロープを引く力そのものを軽くする

もう1つ特徴的なのが「ミラクルスタート」です。

こちらは電動化するのではなく、リコイルスターターを引くときの力を軽減する仕組み。

始動用スプリングを利用し、エンジン圧縮時に感じる重さを和らげます。Willbeによると、リコイルスターターを引く力は従来機の20〜50%程度まで軽減されます。

勢いよく一気にロープを引く必要もなく、ゼンマイを巻くようにゆっくり引くことでエンジンを始動できます。

農業や建設の現場では、エンジン性能そのものだけでなく「毎日使う人が扱いやすいこと」も非常に重要です。

1000種類を超える細かな作り分けと同様に、こうした使い勝手への対応もWillbeのものづくりを象徴しています。

Willbeのルーツは1946年の三菱重工「名古屋機器製作所」

「Willbe」という会社名は比較的新しく感じますが、エンジン事業そのものには長い歴史があります。

ルーツは1946年。三菱重工業の名古屋機器製作所で小型汎用ガソリンエンジンの製造が始まりました。

現在使われている「MEiKi POWER」の「MEiKi」も、名古屋機器製作所の略称である「名機」が由来です。

その後の主な流れは次の通りです。

  • 1946年:三菱重工業 名古屋機器製作所でエンジン事業開始
  • 2017年:小型空冷式ガソリンエンジン事業を分社し「三菱重工メイキエンジン株式会社」発足
  • 2017年:「MiLAiスタート」販売開始
  • 2019年:川崎重工の小型空冷汎用エンジン販売事業を譲受
  • 2019年:愛知県津島市に新工場を設立し、本社・工場を移転
  • 2023年:汎用単気筒FIエンジンを市場投入
  • 2024年3月29日:「株式会社Willbe」へ社名変更

2024年に三菱重工グループから独立

Willbeにとって大きな転機となったのが2024年です。

三菱重工メイキエンジンの株式が三菱重工エンジン&ターボチャージャから愛知県の株式会社名光精機へ譲渡され、名光精機の完全子会社となりました。

同時に社名を株式会社Willbeへ変更し、三菱重工グループから独立しています。

「Willbe」という名前には、夢を形にして、顧客の未来に必要な製品をつくっていくという思いが込められています。

長年蓄積してきたエンジン技術を引き継ぎながら、新会社として水素や電源分野まで広げている点が現在のWillbeを見るうえで重要です。

ヤマハ発動機の発電機事業もWillbeへ

さらにWillbeは事業領域を広げています。

ヤマハ発動機は発電機事業を2025年12月末で終了し、事業譲渡先が株式会社Willbeであることを公式に発表しています。

現在のWillbeは大きく分けて、

  • 汎用ガソリンエンジン「MEiKi POWER」
  • 発電機
  • ポータブル電源
  • 除雪機などの「Earth POWER」

を扱う総合動力メーカーになっています。

かつての「エンジン専業会社」という枠から、さまざまな形で人や機械を動かす会社へ変わりつつあります。

そこへ今回の水素燃料電池発電機が加わることで、ガソリン、ガス、蓄電池、そして水素まで、扱う動力源そのものが広がっていることが分かります。

Willbe本社は愛知県津島市

Willbeの本社と生産拠点は愛知県津島市にあります。

  • 正式名称:株式会社Willbe
  • 本社所在地:愛知県津島市鹿伏兎町下子守23番地
  • 設立:2017年10月1日
  • 資本金:3000万円
  • 代表取締役社長:上野山和之氏
  • 株主:株式会社名光精機
  • 従業員数:319名(2026年4月1日時点)
  • 主な事業:ガソリンエンジン、発電機、除雪機の開発・設計・製造・販売

番組公式ページには代表取締役会長・松原光作氏の写真も掲載されており、工場の組立ライン、完成したエンジン、草刈機へ搭載されたエンジンなどが今回の取材対象になっています。

まとめ

『知られざるガリバー』に登場するWillbeは、1946年から続く国産汎用エンジンの技術を受け継ぐメーカーです。

最大の特徴は、顧客の機械に合わせて1000種類以上ものエンジン仕様を作り分ける対応力。その裏には精密加工、効率的な組立ライン、MiLAiスタートやミラクルスタートといった「使う人の負担を減らす技術」があります。

そして現在は、アイシンと水素燃料電池発電機を共同開発。長年培った「現場で使う動力」の技術を、次世代のクリーンエネルギーへつなげようとしています。

三菱重工のエンジン事業をルーツに持つ会社が独立し、ガソリンエンジンから水素発電へ向かう――。2026年9月19日の放送では、この変化を支えるWillbeのものづくりが大きな見どころになりそうです。

参考リンク


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