揚げナスと太極拳を組み合わせた10日間の血圧対策を検証
2026年9月16日放送のテレビ東京「ズボラに健康!カラダにイイワケ」では、高血圧対策として**「揚げナス×太極拳」生活**が紹介されました。橋本将吉医師が提案したのは、身近なナスを食事に取り入れながら、激しい運動ではなく太極拳を組み合わせるという方法です。
検証したのは片倉ブリザードさん。開始前の血圧は上148・下103mmHgでしたが、揚げナスと太極拳を取り入れた生活を10日間続けた結果、番組では上129・下86mmHgになったと紹介されました。
注目したいのは、単に「ナスは健康にいい」という話ではありません。ナスに含まれる**コリンエステル(アセチルコリン)**と加熱調理の関係、さらに太極拳と血圧については、それぞれ人を対象とした研究があります。
この記事でわかること
- 番組で行った揚げナス×太極拳生活のやり方
- ナスのコリンエステルと血圧の関係
- なぜ「揚げナス」が選ばれたのか
- 太極拳と血圧について分かっていること
揚げナス×太極拳生活は10日間で上148から129へ
番組で高血圧対策を実践した片倉ブリザードさんは、検証開始時の血圧が上148・下103mmHgでした。
本人の食生活を確認すると、料理そのものだけでなく、調味料を多くかけてしまう習慣も紹介されています。
橋本将吉医師が提案したのが、揚げナスと太極拳を組み合わせる方法でした。
番組で紹介された内容を整理すると、
- 揚げナスを食生活へ取り入れる
- 検証では1日2本のナスを使用
- 1日3食に揚げナスを取り入れる生活として実践
- 太極拳を1日3回行う
- 10日間続けて血圧を測定
という流れです。
10日間の検証後、片倉さんの血圧は上129・下86mmHgとなりました。
かなり大きな変化ですが、これはあくまで番組内で行った1人の短期間の検証結果です。
「ナスを食べて太極拳をすれば10日間で同じだけ下がる」と考えるのではなく、ナスと運動を生活へ取り入れた一例として見る必要があります。
ナスに含まれるコリンエステルとは
今回の揚げナス生活でポイントになったのが、ナスに含まれるコリンエステルです。
研究では、ナスにはコリンエステルの一種であるアセチルコリンが多く含まれていることが分かっています。
さらに、正常高値血圧または1度高血圧の人などを対象としたランダム化二重盲検比較試験も行われています。
この研究では100人を対象に、ナス粉末を摂取するグループとプラセボを摂取するグループに分け、12週間にわたって比較しました。
その結果、ナス粉末を摂取したグループでは、条件によって収縮期血圧や拡張期血圧に改善が確認されています。
研究で使われたのは普通の揚げナスそのものではなく、一定量のアセチルコリンを含むナス粉末です。
そのため「ナス料理なら何でも同じ効果が出る」とまでは言えませんが、番組でナスの成分が注目された背景には、こうした研究があります。
なぜ生ナスではなく「揚げナス」なのか
番組ではナスをそのまま食べるのではなく、揚げナスにしていました。
ここにも理由があります。
ナスのアセチルコリンについて調べた研究では、生の状態だけでなく、電子レンジ加熱や揚げ調理をした状態も比較されています。
すると、加熱によってアセチルコリンが失われるのではなく、実験条件では揚げたナスの方が高い濃度で測定されました。
研究者も、ナスのアセチルコリンは熱に対して比較的安定しているとしています。
ただし、なぜ加熱後に濃度が高くなるのかについては、完全には解明されていません。
「油で揚げれば揚げるほど健康になる」という意味でもありません。
揚げ物は油の量によってエネルギー量が増えやすいため、食べる量や他の料理とのバランスも大切です。
番組ではオリーブオイルで揚げる方法を紹介
番組では、ナスを揚げる油としてオリーブオイルをすすめていました。
ナスは油との相性がよく、油を吸うことでトロッとした食感になります。
一方で、ナスは油を吸いやすい食材でもあります。
家庭で取り入れるなら、大量の油へ長時間浸す必要はありません。フライパンに適量の油を入れて焼き揚げにするなど、普段の食事に無理なく取り入れられる形でも十分でしょう。
また、高血圧対策として食べるのであれば、揚げナスへ濃いタレや大量のしょうゆをかけてしまうと、本来の目的から離れてしまいます。
番組でも片倉さんが調味料を多く使う食生活だったことが取り上げられていました。
揚げナスを食べることだけを見るのではなく、塩分を増やしすぎない食べ方までセットで考えたいところです。
太極拳は激しく動かないのに血圧対策として研究されている
もう1つの柱が太極拳です。
太極拳は、ゆっくりした動作と呼吸を組み合わせる運動です。
走ったり激しい筋力トレーニングをしたりする運動とはかなり印象が異なりますが、血圧との関係を調べた研究があります。
2024年に医学誌「JAMA Network Open」で発表されたランダム化比較試験では、血圧が高めの成人342人を、
- 太極拳を行うグループ
- 中強度の有酸素運動を行うグループ
に分け、12か月間比較しました。
両グループとも週4回、1回60分の運動を行っています。
その結果、収縮期血圧はどちらのグループでも低下しましたが、太極拳グループの方が平均低下幅が大きい結果となりました。
つまり、太極拳は「ゆっくり動くから運動にならない」というわけではありません。
血圧が高めの人を対象に、長期間続ける運動として研究されている方法です。
番組の「1日3回」と研究の方法は同じではない
ここは区別しておきたいポイントです。
番組では片倉さんが1日3回の太極拳を取り入れ、10日間検証しました。
一方、医学研究では1回60分を週4回、12か月間続けています。
期間も運動量もまったく同じではありません。
そのため、研究結果をそのまま「番組と同じ太極拳を1日3回やれば血圧が下がる証拠」とすることはできません。
ただ、太極拳という運動そのものと血圧の関係については、番組だけの話ではなく臨床研究でも検討されていることが分かります。
運動が苦手な人にとって、激しい運動以外にも選択肢があるという点は興味深いところです。
揚げナスだけを食べた番組スタッフでも検証
番組では「太極拳もやっているから血圧が変わったのでは?」という疑問に対して、揚げナスだけの検証も行っています。
スタッフ5人が揚げナスを取り入れたところ、5人中4人で血圧が下がったと紹介されました。
こちらも人数が少なく、医学的な臨床試験ではありません。
ただ、番組が「揚げナス+太極拳」という組み合わせだけでなく、ナス単独でも変化を確認しようとした点は面白いところです。
実際にナス由来の成分を使った人での比較試験も存在するため、今回の企画につながる研究背景はあります。
家庭で揚げナスを取り入れるなら食べ方にも注意
番組を見て「揚げナスを試してみよう」と思った場合でも、大量に食べる必要はありません。
ポイントは、
- ナスを油まみれにしすぎない
- しょうゆや濃いタレをかけすぎない
- 揚げナスだけに食事を偏らせない
- 野菜、魚、肉、大豆製品なども組み合わせる
- 太極拳など無理のない運動も続ける
といったところです。
特に高血圧対策では、「特定の食材を追加する」だけでなく、食塩の摂取量や体重、運動、飲酒など生活全体を見ることが重要になります。
血圧の薬を飲んでいる人も、揚げナスや太極拳を始めたからといって自己判断で服薬を止めるものではありません。
家庭血圧を測りながら生活習慣を見直し、治療中の場合は医師の指示を優先してください。
まとめ
「ズボラに健康!カラダにイイワケ」で紹介された高血圧対策は、揚げナスと太極拳を組み合わせる10日間の生活でした。
片倉ブリザードさんは、開始前の上148・下103mmHgから、10日後には上129・下86mmHgへ変化しました。
ナスにはコリンエステルの一種であるアセチルコリンが含まれ、人を対象にした研究でも血圧との関係が調べられています。さらに加熱調理の研究では、揚げたナスでもアセチルコリンが保たれ、実験では生より高い濃度が測定されました。
太極拳についても、血圧が高めの成人を対象にしたランダム化比較試験があり、長期的な運動として血圧改善との関係が示されています。
番組の10日間検証をそのまま誰にでも当てはめることはできませんが、身近なナスと無理なく体を動かす習慣を組み合わせるという点では、日々の生活を見直すきっかけになりそうです。
参考リンク
- テレビ東京「ズボラに健康!カラダにイイワケ」公式番組情報
- PubMed「Daily Ingestion of Eggplant Powder Improves Blood Pressure and Psychological State in Stressed Individuals」
- JAMA Network Open「Effect of Tai Chi vs Aerobic Exercise on Blood Pressure in Patients With Prehypertension」
おすすめ関連商品
- 高血圧管理・治療ガイドライン2025
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント