徒歩45分の山寺で後藤密榮住職が守る、自然の恵みをいただく暮らし
2026年9月30日放送のNHK Eテレ「やまと尼寺 精進日記『晩夏 わくわく 太陽からの贈りもの』」では、奈良県桜井市の音羽山観音寺で暮らす後藤密榮住職の8月の日々が描かれます。今回は2025年10月12日に初回放送された回の再放送です。
庭で育ったハーブを使う「香草塩」、里から届く色とりどりの夏野菜で作る「あげびたし」。猛暑のなかでも、その時期に手に入るものを工夫して食卓へ変えていく後藤住職の暮らしは、この番組らしい「山の恵み」と「里からの贈りもの」に満ちています。
この記事でわかること
- 後藤密榮住職が暮らす音羽山観音寺の場所と現在
- 晩夏の回に登場する香草塩と夏野菜のあげびたし
- 山と里の恵みを生かす精進料理の考え方
- 音羽山観音寺へのアクセスと参拝方法
後藤密榮住職が暮らす音羽山観音寺は奈良県桜井市の山中

公式動画:NHKオンデマンド「晩夏 わくわく 太陽からの贈りもの」
後藤密榮住職が暮らしているのは、奈良県桜井市南音羽にある音羽山観音寺です。
番組では「険しい山道を歩いて登ること40分」と紹介されていますが、現在の寺公式サイトでは、参道下の駐車場から約1.5km、徒歩約45分。公共交通機関を使う場合はJR・近鉄桜井駅から談山神社行きのバスに乗り、「下居」バス停から約1.7km、徒歩約50分と案内されています。
参拝の基本情報は次の通りです。
- 所在地:奈良県桜井市南音羽832
- 拝観時間:9:00~16:30
- 拝観料:志納
- 定休日:原則毎週火曜日
- 参道下に無料駐車場あり
- 駐車場から徒歩約45分
車で本堂近くまで乗り付ける寺ではありません。
自分の足で山道を上り、その先に寺が現れる。この立地そのものが「やまと尼寺 精進日記」の暮らしを形づくっています。
晩夏の主役は庭のハーブで作る「香草塩」
今回の舞台は8月。
音羽山観音寺の庭では、夏の日差しを浴びてさまざまなハーブが育っています。
後藤住職は、そのハーブと強い夏の日差しを生かして「香草塩」を作ります。
番組で印象的なのは、何か特別な食材を外から大量に買って料理を完成させるのではなく、今そこにあるものを見つけ、保存し、次の料理へつなげていく暮らしです。
ハーブも庭に育っているから使う。
太陽が強い季節なら、その日差しも調理や保存に利用する。
季節を邪魔なものとして避けるのではなく、季節そのものを暮らしの道具に変えていくのが後藤住職のスタイルです。
里から届いた夏野菜は「あげびたし」に
山の上にある音羽山観音寺ですが、暮らしが寺の中だけで完結しているわけではありません。
番組を長く支えているもう1つの存在が、「里からの贈りもの」です。
今回も里から色とりどりの夏野菜が届き、それを使って「あげびたし」が作られます。NHKは、この料理を暑い時期を元気に過ごす食卓として紹介しています。
旬の野菜を無駄なくいただき、その時期に一番おいしい形で食べる。
「やまと尼寺 精進日記」で描かれる精進料理は、豪華な食材を使う料理ではありません。
季節に採れるもの、誰かが届けてくれたもの、庭で育ったものを丁寧に扱うことで、一つの料理へ変えていきます。
だからこそ、料理だけを見ていても、山寺と里の人たちとの関係まで見えてきます。
「山の恵み」と「里からの贈りもの」が音羽山観音寺の食卓を作る
この考え方は今回だけのものではありません。
2025年に番組が音羽山観音寺を3年ぶりに訪ねた「初夏 緑いっぱい 山の味」でも、コシアブラや花山椒など、その季節に山で採れるものを料理へ変える暮らしが描かれました。
音羽山観音寺の料理には、大きく2つの流れがあります。
1つは、山や庭からいただくもの。
もう1つが、麓で暮らす人たちから届くものです。
後藤住職がすべてを一人で生産しているわけではありません。山の自然と、里の人とのつながり、その両方があることで食卓が出来上がっています。
2026年5月に桜井市観光協会が開催した音羽山観音寺を訪ねる企画でも、後藤住職や周囲の人たちが作った精進料理が参加者に振る舞われました。番組の中だけではなく、現在もこうした山寺と地域の関係が続いています。
後藤密榮住職は音羽山観音寺で30年以上暮らしている
音羽山観音寺の公式サイトで、後藤密榮住職は、観音様との縁を得て地域や信者に支えられながら30年が経ったと記しています。
日々の楽しみとして挙げているのは、草木への水やりや動物の世話などです。
つまり番組で見える庭仕事や植物との暮らしは、撮影のために用意されたものではなく、後藤住職の日常そのものです。
2026年9月現在も寺の公式サイトは更新され、公式YouTubeチャンネルなどを通じて音羽山観音寺の現在が発信されています。
長く続いたテレビシリーズの舞台でありながら、音羽山観音寺は現在も後藤住職が暮らし、祈りを続ける寺です。
音羽山観音寺は歴史ある「音羽の観音さん」
「やまと尼寺 精進日記」の印象が強いため、精進料理で知られる寺というイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし音羽山観音寺には古い歴史があります。
寺の公式サイトによると、『多武峰略記』には749年に心融法師が創建したとの記述があり、古くから観音信仰の霊場として栄えました。867年には「音羽流れ」と記録される豪雨と山津波によって、多くの堂宇が失われたとされています。
本尊は千手千眼十一面観世音菩薩。
古くから眼病平癒の霊験で知られ、「音羽の観音さん」と親しまれてきました。
境内には樹齢約600年という「お葉つきイチョウ」もあり、奈良県の天然記念物に指定されています。
山菜やハーブが育つ庭の奥には、長い年月にわたって人々が祈りをつないできた山寺の歴史があります。
展望台も後藤住職と里の人たちが一緒に作った
音羽山観音寺には展望台があります。
これも後藤住職だけで造ったものではなく、里の人や信者と一緒に造られたものです。寺へ続く坂道や、展望台へ上がる木の階段も整備されました。
天気が良ければ、遠くに明石海峡大橋や大阪のあべのハルカスまで見えるといいます。
ここにも番組で描かれる暮らしと同じ構図があります。
山奥で一人だけで生きる生活ではありません。
山に暮らしながら、里の人や信者、参拝者とのつながりがあり、その人たちと一緒に寺を守っています。
「やまと尼寺 精進日記」の魅力は、料理のおいしさだけではなく、この「分け合う暮らし」にあります。
2025年から新しい「やまと尼寺 精進日記」が始まった
「やまと尼寺 精進日記」は長く親しまれてきたシリーズですが、今回再放送される「晩夏 わくわく 太陽からの贈りもの」は比較的新しい回です。
2025年6月には「初夏 緑いっぱい 山の味」が放送され、番組は3年ぶりに後藤住職の暮らしを訪ねました。今回の晩夏編はその流れを受けて、2025年10月12日に初回放送されています。
さらに2026年には、今回の「晩夏」を含む新しいエピソードを収録した「やまと尼寺 精進日記4」DVDも発売されました。
収録されているのは、
- 初夏 緑いっぱい 山の味
- 晩夏 わくわく 太陽からの贈りもの
- 初物づくし 秋うまし
- すだちダイコン 年の暮れ
- 早春 漬けたり干したり 冬じまい
など。
季節を追いながら、現在の後藤住職の暮らしを見ることができます。
音羽山観音寺へ行くなら山歩きの準備が必要
実際に音羽山観音寺を訪れたい場合に最も重要なのは、「普通の寺院観光とは少し違う」という点です。
住所だけを見て車で本堂前まで行けると考えない方がいいでしょう。
公式案内では、参道下の無料駐車場から約1.5km、徒歩約45分。バスの場合も「下居」バス停から約1.7km、徒歩約50分です。
そのため、
- 歩きやすい靴
- 季節に合った服装
- 水分
- 時間に余裕のある行程
で訪れるのが基本です。
拝観時間は9時から16時30分で、原則火曜日が定休日となっています。臨時の閉門などもあるため、訪問前には寺公式サイトの最新情報を確認しておくと安心です。
まとめ
2026年9月30日放送の「やまと尼寺 精進日記『晩夏 わくわく 太陽からの贈りもの』」では、奈良県桜井市の音羽山観音寺で暮らす後藤密榮住職の8月の日々が描かれます。
今回の食卓を彩るのは、庭で育ったハーブを利用した香草塩と、里から届いた夏野菜で作るあげびたしです。
そこにあるのは、高価な食材を集める暮らしではありません。
庭に育ったものをいただき、暑い太陽まで利用し、里から届いた野菜を無駄なく料理する。自然や人から受け取ったものを、別の豊かさへ変えていく暮らしです。
後藤住職は、地域や信者に支えられながら音羽山観音寺で30年以上を過ごしてきました。2026年の現在も、山の自然と周囲の人たちとのつながりを大切にしながら寺での日々を続けています。
険しい山道を45分ほど歩いた先で続く、季節に逆らわず、あるものを大切にいただく生活。
「晩夏 わくわく 太陽からの贈りもの」は、精進料理を入り口に、音羽山観音寺で続くそんな暮らしそのものを味わう回です。
参考リンク
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