『金田一少年の事件簿』を生んだ天樹征丸は元講談社編集者
2026年9月11日放送の『金曜ミステリークラブ!!!』では、『金田一少年の事件簿』原作者による書き下ろしミステリードラマが登場します。この原作者が天樹征丸(あまぎ・せいまる)です。実は天樹征丸は本名ではなく、漫画原作者・小説家として数多くのヒット作を手掛けてきた樹林伸(きばやし・しん)のペンネーム。しかも最初から作家だったのではなく、キャリアの出発点は講談社の漫画編集者でした。
この記事でわかること
- 天樹征丸の本名と複数のペンネーム
- 講談社編集者から原作者になった経歴
- 『金田一少年の事件簿』との深い関係
- 『金田一パパの事件簿』など現在の仕事
天樹征丸の代表作『金田一少年の事件簿』は現在も続いている
『金田一少年の事件簿』といえば、高校生・金田一一が難事件を解決していくミステリー漫画です。
そのシリーズは30年以上を経た現在も続いています。
2025年1月には『金田一パパの事件簿』がスタート。金田一一は幼なじみの美雪との間に生まれた子どもの父親になり、育児をしながら「金田一一探偵事務所」で事件を解決するという新しい設定になりました。
原作は天樹征丸、漫画はさとうふみや。長年シリーズを作ってきたコンビが現在の金田一も手掛けています。
天樹征丸の本名は樹林伸
「天樹征丸」というかなり印象的な名前ですが、これはペンネームです。
国立国会図書館の典拠データでは、天樹征丸の本名として「樹林伸」が正式に登録されています。また、亜樹直、安童夕馬、青樹佑夜なども同一人物の別名として整理されています。
作品によってペンネームを使い分けてきたのが樹林伸の大きな特徴です。
たとえば、
- 天樹征丸=『金田一少年の事件簿』『リモート』など
- 亜樹直=『神の雫』
- 安童夕馬=『サイコメトラーEIJI』『シバトラ』
- 青樹佑夜=『GetBackers-奪還屋-』
といった形です。講談社の著者紹介でもこれらの名義が紹介されています。
同じ原作者の作品とは気づかず読んでいた人もかなり多いのではないでしょうか。
1987年に講談社へ入社
樹林伸は1987年に講談社へ入社し、『週刊少年マガジン』編集部で漫画編集者として働き始めました。
編集者時代には『シュート!』『GTO』『MMR』などを担当。そして『金田一少年の事件簿』でも、当初は編集者として作品作りに関わり、後に原作も担当するようになります。
普通なら「編集者」と「作家」は別々の仕事として考えます。
ところが樹林伸の場合、編集者として漫画家と一緒に物語を作る経験そのものが、後の漫画原作者としての仕事へつながっていきました。
『金田一少年の事件簿』で原作者として大きく飛躍
講談社の公式プロフィールでは、天樹征丸は『金田一少年の事件簿』シリーズと『探偵学園Q』の原作を担当し、小説版『金田一少年の事件簿』も執筆した人物として紹介されています。
漫画だけではなく、小説として自分自身で「金田一」を書いているところも特徴です。
謎を提示し、読者が推理できる材料を配置し、最後に論理的に回収する。
テレビ番組の「犯人を当ててください」という企画と非常に相性のいい原作者なのも納得できます。
1999年に講談社を退社して独立
樹林伸は1999年に講談社を退社しました。
そこから原作者・作家として本格的に独立。『金田一少年の事件簿』だけにとどまらず、さまざまなジャンルで作品を生み出していきます。
講談社は樹林伸について、独立後も『神の雫』『エリアの騎士』など数々のヒット作を手掛け、小説や脚本でも活動してきたと紹介しています。
編集者から原作者へ、さらに小説・脚本へ。
「人気ミステリー漫画の原作者」という肩書きだけでは収まらない経歴です。
『金曜ミステリークラブ!!!』のために新作を書き下ろした
2026年8月7日、『金曜ミステリークラブ!!!』では新企画「二宮への挑戦状」がスタートしました。
日本テレビの記事一覧にも、「ミステリー界の巨匠・天樹征丸がオリジナルショートミステリーを書き下ろし」と掲載されています。
第1話では、番組のために完全オリジナルのミステリーを制作。
そして9月11日放送でも「『金田一少年の事件簿』原作者からの挑戦状」として書き下ろしドラマが組み込まれています。
つまり既存の金田一作品をテレビ用に流用しているのではなく、テレビ視聴者が二宮和也らと一緒に犯人を考察するための物語を天樹征丸自身が作っている企画です。
現在は『金田一パパの事件簿』『ギフテッド』も展開
天樹征丸は現在も現役で新作を手掛けています。
『金田一パパの事件簿』は2026年6月10日に第4巻が発売。金田一一が父親になった後の事件を描いており、原作は天樹征丸、漫画はさとうふみやです。
もう一つの代表的な現行シリーズが『ギフテッド』。
警視庁の若手刑事・天草那月と、犯人を見抜く不思議な能力を持つ高校生・四鬼夕也を中心とした本格バディミステリーで、こちらも原作を天樹征丸が担当しています。
30年以上「謎を作る仕事」を続けながら、新しい世代向けの作品まで作り続けていることがわかります。
天樹征丸作品を初めて読むなら
『金曜ミステリークラブ!!!』から興味を持った場合、現在の仕事まで追いやすいのは『金田一パパの事件簿』です。
一方、「天樹征丸らしい犯人当てやロジックを楽しみたい」という人なら、やはり『金田一少年の事件簿』シリーズが入口になります。
さらに別タイプのミステリーを読みたい場合は『ギフテッド』へ進むと、同じ原作者でも作品によって設定や謎の見せ方がかなり違うことがわかります。
まとめ
天樹征丸の本名は樹林伸。
1987年に講談社へ入り、『週刊少年マガジン』の編集者として『シュート!』『GTO』などに関わりながら、『金田一少年の事件簿』では原作者としても作品を作るようになりました。1999年に講談社を退社した後は、複数のペンネームを使い分けながら数々のヒット作品を生み出しています。
2026年現在も『金田一パパの事件簿』などを連載し、その一方で『金曜ミステリークラブ!!!』のためにオリジナルの犯人当てドラマまで書き下ろしています。
番組で「金田一の原作者」とだけ紹介されて気になった人にとって、その経歴そのものがかなり面白い人物です。
参考リンク
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