「普通に見えている」うちに見つけることが緑内障では重要
2026年9月9日放送の「あさイチ」では、40代から注意したい目の病気として緑内障も取り上げます。番組の大きなポイントは、緑内障が進んでいても本人が「見えていないこと」に気づきにくいことと、早期発見につながるチェック方法です。
緑内障は、視神経が少しずつ障害されて視野が欠けていく病気です。しかし、「視野が欠けるならすぐ分かるはず」と考えるのは危険です。実際には初期から中期でも自覚しにくく、40代から定期的に目を調べる意味があります。
この記事でわかること
- 緑内障なのに見え方の異常に気づきにくい理由
- 40歳以上ではどのくらい緑内障が多いのか
- 自宅でできる視野セルフチェックの考え方
- 眼科では眼圧・眼底・視野をどう調べるのか
緑内障の視野欠損は「真っ黒な穴」に見えるわけではない

緑内障の怖いところは、視野の一部が欠け始めても、本人がなかなか気づかないことです。
「視野が欠ける」と聞くと、景色の一部分が真っ黒になるイメージを持つかもしれません。
ところが初期では、完全に黒く消えて見えるとは限りません。「少しかすむ」「ぼんやりする」といった程度の場合もあります。
さらに普段は両目で景色を見ています。片方の目に見えづらい場所があっても、もう一方の目が補うため、異変がかなり進むまで気づかない場合があります。
「普通に生活できているから緑内障ではない」とは限らないのです。
40歳以上の約20人に1人が緑内障
日本緑内障学会の多治見スタディでは、40歳以上の緑内障有病率は約5%でした。
年代別に見ると、40代では約2.2%ですが、60代では約6.3%、70代では約10.5%まで上昇します。
つまり40歳は「突然緑内障が増える年齢」というより、症状がないうちからチェックを始めておきたい節目と考えると分かりやすいでしょう。
日本眼科医会も、40歳を過ぎたら定期的な目の検診を勧めています。
日本人は「眼圧が正常な緑内障」が多い
緑内障と聞くと「眼圧が高い病気」というイメージがあります。
確かに眼圧は非常に重要です。
ただし、日本では眼圧が一般的な正常範囲にあっても視神経が障害される「正常眼圧緑内障」が多いことが知られています。
そのため健康診断などで「眼圧は正常だったから大丈夫」と考えるだけでは不十分です。
早期発見のきっかけとして特に重要なのが「眼底検査」。
眼底を観察すると、緑内障による視神経乳頭の変化や神経線維の異常を捉えられる場合があります。
自宅では片目ずつ見え方を確認する
普段は両目が互いに補い合っているため、左右を別々に確認することがポイントです。
簡単な確認なら、片目を手で隠し、壁などの一点を見つめながら、周囲に「ぼやける場所」「かすむ場所」「見えにくい場所」がないか左右それぞれ確認します。
ただし、自分でチェックして異常がなかったからといって、緑内障を否定できるわけではありません。
日本視野画像学会が公開している「視野の欠けチェック」でも、セルフチェックは眼科専門医による検査や診断の代わりにはならないと明記されています。
セルフチェックの役割は「診断すること」ではなく、「異変に気づくきっかけを作ること」です。
公式の「クロックチャート」で視野をチェックできる
もう少し体系的にチェックしたい場合は、日本眼科啓発会議の「アイフレイル」公式サイトに視野チェックツールがあります。
40歳を過ぎた人向けに、
- 視野チェックシート「クロックチャート」
- 視野セルフチェック「クアトロチェッカー」
- アムスラーチャート
- コントラスト感度簡易セルフチェック
などが公開されています。
クロックチャートなどは、中央の一点から視線を動かさずに周囲の見え方を確認する仕組みです。
ただしスマートフォンに対応していないチェックもあるため、公式サイトの説明に従ってパソコンなど適切な環境で実施する必要があります。
チェック結果に問題がなくても、気になる症状があれば眼科を受診することが勧められています。
眼科では「眼圧・眼底・視野」の3つを調べる
緑内障の診断では、主に次の3種類の検査が重要です。
眼圧検査
目の中の圧力を測ります。緑内障の診断や治療方針を考えるうえで欠かせません。
眼底検査
目の奥にある視神経乳頭などを観察します。緑内障では視神経乳頭の中心のくぼみが大きくなるなど、特徴的な変化が現れます。
視野検査
見える範囲のどの部分に異常があるのかを調べます。
日本眼科医会では、この眼圧・眼底・視野の3つを緑内障の診断に必要な検査として挙げています。
さらに現在はOCTという検査機器を使い、網膜や視神経周囲の構造を細かく撮影することもあります。
OCTでは神経の層が薄くなっている場所などを捉えられるため、ごく初期の緑内障の診断にも使われています。
健康診断では「眼底検査」が入っているか確認したい
会社などで毎年健康診断を受けていても、必ずしも眼底検査まで含まれているとは限りません。
視力検査で1.0が出ていても、それだけで緑内障がないとは判断できません。
緑内障では中心の視力が比較的保たれたまま、周辺などの視野障害が進んでいるケースがあるからです。
日本眼科医会は、眼底検査によって自覚症状のない初期段階から緑内障を見つけられる可能性があるとして、40歳以降の検査を呼びかけています。
健康診断の結果票を見るときは「視力」だけでなく、「眼底」の項目があるか確認してみるとよいでしょう。
家族に緑内障がいる人は特に意識したい
年齢だけでなく、家族歴も緑内障の重要なリスク要因です。
日本眼科医会の資料では、年齢や家族歴などが危険因子として挙げられています。緑内障の血縁者がいる人や強度近視などがある人では、自覚症状がなくても検査を意識する意味があります。
「家族が緑内障だったけれど、自分はよく見えているから大丈夫」という判断は避けたほうがよいでしょう。
むしろ、見えているうちに眼底や視野を調べておくことが早期発見につながります。
急な強い目の痛みは別扱い
多くの緑内障はゆっくり進み、初期にはほとんど症状を感じません。
一方、「急性緑内障発作」と呼ばれる状態では、眼圧が急激に上がり、強い目の痛みや頭痛、充血、急激な見えにくさなどが起こることがあります。
このような症状は、自宅の視野チェックをして様子を見る場面ではありません。
急な強い症状が出た場合は速やかな医療機関への相談が必要です。
実用情報|40代からの緑内障チェックの進め方
まず自宅では、時々片目ずつ見え方を確認します。
さらに公式のクロックチャートなどを利用すれば、普段は気づきにくい視野の異変に気づくきっかけになります。
ただし、もっと重要なのは眼科での検査です。
特に40歳を超えたら、
- 健診に眼底検査が含まれているか確認する
- 家族に緑内障の人がいれば眼科で伝える
- 「眼圧正常=緑内障なし」と考えない
- 見え方に異変を感じたら片目ずつ確認する
- 異常がなくても定期的に目をチェックする
という流れを覚えておくと分かりやすいでしょう。
まとめ
「あさイチ」で取り上げられる緑内障チェックで、最も大切なのは「見えているから大丈夫とは限らない」という点です。
緑内障は40歳以上のおよそ20人に1人にみられ、年齢とともに割合が高くなります。
しかも片目に視野の欠けがあっても、普段は両目で補い合っているため、かなり進むまで気づかないことがあります。
自宅で片目ずつ確認したり、公式の視野チェックを使ったりすることは、異変に気づくきっかけになります。
一方で、セルフチェックだけでは診断できません。
40代以降は眼圧だけでなく、眼底検査や必要に応じた視野検査まで含めて目をチェックすることが、将来の見え方を守るための重要なポイントです。
参考リンク
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント