目の乾きや疲れは「涙が少ない」だけが原因ではない
2026年9月9日放送のNHK「あさイチ」では、40代から気になりやすい目の不調として、ドライアイや目の疲れを特集します。番組では、まぶたの温め方と洗浄法、正しい目薬のさし方、目の疲れをケアするツボなど、自宅で取り入れやすい方法が紹介されます。
「目が乾く」というと涙の量だけを考えがちですが、実は涙を蒸発しにくくする「油分」も大切です。その油を分泌するのが、まぶたにあるマイボーム腺。40代以降のドライアイを考えるうえで、まぶたのケアが注目される理由もここにあります。
この記事でわかること
- 40代以降にドライアイが増えやすい理由
- まぶたを温めるセルフケアの考え方
- マイボーム腺とアイメイクの意外な関係
- 目薬を無駄にしない正しい点眼方法
40代から増えるドライアイは「乾く」以外にも症状がある

出典:日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ―生活の注意と治療の目安―」
「あさイチ」では「5人に1人がドライアイ」と紹介されます。日本眼科医会が紹介している日本人の疫学調査でも、40歳以上の成人の17.4%にドライアイがみられたとされています。さらに女性は男性よりドライアイになりやすく、加齢とともに頻度も増えていきます。
ドライアイという名前から「目が乾く病気」と思ってしまいますが、症状はそれだけではありません。
目がゴロゴロする、開けにくい、疲れやすい、なんとなく見えづらいといった症状もあります。涙が出ているのに乾燥感がある人も珍しくありません。
現在は、単純な涙の量だけではなく「涙が目の表面に安定してとどまれるか」が重要と考えられています。
ここで大切になるのが、涙の表面を覆って蒸発を防いでいる油分です。
涙の蒸発を防いでいる「マイボーム腺」とは
まつ毛の生え際付近には「マイボーム腺」と呼ばれる小さな分泌腺があります。
ここから出る油分が涙の表面を覆うことで、水分が急速に蒸発するのを防いでいます。つまり、涙そのものはあるのにマイボーム腺から十分な油が出ないと、目の表面が乾きやすくなるわけです。
マイボーム腺の働きが悪くなる状態は「マイボーム腺機能不全(MGD)」と呼ばれます。加齢などさまざまな原因で起こり、眼の乾燥感だけでなく、疲れ、ゴロゴロ感などにつながることがあります。
そのため最近のドライアイ対策では、単純に目薬で水分を補うだけではなく、「まぶたを温める」「まぶたの縁を清潔にする」というケアも重視されています。
まぶたを温めると油分が出やすくなる
日本眼科医会は、まぶたを温めることでマイボーム腺からの油分の分泌がよくなり、ドライアイのケアに役立つことを紹介しています。
自宅で行う方法として分かりやすいのが「温罨法(おんあんぽう)」です。目を閉じた状態で、温かいアイマスクなどを使い、まぶた全体をじんわり温めます。
医療機関ではセルフケアの一例として、1回5分程度、1日1~2回を目安に温める方法も紹介されています。
大切なのは「熱ければ熱いほどいい」わけではないこと。眼球を強く押したり、揉んだりする必要もありません。
充血や炎症、傷など目の周囲に異常がある場合は、温めることが適さないケースもあります。市販の温熱用品についても、それぞれの使用上の注意を守る必要があります。
アイラインやマスカラがマイボーム腺を塞ぐことも
40代以降の女性が特に知っておきたいのが、アイメイクとマイボーム腺の関係です。
マイボーム腺の出口は、まつ毛のすぐ内側にあります。
日本眼科医会では、まつ毛の内側までアイラインやアイシャドウを入れたり、マスカラを根元まで塗ったりすると、マイボーム腺の出口を塞ぎ、涙が蒸発しやすくなる可能性があると説明しています。
「しっかりメイクをしている日は目が乾きやすい」という人は、目薬だけでなくメイクの位置にも目を向けてみる価値があります。
また、コンタクトレンズを装着したままクレンジングすると、クレンジング剤や化粧品でレンズを汚してしまうことがあります。
コンタクトレンズを使っている場合は、基本的にレンズを外してからメイクを落とすのがポイントです。
洗うのは眼球ではなく「まぶたの縁」
まぶたの温めと組み合わせて行われるのが、眼瞼清拭や「リッドハイジーン」と呼ばれるケアです。
名前は難しそうですが、考え方はシンプルです。
清潔な状態で、まつ毛の根元やまぶたの縁に付着した皮脂、化粧品などの汚れをやさしく落とします。
ここで注意したいのは「眼球そのものをゴシゴシ洗う方法」ではないことです。
目元は非常にデリケートなので、強くこする必要はありません。特に痛みや強い充血がある場合は、自己流の洗浄を続けるより眼科を受診したほうが安心です。
正しい目薬のさし方は「1滴・触れない・パチパチしない」
「あさイチ」で扱われるもう1つの実用的なテーマが、目薬の正しいさし方です。
参天製薬が案内している基本的な点眼方法は次の流れです。
- 石けんと流水で手を洗う
- 下まぶたを軽く引いて1滴を点眼する
- 容器の先をまつ毛・まぶた・眼球に触れさせない
- 点眼後はパチパチまばたきをしない
- しばらく目を閉じるか、目頭の鼻側を軽く押さえる
通常、1回1滴で目の表面には十分です。何滴も入れても、余った分が目からあふれるだけで効果が増えるわけではありません。
意外なのが「目薬を入れたらパチパチする」という方法。
まばたきを繰り返すと、薬液が鼻側へ流れ出しやすくなります。点眼後は静かに目を閉じるのが基本です。
複数の点眼薬を使っている場合は、一般に5分以上間隔をあける方法が案内されています。ただし処方された目薬については、医師や薬剤師から指示された方法を優先してください。
スマホやパソコンを見る時間もドライアイに関係する
ドライアイ研究会では、長時間のパソコンやスマートフォン、空気の乾燥、加齢、コンタクトレンズ、アイメイクなどをドライアイの原因・悪化要因として挙げています。
画面をじっと見ている時間が長くなると、まばたきが減りがちです。
仕事でパソコンを使う人なら、「画面を見るのをやめる」ことは現実的ではありません。そこで意識したいのが、こまめな休憩とまばたきです。
ドライアイ研究会では、パソコン作業中に意識してまばたきを増やし、画面を目より低めに置くことなどを紹介しています。
画面の位置を少し下げるだけでも、目を大きく見開く必要がなくなります。
目の疲れを感じたときに避けたいこと
目が疲れていると、つい目頭や眼球の周囲を強く押したくなります。
「あさイチ」では目の疲れ向けの3つのツボも紹介されますが、セルフケアでは「強く押すほど効く」と考えないことが大切です。
特に眼球自体を強く圧迫するのは避けましょう。
目の痛み、急な視力低下、強い充血、片目だけの見え方の異常などがある場合は、単なる「目の疲れ」と決めつけず眼科で確認することが重要です。
実用情報|40代から取り入れたい目のセルフケア
日常生活で始めやすいのは、まず次の4点です。
- パソコンやスマホ作業では意識してまばたきをする
- 乾燥した部屋ではエアコンの風を目に直接当てない
- 心地よい範囲でまぶたを温める
- アイメイクはまつ毛の内側や根元を埋めすぎない
さらに目薬を使用するときは、用法・用量を守り、容器の先を目に触れさせないこと。
セルフケアを続けても乾燥感や痛み、見えにくさが続く場合は、単純な乾燥だけでなく別の目の病気が隠れている可能性もあるため、眼科で状態を確認するのが安心です。
まとめ
2026年9月9日の「あさイチ」で注目したいドライアイ対策のポイントは、「目に水分を足す」だけではないことです。
涙の蒸発を抑える油を出しているマイボーム腺に注目すると、なぜまぶたを温めたり、まぶたの縁を清潔にしたりすることが大切なのかが分かります。
また、アイラインやマスカラの位置がマイボーム腺を塞ぐ場合があることも、知っておきたいポイントです。
そして目薬は、1滴を入れたあとパチパチせずに目を閉じるのが基本。
40代になって「以前より目が疲れる」「乾燥する」「なんとなく見えにくい」と感じるようになったら、セルフケアとともに一度自分の目の状態を確認してみることも大切です。
参考リンク
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