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本田久美子の経歴と和装ドレス「kumi華」|着物を切らずにドレスへ【日本のチカラ】

人物

本田久美子さんは44年の着付け人生から「切らない和装ドレス」を生み出した着付け師

2026年9月12日放送の『日本のチカラ』では、石川県白山市の「金澤和装塾」を主宰する着付け師・本田久美子さんが特集されます。67歳の本田さんは、44年にわたって着付けの仕事に携わり、これまでに1万人以上を着付けてきたベテランです。そんな長い経験から生まれたのが、振袖や着物にハサミを入れず、縫うこともなくドレス姿へ変える和装ドレス「kumi華」。能登半島地震の後は、その技術を被災地の夫婦や若者の晴れ舞台にも役立てています。

この記事でわかること

  • 本田久美子さんの経歴と44年にわたる着付け人生
  • 和装ドレス「kumi華」が生まれた理由と特徴
  • 能登半島地震後に続けている復興応援活動
  • 金澤和装塾の場所やkumi華の料金・予約方法

本田久美子さんは石川県白山市「金澤和装塾」の代表

484 あした、ハレの日 ~着付け師の奮闘記~ | 日本のチカラ | 民教協の番組 | 公益財団法人 民間放送教育協会

出典:日本のチカラ #484「あした、ハレの日 ~着付け師の奮闘記~」

本田久美子さんは、石川県白山市にある「金澤和装塾」の代表を務める着付け師です。2026年時点で67歳。母親が和裁士だったことから幼いころから着物が身近にあり、その影響を受けて着物の世界へ進みました。

着付け師としてのキャリアは44年に及び、これまで着付けを行った人数は1万人以上。成人式や結婚式といった人生の節目から、さまざまなイベントまで、多くの人の「晴れの日」に携わってきました。

現在の金澤和装塾では、一般的な着付けだけでなく、成人式、婚礼、フォトウエディング、卒業式や入学式などにも対応しています。さらに本田さんの活動を特徴づけているのが、着物を現代的な形で楽しむ「和装ドレス」です。

本田さん自身が着物文化を守ろうとしている点も興味深いところです。古いものをそのまま保存するだけではなく、「着る機会をつくることで次の世代につなぐ」という考え方が、現在の活動の軸になっています。金澤和装塾も、着物に宿る日本の知恵や美意識を現代の暮らしの中へ循環させることを活動理念として掲げています。

「母の着物を着たい」という思いから生まれた和装ドレス「kumi華」

本田さんが考案した和装ドレスには「kumi華」という名前が付けられています。

大きな特徴は、着物を切らないこと、そして縫わないことです。

一般的に着物を洋服へリメイクする場合は、生地を裁断してドレスやワンピースへ縫い直します。しかしkumi華は、ドレスを土台として、その上から着付けの技術を使って着物をまとわせます。着物そのものにはハサミを入れないため、着用後には元の着物へ戻すことができます。

この方法が生まれた背景にあったのが「母の着物を着たい」という娘世代の思いでした。

親子で体格が違えば、母親の振袖や着物をそのまま娘が着るのが難しいことがあります。それでも、大切な思い出が詰まった一着を諦めてほしくない。そこで本田さんは、寸法が合わない着物でも裁断せずに着られる方法として、ドレスと着付けを組み合わせました。

つまりkumi華は、単に「着物風のドレス」を作るものではありません。

着物そのものを残したまま、見せ方だけを変える技術です。

タンスに眠っていた振袖や母・祖母から受け継いだ着物を、結婚式や記念撮影、ステージ衣装などでもう一度活躍させられる点に、このスタイルならではの価値があります。

50歳でステージ4の乳がんと診断された経験

本田さんが精力的に活動を続ける背景には、自身の大きな病気の経験もあります。

番組公式によると、本田さんは50歳のときにステージ4の乳がんと診断されました。現在も通院を続けています。さらに番組放送のおよそ1年前には、同じ病気で最愛の妹を亡くしました。

そうした経験をしてきた本田さんが大切にしているのが、「今日」という時間です。

番組では、家族が心配するほど仕事に打ち込み、イベントの準備では着付けだけでなく、スタッフへの指示や進行管理、イベント全体の監督まで一人で担う姿が紹介されます。仕事を終えて翌朝の新聞を読んでから眠ることもあるというほどです。

病気を経験したからこそ、いつかできればいいではなく、できることを今やる。その姿勢が、着物文化を残す活動や能登への支援につながっていることがわかります。

能登半島地震後は和装ドレスで「晴れの日」を取り戻す活動へ

2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震以降、本田さんの活動はさらに広がりました。

震災の影響で結婚式を挙げられなかった夫婦には、和装ドレスを使った衣装を提供。被災した高校生や着物作家らをモデルに迎えたドレスショーも開催しています。

金澤和装塾の公式サイトにも、2026年6月に「能登復興への願いをこめた和装」として、震災を経験した夫婦の節目に和装ドレスで携わったことが掲載されています。

特徴的なのは、本田さんがこうした活動を単なる事業として行っているわけではないことです。

番組によれば、衣装のレンタル費やヘアメイク費などを本田さん自身が負担することもあり、そのため金澤和装塾が赤字になる月も少なくありません。

着付け師としてできる支援を考えた結果、本田さんが選んだのが「誰かの晴れの日をつくる」という方法でした。

被災地支援というと生活物資や義援金などがまず思い浮かびますが、生活が少しずつ戻った後には、結婚式や成人式といった人生の節目を取り戻すことも大切になります。本田さんの活動は、着物文化と被災地支援を「お祝い」という形で結びつけている点が印象的です。

55年前の牛首紬を和装ドレスへ、活動は伝統工芸にも広がる

本田さんの取り組みは、個人が所有する着物をよみがえらせるだけではありません。

金澤和装塾では2026年、石川県を代表する伝統的な織物「牛首紬」を使ったプロジェクトも進めています。

公式サイトによると、55年前の牛首紬の白生地をもとに、台湾人日本画家による原画と石川県の伝統工芸職人の技を組み合わせて振袖を制作。その振袖を和装ドレスへと変化させる企画が進行しています。

2026年10月17日には石川県立音楽堂交流ホールで、能登応援プロジェクト「羽衣〜着物がつなぐ未来〜」を開催予定。石川県出身の俳優・田中美里さんをゲストに迎え、完成した和装ドレスを披露する計画です。

一着の着物を「昔のもの」として残すのではなく、新しい見せ方を加えて再び人前に出す。

kumi華はそのための技術として、婚礼からファッションイベント、伝統工芸の発信まで用途を広げています。

kumi華の料金は55,000円から、完全予約制

金澤和装塾では、一般の人もkumi華による和装ドレスを依頼できます。

公式サイトに掲載されている料金は55,000円から。完全予約制で、料金にはカウンセリング、スタイリング提案、インナードレス、着付けが含まれています。ヘアやメイクについては別途相談となります。

婚礼として利用する場合には、和装婚礼・フォトウエディングのプランも用意されています。白無垢や色打掛、振袖和装ドレスなどに対応し、婚礼プロデュースから当日の支度までをサポート。公式サイト掲載価格は200,000円からで、内容によって料金が変わります。

記念日やステージ、撮影、フォトウエディングなど、「家にある振袖をもう一度使いたい」という人にとって、特に相性のいいサービスといえそうです。

金澤和装塾の場所・予約方法

金澤和装塾は石川県白山市北成町にあります。

所在地は〒924-0030 石川県白山市北成。受付時間は9:00〜18:00で、公式サイトには電話番号076-275-7545が掲載されています。問い合わせやイベント参加申し込みは、公式InstagramのDMからも受け付けています。

kumi華は完全予約制なので、実際に利用したい場合は、着せたい振袖や着物の種類、使用目的、希望日などを事前に相談しておくのがよさそうです。

とりわけ母親や祖母から受け継いだ着物を利用する場合は、「サイズが違うから着られない」と最初から諦めず相談できることが、このサービスの大きな魅力です。

まとめ

本田久美子さんは、44年間にわたる着付けの経験を生かし、着物を切らず、縫わずにドレスへ変える独自の和装ドレス「kumi華」を生み出した着付け師です。

母や祖母から受け継いだ着物を傷つけることなく、現代の晴れ着として再び着られる仕組みは、単なるリメイクとは大きく異なります。

そして現在は、その技術を能登半島地震からの復興応援にも活用。結婚式を挙げられなかった夫婦への衣装提供やドレスショー、伝統工芸を生かしたプロジェクトまで活動を広げています。

50歳でステージ4の乳がんと診断され、妹との別れも経験した本田さん。それでも「晴れの日」をつくり続ける姿を知ると、kumi華が単なるファッションではなく、人から人へ思いをつなぐための着付けであることが見えてきます。

参考リンク

日本のチカラ #484「あした、ハレの日 ~着付け師の奮闘記~」|民間放送教育協会

金澤和装塾 公式サイト

金澤和装塾 公式Instagram


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