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ワサビ田サーモンと安曇野キャビア|藤屋わさび農園・望月啓市が湧水で始めた養殖【満天☆青空レストラン】

グルメ

わさび田の湧水から生まれたワサビ田サーモンと安曇野キャビア

2026年9月19日放送の『満天☆青空レストラン』では、長野県安曇野市の極上わさびとともに、「ワサビ田サーモン丼」と特製キャビアが登場します。

このサーモンとキャビアを生み出しているのが、安曇野でわさび栽培を続ける藤屋わさび農園の望月啓市さんです。始まりは、わさび田を流れる北アルプスの豊富な湧水と、使われなくなった養殖池を生かすことでした。わさび農家の新たな挑戦は、2026年には「安曇野キャビア」の本格出荷へとつながっています。

この記事でわかること

  • ワサビ田サーモンとはどんな魚なのか
  • 望月啓市さんが養殖を始めたきっかけ
  • 安曇野キャビアが誕生するまでの約6年間
  • サーモンとキャビアを育てられる安曇野の湧水環境

ワサビ田サーモンは藤屋わさび農園が湧水で育てるサーモン

ナナズグリーンティー初採用の食材。湧き水で育つサーモンの秘密。 – nana's green tea

出典:nana’s green tea公式「湧き水で育つサーモンの秘密」

「ワサビ田サーモン」は、藤屋わさび農園が安曇野の豊かな湧水を利用して育てているサーモンです。飲食店でも「藤屋わさび農園のワサビ田サーモン」として料理に使われており、わさびだけではない新しい安曇野食材として広がっています。

藤屋わさび農園では、もともと安曇野の湧水を使ってわさびを栽培してきました。

そこから流れる水をさらに活用し、廃業したマス養殖施設などを使って魚を育てる取り組みを始めています。サーモンは2024年から出荷が始まりました。

特徴は、海ではなく北アルプスからもたらされる淡水で育つことです。

池の広さに対して魚の数を抑え、できるだけ自然に近い環境で育てられています。藤屋わさび農園のサーモンを採用したnana’s green teaでは、味について、脂がさっぱりしていて臭みが少なく、上品な味わいと紹介しています。

『満天☆青空レストラン』では、このサーモンをご飯にのせた「ワサビ田サーモン丼」として登場します。

わさび田の水で育てたサーモンに、同じ安曇野のわさびを合わせるという、土地の水を丸ごと味わうような料理です。

養殖の始まりは望月啓市さんが考えたキャビアだった

サーモン養殖より先に望月啓市さんが目を付けたのが、チョウザメでした。

望月さんは食べ歩きが好きで、飲食店でキャビアを食べたことをきっかけにチョウザメについて調べ始めます。その中で、安曇野に豊富にある湧水なら養殖できると考えました。

2020年、最初に育て始めたチョウザメはわずか30匹でした。

安曇野では昔から、わさび田を流れた水をニジマスなどの養殖に利用してきた歴史があります。しかし近年は養殖業者の廃業も増え、使われなくなった池もありました。

望月さんは、そうした池と湧水を新たな食材づくりに生かそうとしたのです。

ところがキャビアは、魚を育てればすぐに商品になるわけではありません。

チョウザメが成長し、卵を採れるようになるまでには約7年という長い時間が必要です。一方で餌や稚魚にも費用がかかるため、その期間をどう乗り越えるかが大きな課題になりました。

サーモン養殖はキャビアができるまでを支える存在になった

そこで大きな役割を果たしたのがサーモンです。

チョウザメと同じ淡水環境を利用して育てられる魚として、望月さんはトラウトサーモンの養殖にも取り組みました。

サーモンも出荷できる大きさになるまで約3年かかりますが、キャビアの約7年に比べれば早く商品化できます。チョウザメ養殖開始から4年目以降は、サーモンの販売で利益を生み出しながら、キャビアの完成を待つ体制を作っていきました。

つまりワサビ田サーモンは、単なる副産物として生まれた魚ではありません。

「安曇野でキャビアを作る」という長期計画を支える重要な事業となり、そのサーモン自体も独自の食材として評価されるようになったのです。

2026年にはnana’s green teaが「安曇野産サーモンとアボカドのどんぶり」を期間限定で全国展開しました。同社によると、飲食チェーンでこの安曇野産サーモンを使ったメニューを展開するのは初めての試みでした。

安曇野の湧水だから酸素供給装置に頼らない養殖ができる

ワサビ田サーモンとキャビアを語るうえで、最も重要なのが安曇野の水です。

安曇野には北アルプスから地下へ浸透した水が豊富に湧き出しています。安曇野市によると、わさび田周辺には日量70万トンもの清涼な水があり、この水が特産のわさびだけでなく、ニジマス養殖などの産業も支えてきました。

藤屋わさび農園がサーモンを育てる池でも、この環境が大きな強みになっています。

湧水には酸素が豊富に含まれているため、一般的な養殖で使われる酸素供給装置を必要とせず、水が常に流れ続けるため、大掛かりな水質管理装置にも頼らない養殖が可能とされています。

大量の設備で人工的に水を管理するのではなく、安曇野にもともと存在する水の力を利用する。

わさび田と魚の養殖が同じ地域で成り立っている理由がここにあります。

安曇野キャビアは2026年から本格出荷が始まった

そして長い養殖期間を経て、いよいよ形になったのが「安曇野キャビア」です。

2025年末から少量の出荷が始まり、2026年には本格的な出荷へ移行しました。

2026年3月時点では、

  • 養殖池:3か所
  • チョウザメ:約3万匹
  • 養殖・加工体制:専門チーム4人
  • 取引先:約10店舗
  • 2026年の生産目安:500kg
  • 2030年ごろの目標:年間3トン

という規模まで拡大しています。

望月さんは2024年に「安曇野キャビア株式会社」を設立。国の法人情報にも、長野県安曇野市穂高を所在地とする「安曇野キャビア株式会社」が登録されています。

わさび農家が始めた小さなチョウザメ養殖が、独立した事業へ成長したことになります。

2026年にはホテルやレストランの料理にも安曇野キャビアが登場しています。東急ハーヴェストクラブでは、藤屋わさび農園のチョウザメとキャビアを使用した料理が紹介され、9月からは別のリゾートレストランでも安曇野キャビアを使ったコースが提供されています。

ワサビ田サーモンはすでに安曇野の料理として広がっている

ワサビ田サーモンも、養殖池だけの存在ではなく実際の料理として広がっています。

松本市のMATSUMOTO PUBLIC HOUSEでは現在、

  • ワサビ田サーモンの柚子マリネ:1,000円
  • 低温調理したワサビ田サーモンと焼き茄子のソース:1,400円
  • わさび田サーモンタルタル丼 柚子胡椒風味:1,300円

などがメニューに掲載されています。価格や提供内容は変更される場合があります。

加工品もあり、「ワサビ田サーモン クリームチーズディップ」や、安曇野産わさびの茎を合わせた「ワサビ田サーモンと野沢菜の生ふりかけ」などが販売されています。

サーモンだけ、わさびだけではなく、両方を組み合わせた商品が生まれているところも安曇野らしい展開です。

望月啓市さんが目指すのは「わさびに並ぶ安曇野の特産」

望月啓市さんが目指しているのは、キャビアを一時的な珍しい商品で終わらせることではありません。

安曇野キャビアを、わさびと並ぶ地域の新しい特産品へ育てることです。

安曇野には昔から水があり、わさび田があり、魚の養殖文化もありました。

望月さんが行ったのは、それぞれを別々に見るのではなく、1本の流れとしてつなぎ直すことでした。

湧水でわさびを育て、その水でチョウザメとサーモンを育てる。サーモンを先に商品化して長期間必要なチョウザメ養殖を支え、最終的にキャビアという高付加価値の商品につなげる。

『満天☆青空レストラン』に登場するワサビ田サーモン丼とキャビアには、そんな約6年にわたる挑戦が詰まっています。

まとめ

藤屋わさび農園の「ワサビ田サーモン」と「安曇野キャビア」は、北アルプスから湧き出す豊富な水を新たな形で生かすために始まった養殖から生まれました。

望月啓市さんは2020年、30匹のチョウザメから養殖をスタート。キャビアが採れるまでの長い期間を支えるためにサーモン養殖にも取り組み、2024年からサーモンを出荷。そして2026年、安曇野キャビアの本格出荷までたどり着きました。

わさび、サーモン、キャビア。

一見するとまったく異なる3つの食材ですが、そのすべてをつないでいるのが安曇野の湧水です。

『満天☆青空レストラン』で登場する豪華なサーモン丼とキャビアは、安曇野の水を生かした新しい食文化を象徴する一皿といえそうです。

参考リンク


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