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加世田常潤高校が生成AIで高齢者向けゲーム開発!介護DX「TANO」の仕組み|THE TIME, 全国!中高生ニュース

技術・サイエンス

加世田常潤高校が挑む「介護×生成AI」のゲーム開発

2026年9月21日放送の『THE TIME,』「全国!中高生ニュース」に登場するのは、鹿児島県南さつま市の鹿児島県立加世田常潤高等学校です。

生活福祉科の生徒たちは、体の動きをセンサーで読み取るモーショントレーニングシステム「TANO(タノ)」を活用し、生成AIも使いながら高齢者向けゲームを開発。今回は完成させるだけではなく、実際に高齢者施設で入所者に体験してもらう段階まで進んでいます。

高校の授業で「AIを学ぶ」だけではなく、介護現場で使うゲームを自分たちで考え、企業と一緒に形にして高齢者へ届けるところまでつながっているのが、この取り組みの大きな特徴です。

この記事でわかること

  • 加世田常潤高校が開発した高齢者向けゲームの内容
  • モーショントレーニングシステム「TANO」の仕組み
  • 生成AIをゲーム開発にどう利用したのか
  • 高校生のアイデアが介護現場につながるまでの流れ

加世田常潤高校が使う「TANO」は体そのものがコントローラーになる

出典:TANOTECH「DXハイスクール採択校でTANOを活用した実践授業」

加世田常潤高校の生活福祉科が利用しているTANOは、TANOTECH株式会社が開発する非接触・非装着型のモーショントレーニングシステムです。

大きな特徴は、ゲーム機のようなコントローラーを手に持つ必要がないこと。

センサーの前に立つと身体の動きを認識し、その動きによって画面上のゲームやプログラムを操作できます。運動だけでなく、認知、発声などを取り入れたプログラムがあり、介護予防やリハビリテーション、障がい福祉、教育などで活用されています。

加世田常潤高校では2025年度からTANOを導入。2026年度はさらに一歩進み、用意されたゲームを生徒が体験するだけではなく、生徒自身がTANOで動く高齢者向けゲームを考える授業へ発展しました。

生徒が開発したのは「洗濯物」「声」「ダイヤル」の3ゲーム

2026年6月19日に実施された授業では、生活福祉科の1年生から3年生までが混成チームを作りました。

生徒たちが考えたゲームとして、実際に試作されたのは次の3種類です。

  • 洗濯物を取る:体を動かして洗濯物をつかみ、取り込む
  • 声で指定メモリまでためる:声を使って画面上の水を指定された位置までためる
  • 左右の手でダイヤルを合わせる:左右の手を回して数値を合わせる

単純に派手なゲームを作るのではありません。

生徒たちは「高齢者が楽しめる要素」「体が不自由な人でも遊べるゲーム」といった利用者側の条件からアイデアを考えています。

特に洗濯物を取り込む動きや、左右の手を回す動きなど、日常生活を連想させる動作がゲームになっている点も特徴的です。

プログラミングだけでなく生成AIを使ってゲームを形にした

今回の取り組みでもう1つ重要なのが生成AIです。

生徒たちはゲームのアイデアを考えたあと、それを生成AIに伝えるための指示、いわゆるプロンプトへ落とし込みました。

その場でプログラムを動かし、自分たちでも試遊。さらに生徒同士で評価や意見交換を行い、講師からフィードバックを受けながら改善しています。

つまり、

  • 高齢者にどんな動きをしてもらうか考える
  • ゲームのアイデアを作る
  • 生成AIへ渡す指示を考える
  • プログラムを動かす
  • 実際に遊ぶ
  • 問題点を見つける
  • 改善する

という一連の開発工程を高校生が経験したことになります。

生成AIそのものを勉強するのではなく、介護現場の課題を解決するための道具として生成AIを使ったところが、この授業の面白い部分です。

なぜ普通科ではなく生活福祉科がゲームを作るのか

加世田常潤高校には、介護福祉士を目指して専門的な学習を進める生活福祉科があります。

そのため今回のゲーム開発では、単なるIT教育とは少し違った視点が入ります。

利用者となる高齢者について理解している生徒だからこそ、「ゲームとして面白いか」だけではなく、身体をどの程度動かせるのか、どのような操作なら参加しやすいのかという介護する側の視点をゲーム設計へ持ち込めます。

実践授業にはTANOを開発するTANOTECHのほか、エア・ウォーター西日本、カクイックスウィングも協力しました。

学校だけで完結させず、実際に福祉やテクノロジーに関わる企業と一緒に開発を進めています。

TANOは装着機器がいらないことも介護現場での特徴

TANOの仕組みで注目したいのが「非接触・非装着」です。

一般的なゲームならコントローラーを握ったり、ボタンを押したりする必要があります。しかしTANOでは、センサーが身体の動きを認識します。

そのため利用者は基本的にセンサーの前で身体を動かして参加できます。

高齢者だけではなく、障がい福祉や教育などにも利用範囲が広がっているのは、この操作方法とも関係しています。

実際に自治体での導入例もあり、名古屋市の昭和福祉会館では2026年4月からTANOを常設。運動、姿勢測定、脳トレクイズなどに利用されています。

開発したゲームを高齢者施設で実際に体験してもらう段階へ

6月の授業時点では、生徒たちが開発したコンテンツを使って地域の高齢者へ出前授業や実践を行う計画が示されていました。

そして9月21日の「全国!中高生ニュース」では、そこからさらに進んだ活動が紹介されます。

生徒が考えたゲームを初めて高齢者施設の入所者に実際に体験してもらう内容です。

ここが今回の大きなポイントです。

教室の中で「高齢者が遊びやすそう」と考えることと、実際の高齢者に操作してもらうことは違います。

動きが分かりやすいのか、楽しく続けられるのか、操作が難しくないのか。

実際の利用者に触れてもらうことで、生徒たちが考えた介護DXが初めて現場につながります。

10月には福祉機器展でも生徒開発コンテンツを展示予定

このプロジェクトはテレビ放送だけで終わるものではありません。

加世田常潤高校の生徒が開発したコンテンツは、2026年10月2日・3日に鹿児島市で開催される「快護生活フェス!2026 福祉機器展&セミナー in かごしま」でも展示が予定されています。

開催概要は次の通りです。

  • 開催日:2026年10月2日・3日
  • 会場:カクイックス交流センター
  • 所在地:鹿児島市山下町14番50号
  • 対象:一般、福祉・保健・医療関係者、行政、学生
  • 入場料:無料

学校の授業で生まれたアイデアが、実際の高齢者施設で試され、さらに福祉機器の展示イベントへ出ていく流れになっています。

加世田常潤高校はDXハイスクール採択校

今回の取り組みは、文部科学省の高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)の一環です。

DXハイスクールは、デジタルなどの成長分野を支える人材育成を目的に、高校でのICT環境整備や、大学・企業などと連携した実践的な学びを進める事業です。

加世田常潤高校の場合、そのデジタル教育を「介護」と組み合わせました。

AIやプログラミングを学ぶこと自体をゴールにせず、高齢者が楽しみながら身体を動かせるものを作るという明確な目的を設定しています。

農業や福祉を専門的に学べる高校だからこそ、一般的なデジタル教育とは違う「介護DX」という方向へ発展しているわけです。

加世田常潤高校とTANOのまとめ

加世田常潤高校生活福祉科の生徒たちは、モーショントレーニングシステムTANOと生成AIを組み合わせ、高齢者向けゲームの企画・開発に取り組んでいます。

試作されたのは「洗濯物を取る」「声で指定メモリまでためる」「左右の手でダイヤルを合わせる」という3種類。

特徴的なのは、高校生が生成AIを使ってゲームを作ったことだけではありません。

生活福祉科で学ぶ介護の知識を土台に「体が不自由な人でも遊べるもの」を考え、企業と一緒に開発し、さらに実際の高齢者へ使ってもらうところまで進めています。

『THE TIME,』「全国!中高生ニュース」で紹介されるのは、福祉を学ぶ高校生がAIとデジタル技術を使い、介護現場で役立つものを自分たちで作る取り組みです。

参考リンク


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