燕市の職人が「カレーをおいしく食べる」ためだけに作ったスプーン
2026年9月28日放送のNHK『鶴瓶の家族に乾杯 幸せをありがとうSP 前編』では、柳川市で出会った極旨カレーと、新潟県燕市のカレー専用スプーンを組み合わせる企画が登場します。塚地武雅さんが驚くポイントとして示されているのが、スプーンを口から抜くときの「口抜け感」です。
そのスプーンが、山崎金属工業の「カレー賢人」。キャリ、右利き用サクー、左利き用ヒダリーの3種類があり、2026年9月時点の公式価格はいずれも1本1,980円(税込)です。単に形を変えただけではなく、カレー好きの声を集め、具材のすくいやすさ、切り分けやすさ、口へ流し込む角度、最後の磨きまで追求されています。
この記事でわかること
- カレー賢人3種類の価格とキャリ・サクー・ヒダリーの違い
- 右利き用サクーが左右非対称になった理由
- 左利き用ヒダリーが利用者の声から生まれた経緯
- 燕市の職人が作る「口抜け感」と公式通販
カレー賢人はキャリ・サクー・ヒダリーとも1本1,980円

「カレー賢人」を製造する山崎金属工業は、新潟県燕市に本社を置くカトラリーメーカーです。1918年にスプーン工房として創業し、100年以上にわたって燕の地で金属洋食器を作ってきました。
カレー賢人は、その技術を「日本のカレーライスをより食べやすくする」という一点へ注いだシリーズです。
現在販売されている標準のミラー仕上げは3種類。キャリは全長193mm、サクーとヒダリーは198mmで、材質は18-8ステンレスです。公式オンラインショップでは3種類とも税込1,980円で販売されています。
価格は同じですが、選ぶ基準はかなり明確です。
キャリは、カレーのルゥ・具材・ライスをバランスよくすくって、そのまま口へ運びたい人向け。
サクーは右利き用で、大きな具材をスプーンで切り分けながら食べたい人向け。
ヒダリーは、そのサクーを左利きの人が使いやすいよう反転させたモデルです。
つまり「高級版・廉価版」という違いではなく、カレーの食べ方と利き手によって3種類から選ぶ商品になっています。
キャリ・サクー・ヒダリー3種類の違い
もっともオーソドックスなのが「キャリ」です。
名前の通り、コンセプトは「掬う・運ぶ」。
ティアドロップ型の皿部分は、ルゥ・具材・ライスを一緒にすくったときのバランスを考えて設計されています。大きなカレー皿でもスプーンが皿の中へ滑り落ちにくいよう、一般的なスプーンよりハンドルを長めにしているのも特徴です。
一方、「サクー」のコンセプトは「割く・流す」。
名前の由来も、カレーの大きな具材を「割く」ことから来ています。
先端にはヘラ状の部分があり、ジャガイモやニンジン、肉などを切り分けやすい構造。具材をスプーンで無理に押しつぶしたときに起こりやすい、ルゥの飛び跳ねを抑えることも考えられています。
そして「ヒダリー」はサクーの左利き用。
具材を切る機能や、カレーを口へ流しやすくする考え方は共通していますが、スプーン皿部分の傾きを左右反転させています。
カレーに大きな具材があまり入っておらず、ルゥとライスをバランスよく楽しみたいならキャリ。ゴロゴロした具材を切りながら食べたいなら、利き手に合わせてサクーかヒダリーという違いです。
右利き用サクーが左右非対称になった理由
一般的なスプーンを正面から見ると、皿部分は左右対称に作られています。
ところがサクーは違います。
左から右へ向かって縁が高くなる「右肩上がり」の形で、さらに皿部分の深さまで左右で変えられています。真正面から見た形だけでなく、立体的にも左右非対称です。
理由は、右手でスプーンを持ったときの動きにあります。
右手で持ち、スプーンの左側からカレーを口へ入れる動作に合わせ、ルゥを自然に流し込みやすくするために皿を傾けています。
さらに先端のヘラで具材を切り分けます。
実はこの形は、山崎金属工業にとっても簡単に作れるものではありませんでした。
同社によれば、スプーンは左右対称に成形することが一般的で、サクーのような3次元の非対称形状は従来の製造概念を覆す挑戦でした。傾きを残しながら、手に持ったときにも口へ入れたときにも違和感が出ないバランスを探る必要があったのです。
形を奇抜に見せるための左右非対称ではなく、右手でカレーを食べる一連の動作から逆算したデザインというわけです。
左利き用ヒダリーは利用者の声から誕生
右利き用サクーが生まれると、今度は別の要望が寄せられました。
「左利きでも使えるものが欲しい」という声です。
そこで誕生したのが「ヒダリー」。
公式では、利用者から寄せられた多くの声に応えてサクーを反転させたモデルとして開発したことが明かされています。
ヒダリーは、右から左へ向かってスプーンの縁が高くなる「左肩上がり」。
左手で持ったときに使いやすいよう設計され、サクーと同じく先端には大きな具材を切り分けるためのヘラがあります。
サクーをそのまま左手に持つだけでは、本来想定した「割く・流す」という動きが逆になります。
そこで皿全体を反転させ、左利きの人でも同じ食べ心地を得られる専用品にしたところがヒダリーの特徴です。
右利き用の商品だけで終わらせず、購入者の声から3種類目へ広がったことも、カレー賢人シリーズのおもしろいところです。
カレー好きの声を集めて専用スプーンを開発
そもそもカレー賢人は、メーカーだけで形を決めた商品ではありません。
山崎金属工業は「カレーをおいしく食べるには、どんなスプーンがいいのか」を考えるため、東京・神田神保町へ足を運びました。
神保町はカレー店が集まる街として知られています。
そこでカレー専門店の店主に意見を聞くだけでなく、神田カレーグランプリの協力を得て、カレーを日常的に食べ歩いている人たちの声も集めました。
その中から出てきたのが、大きなカレー皿では普通のスプーンが使いにくい、具材を切ろうとするとルゥが飛びやすい、口へ入れる角度にも使いやすさの違いがあるといった要望でした。
キャリとサクーは、そうした実際の食べ手の動きを反映して形になっています。
カレー専用と名乗る理由は単にサイズを大きくしたからではなく、カレーを「すくう・切る・運ぶ・流す」という動作そのものからスプーンを作り直したことにあります。
職人の磨きが生む「口抜け感」
『家族に乾杯』でもポイントになる「口抜け感」は、形だけで生まれるものではありません。
重要なのが最後の磨きです。
カレースプーンは、食事中に何度も口へ入れ、唇や口の中と広い面積で触れます。そのため、わずかな角や粗さがあるだけでも食感の邪魔になります。
山崎金属工業では、特に最初に口へ触れるスプーンの側面を職人が1本ずつ手作業で磨き、滑らかに仕上げています。
目指しているのは、スプーンそのものを強く意識させないこと。
口へ入れたときはルゥや具材をしっかり運び、引き抜くときにはスッと離れる。そのために接触面を細かく磨き込んでいます。
カレー賢人が作られている燕市は、金属洋食器の産地として発展してきた地域です。山崎金属工業も1918年に燕市で創業し、1991年にはノーベル賞90周年記念晩餐会用のカトラリーを開発した歴史を持ちます。
普段家庭で食べるカレー用のスプーンにも、そうした長年のカトラリー製造技術が使われています。
カレー賢人は山崎金属工業の公式通販で購入できる
カレー賢人は、山崎金属工業の公式オンラインショップから購入できます。
2026年9月時点では、キャリ、サクー、ヒダリーの標準ミラー仕上げはいずれも1本1,980円(税込)。キャリとサクー、キャリとヒダリー、サクーとヒダリーなどの2本セットも3,960円で販売されています。
公式通販では名入れにも対応しています。
また、ショップではAmazon Pay、PayPay、クレジットカードなどの決済方法が用意されており、6,000円以上の購入では送料無料と案内されています。
毎日のカレーを普通に食べるならキャリ、右利きで大きな具材を切りながら食べるならサクー、左利きならヒダリー。
同じ1,980円なので、「どれが上位モデルか」ではなく、自分の食べ方に合った形を選ぶのがポイントです。
まとめ
「カレー賢人」は、新潟県燕市の山崎金属工業が、カレーをより食べやすくするために開発した専用スプーンです。
キャリはルゥ・具材・ライスをバランスよくすくって運ぶタイプ。サクーは右利き用の左右非対称形状で、大きな具材を切りながらルゥを口へ流し込みやすく設計されています。
そして左利きの利用者から寄せられた声をきっかけに、サクーを左右反転したヒダリーも誕生しました。
3種類とも現在の公式価格は1本1,980円。
さらに燕市の職人が1本ずつ側面まで磨き込むことで、番組でも注目される滑らかな「口抜け感」へつなげています。
普段何気なく使っているカレースプーンですが、すくう角度、具材の切り方、利き手、口から抜く瞬間まで考えると、1本の形にもかなり深い理由が隠されています。
参考リンク
おすすめ関連商品案
カレー賢人 キャリ
カレー賢人 サクー(右利き用)
カレー賢人 ヒダリー(左利き用)
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