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豊田賀一は小林製薬8代目社長、入社37年で就任し信頼回復と組織改革へ【ザ・リーダー】

人物

豊田賀一、小林製薬が大きな転機を迎えた時期に社長を引き受けた人物

2026年10月4日放送のMBS『ザ・リーダー』では、小林製薬の代表取締役社長・豊田賀一(とよだ・のりかず)さんが特集されます。

豊田さんは1987年に小林製薬へ入社。海外事業を長く担当し、イギリスやアメリカの現地法人トップなどを経て、2025年3月に8代目社長へ就任しました。

会社が2024年の紅麹関連製品を巡る問題を受けて信頼回復と再発防止に取り組む中で経営を引き継ぎ、現在は「品質と安全を第一に考えたモノづくり」への原点回帰、組織風土改革、2035年を見据えた事業再構築を進めています。

この記事でわかること

  • 豊田賀一さんが1987年の入社から社長になるまでの経歴
  • 長く海外事業を担当してきた人物が社長に選ばれた背景
  • 2025年の社長就任後に進めている信頼回復と組織改革
  • 小林製薬が掲げる2035年ビジョンと今後の会社づくり

豊田賀一は1987年入社、小林製薬一筋で歩んだ社長

出典:MBS『ザ・リーダー』小林製薬・豊田賀一社長

豊田賀一さんは、小林製薬株式会社の代表取締役社長です。

会社公式の略歴によると、小林製薬へ入社したのは1987年12月。2025年3月の社長就任まで約37年間、同社でキャリアを積んできました。

主な経歴は次の通りです。

  • 1987年12月:小林製薬入社
  • 2006年1月:Kobayashi Healthcare Europe, Ltd.社長
  • 2012年12月:国際事業部 欧米・中国戦略部長
  • 2015年3月:国際事業部 欧米戦略部長
  • 2015年7月:Kobayashi Healthcare International, Inc.社長を兼務
  • 2023年3月:執行役員 国際事業部長
  • 2025年1月:執行役員 国際事業本部長
  • 2025年3月:代表取締役社長

創業家出身ではなく、社内で長く実務を経験してきた「生え抜き」の経営者です。

海外事業を長く経験、英国と米国で現地法人トップに

豊田さんの経歴で目立つのが、国際事業の長さです。

2006年には英国のKobayashi Healthcare Europe, Ltd.の社長に就任。その後は欧米、中国を担当する戦略部門へ進み、2015年には米国のKobayashi Healthcare International, Inc.社長も務めました。

小林製薬は「熱さまシート」をはじめ、日本で生まれた生活用品を海外でも展開してきた企業です。

その中で豊田さんは、海外市場での販売だけでなく、現地で受け入れられる商品の開発やマーケティング、販路拡大に関わってきました。

会社側も、豊田さんについて、英国・米国の現地法人社長や国際事業部長としてグローバル販売品の製品開発力、マーケティング力、販路の強化に取り組んできた人物と説明しています。

国内だけを見てきた経営者ではなく、長期間にわたり日本の外から小林製薬を見てきた人物であることが大きな特徴です。

2024年、会社を揺るがした紅麹関連製品の問題

豊田さんが社長になる前年、小林製薬は大きな転機を迎えました。

2024年3月22日、紅麹関連製品について自主回収を公表。その後、同社は紅麹事業から撤退しています。

現在も会社は、健康被害を受けた人への補償対応や再発防止策を進め、関連情報を専用ページで更新しています。

2025年3月には経営体制を刷新。

そこで代表取締役社長に就いたのが豊田さんでした。

会社は新体制について、「品質と安全を第一に考えた製品づくり」という原点に戻り、体制強化と意識改革を進めるためのものと位置付けています。

つまり豊田さんの社長就任は、好調な会社をそのまま受け継ぐものではありませんでした。

信頼をもう一度積み上げるという難しい時期に、会社のトップを引き受けたことになります。

2025年3月、小林製薬8代目社長に就任

2025年3月28日の株主総会と取締役会を経て、豊田さんは正式に代表取締役社長へ就任しました。

小林製薬の沿革では「8代目社長」と記されています。

その時点で掲げられた大きなテーマが「信頼回復」です。

豊田さん自身も、その後の経営説明で、紅麹関連製品を巡る問題を受けた顧客や取引先への対応を優先しながら、会社を立て直すため従業員との対話や組織風土改革を進めているとしています。

社長交代だけで会社を変えるのではなく、社員がどのように判断し、行動する会社にするのか。

豊田さんの改革では、この「組織の中身」が大きなテーマになっています。

社員との対話から新しい行動規範づくりへ

豊田さんは社長就任後、従業員との対話を重ねてきました。

会社のガバナンス情報では、豊田さんが信頼回復に向けた経営改革だけでなく、「ありたい風土」と新しい「行動規範」を作り、その浸透に取り組んでいることが説明されています。

小林製薬はもともと、社員から商品アイデアを集め、「あったらいいな」を形にすることを強みにしてきた会社です。

しかしアイデアを出せるだけではなく、品質や安全について問題を感じた時に、組織内で声を上げ、適切に判断できる風土も必要になります。

2026年8月には、3年ぶりとなる「全社員アイデア大会」も実施されました。

顧客の困りごとを見つけて新製品へつなげるという会社本来の文化を、改めて確認する取り組みです。

「あったらいいな」から「これがないと困る」へ

小林製薬といえば、「“あったらいいな”をカタチにする」という言葉で知られています。

豊田さんは、この強みを捨てるのではなく、さらに一段先へ進めようとしています。

現在掲げている2035年ビジョンは、

「お客様の“あったらいいな”を発見し、“これがないと困る”と感じていただける製品を創造する」

というものです。

一時的に話題になる商品を大量に投入するのではなく、生活の中へ定着し、長く必要とされる製品を増やす考え方です。

そのため現在は、会社全体の事業を見直し、強みを発揮できる分野へ経営資源を集中させる「選択と集中」も進めています。

商品数を増やす経営から「メリハリを付けた経営」へ

小林製薬は、多数のニッチ商品を次々と生み出す企業として成長してきました。

一方、新体制では製品品目数の最適化や不採算事業の整理にも取り組んでいます。

豊田さんは2026年の株主向けメッセージで、品質への投資を積極化するとともに、製品品目数の見直しや不採算事業の整理を行う「メリハリを付けた経営」へ方向転換したと説明しています。

これは、小林製薬の代名詞でもあった「たくさんの小さな市場を狙う」という考え方を完全に捨てるという意味ではありません。

限られた人材や設備をどこへ使うのかを見直し、品質と開発の両方へ十分な資源を投入できる会社に変える取り組みです。

2026年、新しいものづくり拠点も始動

2026年には、小林製薬の沿革に新たな動きが加わっています。

大阪府箕面市に、ものづくりの中核拠点「彩都ものづくりラボ」を設立しました。

豊田さんが経営の中心に据えているのは、単なる売上回復ではなく「品質と安全を第一に考えたモノづくり」への再構築です。

新しい商品を考える力だけでなく、

  • 研究開発
  • 品質管理
  • 製造
  • 人材
  • 組織風土

まで含めた会社全体の仕組みを作り直そうとしています。

2035年という長い期間を設定しているのも、短期的なイメージ回復だけで終わらせない姿勢の表れです。

小林製薬ミュージアムには問題の経緯も展示

『ザ・リーダー』で豊田さんが上田悦子アナウンサーと最初に訪れるのが、大阪本社近くにある「小林製薬ミュージアム」です。

この施設は創立90周年記念事業として2011年に開設され、一般公開ではなく、社員や一部の顧客などを対象としています。

創業当時からの商品、製品開発の歴史とともに、現在は紅麹関連製品を巡る問題についても経緯や対応、今後への教訓を展示しています。

自社にとって都合の良い成功商品だけを並べるのではなく、会社が経験した問題も社内で共有し、将来へ残す場として位置付けられていることが分かります。

豊田賀一が目指す「新しい小林製薬」

豊田さんは現在の会社づくりについて「新しい小林製薬」という表現を使っています。

ただし、過去の企業文化をすべて壊して別会社のように変えることを目指しているわけではありません。

残したいものは、

  • 顧客の小さな困りごとを見つける力
  • 独自の商品を考える発想力
  • 新しい生活習慣を生み出す商品開発

です。

一方で変えようとしているのが、

  • 品質と安全に関する仕組み
  • 組織風土
  • 事業の選択と集中
  • 経営管理
  • 社内コミュニケーション

といった部分です。

豊田さんが長く担当してきた海外事業の経験も、今後は重要になります。

2035年ビジョンでは、日本で成功した商品だけでなく、世界の生活者が「これがないと困る」と感じる商品を増やすことも目標にしています。

まとめ

豊田賀一さんは1987年12月に小林製薬へ入社し、英国や米国の現地法人社長、国際事業部長などを経て、2025年3月に8代目代表取締役社長へ就任しました。

社長になったのは、小林製薬が2024年の紅麹関連製品を巡る問題を受け、信頼回復と会社の立て直しを迫られていた時期です。

そこで豊田さんは、

  • 品質と安全を第一とする原点回帰
  • 従業員との対話
  • 新しい行動規範づくり
  • 製品品目や事業の見直し
  • 2035年ビジョンの策定
  • 国内外で長く必要とされる商品の育成

を進めています。

2026年10月4日の『ザ・リーダー』では、豊田さん自身が紅麹関連製品の問題が起きた当時の思い、社長指名を受けた時の決断、そして今後どのような会社へ変えようとしているのかを語ります。

1987年の入社から約37年。

海外で商品の市場を広げてきた社員が、会社にとって最も難しい時期の1つにトップとなり、今度は会社そのものを作り直す役割を担っています。

参考リンク


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