日本では当たり前だった「ビール自販機」が見つからなくなった理由
2026年10月5日放送の「YOUは何しに日本へ?」では、「自動販売機でビールを飲みたい」というアラスカから来た夫婦が、東京・六本木でビールを販売する自動販売機を探します。
かつて日本の酒屋の店先などで珍しくなかった酒類自動販売機ですが、最新の国税庁公表値では2025年4月1日時点で全国8521台。1996年3月末の18万5829台から17万台以上も減っています。
夫婦が都会の六本木で探し回る展開には、日本の酒類販売をめぐる約30年間の大きな変化が隠れていました。
この記事でわかること
- 日本の酒類自動販売機が全国8521台まで減った理由
- アラスカ夫婦がビール自販機に憧れた背景
- 従来型と年齢確認に対応した改良型の現在
- 六本木周辺で現在確認できるアルコール自販機の設置例
ビールなどの酒類自動販売機は全国8521台まで減っている
出典:テレビ東京「YOUは何しに日本へ?」公式記事・自販機で缶ビールを買って飲みたい
日本でビール自販機を探しても簡単には見つからない最大の理由は、そもそもの設置台数が大幅に減ったことです。
国税庁が公表している2025年4月1日現在の酒類自動販売機は、全国で8521台です。
内訳は、
- 従来型:1055台
- 改良型:7466台
- 合計:8521台
となっています。
一方、従来型自販機の撤廃が本格化する直前の1996年3月31日には、全国に18万5829台が設置されていました。
単純に比べると、現在残っている酒類自販機は当時の5%にも届きません。
「日本では自販機でビールまで買える」という海外から見た日本らしい光景は、現在ではかなり珍しいものになっています。
1995年に酒類業界が屋外の従来型自販機撤廃を決めた
酒類自動販売機が急速に姿を消した背景には、20歳未満の人でも購入できてしまうという問題があります。
全国小売酒販組合中央会は1995年5月の総会で、従来型の屋外酒類自動販売機を自主的に撤廃することを決議しました。
国税庁も、20歳未満の飲酒防止や適正な酒類販売の観点から、酒類自販機の設置状況を毎年集計しています。
1996年には18万台以上あったものが、2025年には8521台。
コンビニやスーパーが増えたことだけではなく、誰でも購入できる従来型自販機を減らしてきたことが、現在の姿につながっています。
六本木には現在もアルコール自販機の設置例がある
では、現在の六本木からビール自販機が完全になくなったわけではありません。
六本木駅から徒歩1~2分の「相鉄フレッサイン 東京六本木」では、館内2階の自動販売機コーナーにアルコールとソフトドリンクの自動販売機を設置していることを公式サイトで案内しています。
アルコール自販機については現金で利用できることも明記されています。
所在地は、
- 施設名:相鉄フレッサイン 東京六本木
- 住所:東京都港区六本木3-10-1
- アクセス:六本木駅5番出口から徒歩1分
- 自動販売機:館内2階
- アルコール自販機:あり
です。
ただしホテル館内の設備なので、街角に置かれ、通行人が自由に買っていた昔ながらの酒類自販機とは性格が異なります。
現在も「アルコールを自販機で買う」という文化そのものは残っていますが、設置される場所は限定的になっています。
アラスカ夫婦にとって日本のビール自販機は「夢の装置」だった
今回登場するアラスカの夫婦には、ビール自販機に強く憧れる理由がありました。
テレビ東京が2018年に公開した同企画の公式記事では、夫婦が暮らしていたのはアラスカの小さな島。缶ビールを買いに行くだけでも10時間かかる環境だったことが紹介されています。
そんな場所で生活する夫婦にとって、
「お金を入れるだけで、その場で冷たいビールが出てくる」
という日本の自動販売機は、単なる便利な機械ではありません。
わざわざ長時間移動しなくても酒を買えるという、自分たちの生活環境とは正反対の存在だったのです。
日本に住んでいるとジュースの自販機と同じ感覚で考えてしまいますが、生活する場所によっては、それ自体が日本旅行で体験してみたい文化になります。
この夫婦のビール自販機探しは2018年にも放送されている
テレビ東京には、2018年5月14日放送の「YOUは何しに日本へ?」にも、このアラスカ夫婦を紹介した記録が残っています。
当時の公式記事には、自販機で缶ビールを買うために日本へやって来た夫婦が、なかなか販売機を見つけられない様子が掲載されています。
つまり、「日本なら街角の自販機ですぐビールが買える」と期待して来日したものの、実際にはすでに酒類自販機が大幅に減少していた時代でした。
ここが、この企画のおもしろいところです。
海外で形成された「自販機大国・日本」というイメージと、実際の日本で進んでいた酒類自販機の撤廃がぶつかっています。
現在の主流は年齢確認に対応した改良型
現在残っている酒類自動販売機8521台のうち、従来型は1055台に対し、改良型は7466台です。
1990年代に問題となったのは、購入者の年齢を確認できない従来型の自販機でした。
国税庁は以前から、やむを得ず酒類自動販売機を設置する場合には、購入者の年齢確認が可能な改良型を設置し、適切に管理するよう求めてきました。
つまり、日本のビール自販機は単純に消滅したのではありません。
誰でも自由に買えた昔の形から、年齢確認や管理を前提とする形へ変わりながら残っているのです。
約30年で「日本らしい風景」そのものが変わった
自動販売機大国と呼ばれる日本でも、すべての自販機が同じように残ってきたわけではありません。
ジュースやコーヒーの自販機は今でも街のいたるところにありますが、酒類については20歳未満の飲酒防止という大きな課題がありました。
その結果、1996年に18万5829台あった酒類自販機は、2025年には8521台まで減少しました。
アラスカ夫婦が探しているのは、単なる「珍しい自販機」ではなく、日本でも急速に姿を消してきた風景なのです。
まとめ
「YOUは何しに日本へ?」に登場するアラスカ夫婦が憧れた、日本のビール自販機。
国税庁の最新公表値となる2025年4月1日時点では、酒類自動販売機は全国8521台まで減少しています。1996年の18万5829台から17万台以上減った背景には、20歳未満でも購入できてしまう従来型自販機を撤廃してきた歴史があります。
一方で、現在も年齢確認などに対応した改良型を中心に酒類自販機は残っており、六本木駅近くのホテルでもアルコール自販機の設置例を確認できます。
缶ビールを買うために10時間かかる土地から来た夫婦にとって、自販機から冷たいビールが出てくる体験は特別なもの。日本人にとって懐かしい自販機文化を、外国人の視点から改めて見る企画になっています。
参考リンク
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