山田洋次監督が撮った「寅次郎夕焼け小焼け」の龍野を歩く
2026年10月5日放送のNHK総合「鶴瓶の家族に乾杯」では、「男はつらいよ」の山田洋次監督が登場します。
番組と山田監督をつないだのが、2026年5月に笑福亭鶴瓶さんと劇団ひとりさんが旅した兵庫県たつの市です。ここは1976年公開のシリーズ第17作「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の主要ロケ地。梅玉旅館、龍野橋、清江橋、岩見港など、寅さんが歩いた風景が今も各地に残っています。
この記事でわかること
- 「寅次郎夕焼け小焼け」が撮影されたたつの市のロケ地
- 寅さんと芸者ぼたんが出会った梅玉旅館
- 龍野橋や岩見港など映画に登場した場所
- 「鶴瓶の家族に乾杯」と山田洋次監督のつながり
「寅次郎夕焼け小焼け」は1976年公開の第17作

「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」は、1976年7月24日に公開されたシリーズ第17作です。
監督・原作・脚本を山田洋次さんが担当し、脚本には朝間義隆さんも参加。渥美清さん演じる車寅次郎に加え、太地喜和子さん演じる龍野の芸者・ぼたん、宇野重吉さん演じる日本画壇の大家・池ノ内青観が物語の中心となります。
物語は、寅さんが上野の飲み屋で一人の老人と出会うところから動き始めます。
身なりだけを見て老人を気の毒に思った寅さんは、とらやへ連れて帰ります。ところが、その人物は日本画の大家・池ノ内青観でした。
その後、寅さんは旅先の兵庫県龍野で青観と再会。そこで出会うのが芸者のぼたんです。
東京・柴又だけではなく、龍野の城下町や揖保川、山並みまで物語の重要な舞台として組み込まれているため、「寅次郎夕焼け小焼け」はたつの市との結び付きが特に強い作品となっています。
寅さんとぼたんが出会った梅玉旅館
たつの市のロケ地で特に印象的なのが、龍野町にある梅玉旅館です。
映画では、寅さんと青観が招かれた宴席の舞台となり、ここで寅さんは太地喜和子さん演じる芸者ぼたんと出会います。
たつの市観光協会のロケ地ガイドでは、
- 龍野町本町・梅玉旅館
- 寅さんが宿泊
- 宴会の場面を撮影
- 撮影時の資料を展示
という場所として紹介されています。
2026年5月25日放送の「鶴瓶の家族に乾杯」でも、鶴瓶さんと劇団ひとりさんが映画の撮影に使われた旅館を訪問しました。
その際には、旅館に残されている「男はつらいよ」に関する品々を見学。さらに、当時の撮影に関わる家族の思い出も紹介されています。
映画のセットではなく、実際の町と建物を使って撮影したからこそ、約50年後に同じ場所を訪れて作品の空気をたどることができます。
龍野橋から見える鶏籠山も映画の重要な風景
梅玉旅館だけではありません。
「寅次郎夕焼け小焼け」には、現在のたつの市中心部に残るさまざまな風景が登場します。
代表的なのが龍野橋です。
映画では龍野の町を案内される寅さんがこの周辺を通り、橋から鶏籠山を望む場面があります。
現在も龍野橋東詰からは、城下町の向こうに鶏籠山を見ることができます。たつの市観光協会でも、龍野のシンボルである鶏籠山を美しく望める場所として紹介されています。
龍野橋から西へ進むと、昔ながらの町並みが残る龍野地区へ入っていきます。
映画そのものを再現した施設を歩くのではなく、寅さんたちが実際に歩いた町の中を自分も歩けるところが、このロケ地巡りの面白さです。
青観と寅さんが再会した清江橋
映画の龍野編が本格的に始まる場所の一つが、揖西町佐江にある清江橋付近です。
道を歩いている寅さんのところへ、池ノ内青観を乗せた車がやってきます。
東京で別れた2人が思いがけず龍野で再会し、そこから寅さんは街へ入っていきます。
「寅次郎夕焼け小焼け」は、寅さんと青観というまったく違う世界で生きてきた2人の関係が大きな軸です。
有名な日本画家だと分かった後も、寅さんは立場によって態度を変えません。
山田洋次監督の公式サイトでも、身分の違いを意識せず自分の姿勢を変えない寅さんの魅力が、この作品の特徴として紹介されています。
その2人が旅先で再び出会う清江橋は、物語が東京から龍野へ大きく切り替わる地点でもあります。
冒頭の漁港はたつの市御津町の岩見港
ロケ地は城下町だけではありません。
寅さんが夢から覚め、釣りをしている場面が撮影されたのは、たつの市御津町の岩見港です。
たつの市観光協会によると、撮影当時に映った背景の山や石積みの突堤が残っています。
城下町、川、橋、山、港。
「寅次郎夕焼け小焼け」では、龍野周辺のさまざまな風景が1本の映画の中に使われました。
そのため、ロケ地巡りをすると単に映画の撮影場所を点で訪ねるのではなく、寅さんが町から町へ旅しているような流れを体感できます。
聚遠亭や旧脇坂屋敷にも撮影当時の面影
龍野町では、聚遠亭や旧脇坂屋敷周辺も作品に登場します。
聚遠亭は龍野藩脇坂家の上屋敷跡にある庭園・建築群。城下町を見下ろす高台にあり、現在もたつの市を代表する観光スポットの一つです。
旧脇坂屋敷周辺では、池ノ内青観が龍野の町を歩く場面が撮影されました。
旧脇坂屋敷は、旧龍野藩主・脇坂家にゆかりを持つ建物です。「寅次郎夕焼け小焼け」の撮影当時にはカトリック教会として使われており、映画の画面にもその看板が映っています。
現在の観光地として整えられた姿だけでなく、1970年代に山田監督が見た龍野の町を想像しながら歩ける場所です。
「赤とんぼ」の町が映画の夕暮れを作った
作品タイトルの「夕焼け小焼け」と、龍野の風景にはもう一つ大きなつながりがあります。
たつの市は、童謡「赤とんぼ」の作詞者・三木露風の生誕地です。
映画でも夕暮れの龍野に「赤とんぼ」の旋律が重なり、町を歩く人物と揖保川、山々の風景が印象的に描かれます。
たつの市の公式ロケ地ガイドでは、旭橋や如来寺周辺も夕焼けの場面に登場した場所として紹介されています。
「男はつらいよ」は全国各地で撮影されてきましたが、単に名所を背景に置くのではなく、その土地にある文化や暮らし、人の営みを物語の中へ自然に入れてきました。
龍野もその代表的な場所です。
2026年に「鶴瓶の家族に乾杯」が再びつないだロケ地
「鶴瓶の家族に乾杯」がたつの市を訪れたのは2026年5月25日。
ゲストの劇団ひとりさんは「男はつらいよ」のファンで、中でも「寅次郎夕焼け小焼け」を特に好きな作品として挙げ、鶴瓶さんとともに龍野を歩きました。
旅では、
- 龍野の城下町
- 映画撮影に使われた旅館
- 龍野橋周辺
- ラストシーンに関係する場所
- 鶏籠山
などをたどっています。
約50年前に山田洋次監督が撮った風景を、テレビ番組が改めて訪ねる。
そして2026年10月5日の特別編では、その縁から山田監督本人が番組に登場します。
映画のロケ地を訪ねた旅が、作品を生み出した監督本人へとつながった形です。
実際にロケ地を巡るなら龍野城下町を中心に
「寅次郎夕焼け小焼け」のロケ地を訪れるなら、まず龍野町の城下町を中心に歩くと巡りやすくなります。
主なロケ地は、
- 梅玉旅館周辺
- 龍野橋東詰
- 聚遠亭
- 龍野小学校周辺
- 旧脇坂屋敷
- 旭橋
- 如来寺周辺
- 日山周辺
- 清江橋付近
- 岩見港
などです。
岩見港や清江橋は城下町中心部から離れているため、すべてを一度に徒歩で巡るというより、城下町と郊外のロケ地を分けて考える方が現実的です。
映画を見てから訪れると、「ここを寅さんが歩いた」「この角度で鶏籠山が映った」と場面を重ねやすくなります。
まとめ
「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」は、1976年公開のシリーズ第17作です。
主要なロケ地となったのが兵庫県龍野市、現在のたつの市でした。
梅玉旅館で寅さんとぼたんが出会い、龍野橋から鶏籠山を眺め、清江橋で青観と再会する。岩見港、聚遠亭、旭橋なども含め、町そのものが作品の舞台になっています。
2026年には「鶴瓶の家族に乾杯」で劇団ひとりさんと鶴瓶さんがこのロケ地を再訪。そして10月5日の特別編では山田洋次監督本人が登場します。
約50年前の映画をきっかけに、現在も人が同じ場所を訪れ、作品について語り続ける。
龍野は「男はつらいよ」が撮影された町というだけでなく、山田洋次監督が映画の中に残した日本の風景を今も歩いて感じられる場所です。
参考リンク
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