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愛三工業は世界の車3台に1台!燃料ポンプモジュール世界No.1の大府メーカー|開発現場へ行こう!

企業・新技術

愛知県大府市から世界の自動車を支える愛三工業

2026年10月6日放送のテレビ愛知『開発現場へ行こう!』で取り上げられるのが、愛知県大府市に本社を置く自動車部品メーカー「愛三工業」です。

社名を知らなくても、愛三工業の部品を使った車に乗っている人は少なくありません。愛三グループの製品は世界の車のおよそ3台に1台に搭載され、なかでも「燃料ポンプモジュール」と「EGRバルブ」は世界No.1シェアを持つ主力製品です。

この記事でわかること

・愛三工業の製品が世界の車約3台に1台へ搭載される理由
・世界No.1シェアを持つ燃料ポンプモジュールとEGRバルブ
・1938年創業から自動車部品メーカーへ転換した歴史
・電動化や水素時代に向けて進める次世代技術

愛三工業は世界の車約3台に1台へ製品を供給

公式動画:愛三工業「映像ライブラリ」

愛三工業の大きな特徴は、一般消費者の目にはほとんど触れない部品を作りながら、その製品が世界中の自動車へ広く搭載されていることです。

愛三工業によると、愛三グループの製品を搭載した車は世界全体でおよそ3台に1台。世界11カ国に28のグループ会社を展開し、20社を超える自動車メーカーとの取引実績があります。

『開発現場へ行こう!』でも、この「世界の車3台に1台」という規模が愛三工業を象徴するポイントとして紹介されます。

しかし、愛三工業の名前が自動車そのもののように目立つことはありません。

作っているのは、燃料をエンジンへ送り出したり、エンジンに入る空気量を調整したり、排出ガスを再循環させたりする、車の内部で働く重要機能部品だからです。

普段見えない場所にありながら、車が安定して走るためには欠かせない。そこに愛三工業の強さがあります。

燃料ポンプモジュールとEGRバルブは世界No.1シェア

愛三工業を代表する製品が「燃料ポンプモジュール」です。

燃料タンクの中にある燃料をエンジンへ送る燃料ポンプと、燃料圧力を調整する部品などを一体化したユニットで、愛三工業はこの燃料ポンプモジュールで世界シェアNo.1を達成しています。

燃料ポンプそのものについても、独自設計のモーターと耐腐食技術を組み合わせ、低い消費電力と世界各地で使われる多様な燃料への対応を両立させています。

もう1つの世界No.1製品が「EGRバルブ」です。

EGRとは、エンジンから出た排気ガスの一部を再び吸気側へ戻す仕組み。その流れを調整するEGRバルブによって、燃費の向上やNOxの低減につなげます。

つまり愛三工業は、単に部品を大量生産している会社ではありません。

燃料、空気、排気ガスなどの「流れ」を精密にコントロールする技術を積み重ね、その結果として世界トップクラスのシェアを獲得してきた企業です。

1938年創業、戦後に自動車部品メーカーへ転換

愛三工業の始まりは1938年12月です。

名古屋市瑞穂区で軍需品を製造する会社として設立されました。「愛三」という社名は、設立時の出資会社が愛知県と三重県にあったことから、両県の頭文字を組み合わせて付けられています。

1945年8月、終戦に伴って工場はいったん閉鎖されました。

しかし、そのまま会社が消えることはありませんでした。

当時、愛三工業の2代目社長だった石田退三氏が工場再開に奔走し、1945年10月にはキャブレターなど自動車部品の生産を開始します。石田氏は後にトヨタ自動車や豊田自動織機の社長も務めた人物です。

ここが愛三工業にとって大きな転機でした。

戦前の事業から民需へ転換し、自動車部品メーカーとして新しい道を歩き始めたのです。

キャブレターから電子制御へ、自動車の変化に合わせて技術を転換

愛三工業が現在まで生き残ってきた理由の1つが、自動車技術の変化に合わせて主力製品を変えてきたことです。

戦後はキャブレターなどを手がけていましたが、自動車では燃料を機械的に供給する方式から、電子制御によって燃料噴射量を細かく調整するEFIへと移っていきました。

愛三工業も1980年代から2000年にかけて、キャブレター中心の事業からEFI関連製品へ転換。2001年以降は世界No.1製品の開発とグローバル展開を進めていきます。

一つの主力製品に固執するのではなく、自動車そのものが変われば、自社の技術も変える。

その積み重ねが、現在の燃料ポンプモジュールやEGRバルブといった世界シェア上位の製品へつながっています。

ガソリン車だけではない愛三工業の次の一手

自動車産業は今、さらに大きな転換期を迎えています。

電気自動車が増えれば、ガソリンをエンジンへ送る部品の需要構造も変わります。そのため愛三工業は、従来のエンジン関連部品だけに事業を限定していません。

現在は電動化製品やクリーンエネルギー分野にも開発領域を広げています。

ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車向けには、燃料タンクから揮発したガソリンが大気中へ漏れるのを防ぐ「燃料タンク封鎖弁」を開発。

ステッピングモーターを採用することで小型化・軽量化を進め、車載スペースや燃費性能にも配慮した技術となっています。

ガソリン車からハイブリッド、電動車へ変化しても、「流体を正確に制御する」という長年培ってきた技術を新しい車へ応用しているのがポイントです。

水素を動かす技術にも進出

さらに愛三工業が力を入れているのが水素です。

燃料電池を使ったFCシステムでは、これまで自動車部品で培ってきた燃料制御技術や電力制御技術を活用しています。

水素を効率よく使う燃料供給制御と電力制御によって、航続距離を伸ばしながらバッテリーの小型化やシステム効率向上を目指しています。

愛三工業が掲げているのは、単なる「エンジン部品メーカー」からの脱却です。

長年扱ってきた液体や気体を制御する技術を、水素など新しいエネルギーにも展開し、モビリティ以外の分野まで可能性を広げています。

燃料がガソリンから水素へ変わっても、「必要なものを必要な量だけ正確に流す」という技術は生かせます。

80年以上続けてきた技術の蓄積が、次世代エネルギーでも武器になっています。

愛三工業の本社は愛知県大府市

愛三工業の本社は、愛知県大府市共和町にあります。

現在は自動車の「走る」「止まる」を支える重要機能部品を中心に開発・生産しながら、電動化やクリーンエネルギーへ事業領域を広げています。

会社の基本情報は次の通りです。

・会社名:愛三工業株式会社
・本社所在地:愛知県大府市共和町1丁目1番地の1
・創立:1938年12月2日
・主な事業:自動車部品・システムの開発、製造
・主力製品:燃料ポンプ、燃料ポンプモジュール、EGRバルブ、スロットルボデーなど
・次世代分野:電動化製品、燃料電池、水素関連技術など

普段車を外から見ても、愛三工業の名前を見つけることはほぼありません。

それでも車の内部では、燃料や空気、排気ガスを正確にコントロールする愛三工業の製品が世界中で使われています。

まとめ

愛知県大府市の愛三工業は、1938年の創業から80年以上にわたり、自動車の変化に合わせて技術を進化させてきた部品メーカーです。

戦後にキャブレターの生産を始め、電子制御時代にはEFI関連製品へ転換。そして現在は、燃料ポンプモジュールとEGRバルブで世界No.1シェアを持ち、愛三グループの製品は世界の車約3台に1台へ搭載されています。

さらに電動化や水素へと自動車の動力源が変わる中でも、長年磨いてきた流体制御や燃料制御の技術を次世代分野へ展開しています。

車の表面には名前が出なくても、世界中の車を内部から動かしている。2026年10月6日の『開発現場へ行こう!』で取り上げられる愛三工業は、そんな愛知発のグローバル企業です。

参考リンク

・テレビ愛知「開発現場へ行こう!」
・愛三工業「製品情報」
・愛三工業「沿革」


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