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重症筋無力症の25歳研修医まりさん、動物介在療法に支えられ医師へ|病院ラジオ 聖マリアンナ医科大学病院編

病院ラジオ

重症筋無力症と向き合いながら医師になった25歳のまりさん

2026年10月12日放送のNHK総合『病院ラジオ 聖マリアンナ医科大学病院編<完全版>』では、指定難病の重症筋無力症を患いながら医師になった25歳のまりさんが登場します。

医学部で学んでいた時期に病気と向き合い、治療を続けながら通学したまりさん。病院で受けた動物介在療法にも支えられ、現在は研修医として医療の現場に立っています。

聖マリアンナ医科大学病院は、訓練を受けた犬が医療チームの一員として患者を支える「勤務犬」の取り組みを2015年から続けている病院です。

病気を経験した若い医師の歩みと、患者に寄り添う医療の形を紹介します。

この記事でわかること

  • 重症筋無力症を患った25歳のまりさんが研修医になるまで

  • まりさんを支えた動物介在療法と病院勤務犬の役割

  • 聖マリアンナ医科大学病院で活躍する勤務犬「ハク」の活動

  • 重症筋無力症の症状・治療と専門外来の受診情報

25歳のまりさんが重症筋無力症と向き合いながら医師になるまで

出典:聖マリアンナ医科大学病院・勤務犬の活動紹介

まりさんは25歳の研修医です。

医学部で学んでいた時期に、国の指定難病である「重症筋無力症」と診断されました。

医学を学んでいたため、病気についての知識は持っていました。しかし、病気の仕組みを知っていることと、自分自身が患者として治療を受けることは異なる経験です。

まりさんは治療を受けながら大学への通学を続けました。

その生活を支えたものの1つが、聖マリアンナ医科大学病院で取り組まれている動物介在療法でした。

動物介在療法とは、医療チームの一員として訓練を受けた動物が患者の治療やリハビリテーションなどを支援する方法です。

まりさんは病気の治療を続けながら医学部での学びを重ね、現在は研修医として働いています。

目指しているのは、自分が支えられたように、患者に寄り添える医師です。

番組では、Mrs. GREEN APPLEの「僕のこと」をリクエストしました。

病気と向き合った年月を経て、今度は医療を届ける側に立ったまりさん。その歩みは、医師としての専門知識だけでなく、患者の立場を理解することの大切さも伝えています。

重症筋無力症は筋肉に力が入りにくくなる指定難病

まりさんが患っている重症筋無力症は、神経から筋肉へ信号が伝わる部分に異常が生じる自己免疫疾患です。

英語では「Myasthenia Gravis」と呼ばれ、MGと略されます。国の指定難病では告示番号11に分類されています。

体を動かすとき、脳から出された指令は神経を通じて筋肉へ伝えられます。

重症筋無力症では、神経と筋肉の接合部で自己抗体が働き、筋肉への情報伝達が妨げられます。その結果、筋力低下や疲れやすさが生じます。

主な症状

  • まぶたが下がる眼瞼下垂

  • 物が二重に見える複視

  • 手足に力が入りにくくなる

  • 繰り返し動作すると筋肉が疲れやすくなる

  • 話しにくさや飲み込みにくさ

  • 重い場合には呼吸に関わる筋肉の働きが低下する

症状には個人差があり、朝より夕方に強くなることもあります。

また、目の周囲を中心に症状が出る「眼筋型」と、手足や呼吸に関わる筋肉などにも影響が及ぶ「全身型」があります。

病名に「重症」という言葉が入っていますが、患者全員が重い症状になるわけではありません。

発症する年齢も幅広く、若い人から高齢者までさまざまです。

まりさんが経験した具体的な症状や治療薬については、ここで一般的な患者の経過と同一視することはできません。

重症筋無力症は長期的な管理が必要な病気ですが、適切な治療によって症状を抑え、学業や仕事を続けられる患者もいます。

医学生として治療を続けた経験が現在の医師としての歩みにつながる

医師になるためには、医学部での長い学習期間を経て、医師国家試験に合格する必要があります。

さらに、医師免許取得後には初期臨床研修が始まります。

まりさんは、病気の治療と大学生活を両立しながら、その道を歩んできました。

重症筋無力症では、疲労や体調の変化によって日常生活に支障が生じることがあります。

一方で、適切な治療によって症状をコントロールし、社会生活を送ることも大切な治療目標です。

聖マリアンナ医科大学病院の脳神経内科では、症状をできるだけ抑えながら、日常生活の質を維持することを重症筋無力症の治療目標に掲げています。

まりさんの場合も、病気の治療を受けることと、医師になるための勉強を続けることが、同じ時期の生活の中にありました。

そして現在は、患者に寄り添う医師になることを目指しています。

患者として支えられた経験と、医師として人を支える仕事。その両方を経験していることが、まりさんの物語の大きな特徴です。

まりさんを支えた動物介在療法と病院勤務犬の存在

聖マリアンナ医科大学病院には、患者を支えるために病院で働く犬がいます。

病院では、この犬たちを「勤務犬」と呼んでいます。

勤務犬は、単に患者と触れ合うだけの存在ではありません。

専門的な訓練を受け、医師や看護師などと協力しながら、治療やリハビリテーションを支援しています。

勤務犬の主な役割

  • 手術を受ける患者の不安を和らげる

  • 病棟や病室を訪問して患者と交流する

  • リハビリテーションへの意欲を支える

  • 入院生活での心理的な負担を軽減する

  • 患者や家族の気持ちを支える

同病院では「動物介在療法」と「動物介在活動」を区別しています。

動物介在療法は、医療者が患者ごとに治療目標を設定して行う補助療法です。

一方、動物介在活動は、犬との触れ合いを通じて安心感や生活の質の向上を図る活動です。

病気そのものを犬が治療するわけではありませんが、患者の不安を和らげたり、治療に向き合う気持ちを支えたりする役割があります。

現在、聖マリアンナ医科大学病院では20以上の診療科で動物介在療法が活用されています。

まりさんも、病気と向き合うなかで、こうした医療の支援を受けてきた1人です。

勤務犬は白血病の少女が書いた1通の手紙から始まった

聖マリアンナ医科大学病院で勤務犬の取り組みが始まるきっかけとなったのは、2012年の出来事でした。

白血病で長期間入院していた女の子が、犬を病院へ派遣する団体に手紙を書いたのです。

その手紙には、犬に会いたいという願いが込められていました。

医療スタッフが調整を進め、病院への犬の訪問が実現しました。

この経験をきっかけに、病院では動物介在療法を継続的に行うための体制づくりが始まりました。

2013年6月には、当時の北川博昭病院長を中心に導入準備委員会を設立。医療従事者がハンドラーとして犬と活動する仕組みの整備が進められました。

その後、2014年4月には勤務犬導入部会が正式に発足しました。

そして2015年4月、初代勤務犬「ミカ」が活動を開始しました。

最初は病棟訪問などを中心に活動し、その後、手術室での患者の支援やリハビリテーションなどへ役割を広げていきました。

病院に犬がいるという珍しい取り組みの背景には、長期入院していた1人の少女の願いがありました。

3代目勤務犬ハクは2023年から医療チームの一員として活動

現在、聖マリアンナ医科大学病院で勤務しているのは、3代目勤務犬の「ハク」です。

勤務犬ハクのプロフィール

  • 犬種:ゴールデンレトリーバー

  • 性別:オス

  • 誕生日:2021年9月15日

  • 出身:オーストラリア

  • 体重:28kg(公式掲載値)

  • 活動開始:2023年4月1日

ハクは社会福祉法人日本介助犬協会の訓練を受けた犬で、患者の心身を支える活動に参加しています。

病院では、医療従事者のうち専門の研修を受けた「ハンドラー」が勤務犬と一緒に活動します。

ハンドラーは犬の行動を管理しながら、病室への訪問や医療現場での支援を安全に行います。

聖マリアンナ医科大学病院の歴代勤務犬は、次の3頭です。

  • 初代ミカ:2015年4月〜2018年12月。黒いスタンダード・プードル

  • 2代目モリス:2019年1月〜2023年5月。白いスタンダード・プードル

  • 3代目ハク:2023年から活動するゴールデンレトリーバー

まりさんが実際にどの勤務犬と交流したかを、この活動歴だけから断定することはできません。

ただ、病院として長年続けてきた取り組みが、現在も患者の生活や治療を支えていることは確かです。

重症筋無力症の治療は新しい薬の登場で選択肢が広がっている

重症筋無力症の治療では、症状や病気の状態に応じて複数の方法が選ばれます。

聖マリアンナ医科大学病院では、血液検査や筋電図検査などを用いて診断し、患者に合わせた治療を行っています。

主な治療方法

  • コリンエステラーゼ阻害薬による症状の改善

  • ステロイド薬や免疫抑制薬を用いた治療

  • 免疫グロブリン大量静注療法

  • 血液浄化療法

  • 分子標的薬による治療

  • 病状に応じた胸腺摘除術

近年は、新しい分子標的薬の登場によって治療の選択肢が増えています。

同病院でも、従来の治療だけでは十分に症状を抑えられなかった患者に対する新たな治療が検討されています。

ただし、すべての患者に同じ治療法が適しているわけではありません。

眼筋型か全身型か、症状の重さ、抗体検査の結果、合併症などによって治療方針が異なります。

特に重症筋無力症では、呼吸に関わる筋肉が急激に弱くなる「筋無力性クリーゼ」に注意が必要です。

呼吸困難などの急激な症状がある場合には、速やかな救急医療が必要になります。

聖マリアンナ医科大学病院の重症筋無力症専門診療と受診方法

聖マリアンナ医科大学病院では、脳神経内科が重症筋無力症の診療に対応しています。

専門診療の基本情報

  • 医療機関:聖マリアンナ医科大学病院

  • 診療科:脳神経内科

  • 所在地:神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1

  • 専門医による診療:火曜日午後・金曜日終日

  • 神経免疫オンライン診療:水曜日15:00〜16:00

  • 代表電話:044-977-8111

専門医による診療を希望する場合は、火曜日午後または金曜日の受診が案内されています。

また、通院中の患者を対象とした神経免疫オンライン診療にも対応しています。ただし、初診でのオンライン診療は受け付けていません。

受診する際は、診療科の案内や紹介状の必要性を事前に確認してください。

重症筋無力症は国の指定難病であり、一定の条件を満たす場合には医療費助成制度の対象となります。

助成制度の申請は、住んでいる地域の保健所や自治体の担当窓口などで相談できます。

まとめ

『病院ラジオ 聖マリアンナ医科大学病院編<完全版>』で登場する25歳のまりさんは、指定難病の重症筋無力症と向き合いながら医学部で学び、研修医になりました。

治療を続けるなかでは、病院で行われている動物介在療法にも支えられました。

聖マリアンナ医科大学病院では、2015年から勤務犬が医療チームの一員として働き、現在は3代目のハクが患者を支えています。

まりさんが目指しているのは、自分自身が支えられたように、患者に寄り添える医師です。

病気を経験した人が医療者として患者のそばに立つ。その歩みには、医学的な治療だけでなく、患者の気持ちを大切にする医療の姿が表れています。

参考リンク

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