ベトナムのハス茶は蓮の花が香るお茶|いれ方とカフェインの違い
ベトナムのハス茶(蓮茶)は、主に緑茶の茶葉に蓮の花の香りを移したお茶です。花びらだけを煮出す飲み物とは限らず、緑茶が原料ならカフェインも含まれます。2026年10月27日放送のNHK Eテレ『心おどる 北欧&アジアンスタイル』では、ベトナムのハス茶とスウェーデンのティータイム文化が紹介されます。この記事では、ハス茶の種類を見分ける方法、おいしいいれ方、ハノイの伝統製法が高級とされる理由を整理します。
ハス茶は緑茶に香りを移したお茶|蓮葉茶との違いとカフェイン
ベトナムの伝統的なハス茶(trà sen/チャーセン)は、摘み取った蓮の花の香りを緑茶の茶葉に移したものです。お茶そのものの味は緑茶に近く、そこに花のやわらかな香りが加わります。日本の緑茶に慣れた人にも飲み方を想像しやすい花茶です。
間違えやすいのが、蓮の葉などを乾燥させた蓮葉茶との違いです。緑茶に蓮の花の香りをつけたハス茶は、茶の木から作った茶葉が原料なのでカフェインを含みます。一方、蓮の葉だけを原料とする製品は通常、緑茶由来のカフェインを含みません。ただし商品によってブレンドが違うため、原材料表示を確認してください。
農林水産省が公表する参考値では、一般的な煎茶の浸出液のカフェインは100ml当たり約20mgです。これは日本の煎茶の数値であり、ベトナムのハス茶を測定した値ではありません。ハス茶のカフェイン量は、ベースの茶葉、量、湯温、抽出時間で変わります。カフェインを避けたい場合は「蓮の香り」という商品名だけでは判断せず、茶葉の種類を見分けることが大切です。
ハス茶のいれ方|香りを楽しむお湯の温度と蒸らし時間
緑茶ベースのハス茶は、まず少量の茶葉で短めに抽出すると、蓮の香りと渋みのバランスを調整しやすくなります。商品の指定がなければ、家庭で試す目安として次の方法があります。
- 急須かティーポットにお湯を入れて温め、いったん捨てます。
- 茶葉を約3g入れ、80〜90℃程度のお湯150mlを注ぎます。
- ふたをして1〜2分を目安に蒸らします。
- 茶こしを使い、最後まで均等に湯飲みに注ぎ切ります。
この分量と湯温は家庭での飲み方の一例です。ハス茶は製品によって茶葉の形や香りづけの方法が違うため、包装に推奨温度や時間があればそちらを優先してください。渋い場合は蒸らす時間を短くし、薄ければ茶葉の量を少し増やします。
ティーバッグなら製品に書かれた湯量・時間に従うのが確実です。花一輪の中に茶葉を包んだタイプは、花と茶葉を急須へ移すなど独自のいれ方が指定されることがあります。「ハス茶なら必ず熱湯で長時間煮出す」という決まりはありません。湯を注いだときに広がる香りを楽しむお茶と考えるとよいでしょう。
ハノイ西湖の高級ハス茶が特別な理由|1kgに多くの蓮の花
特に知られているのは、ハノイの西湖(タイホー)周辺の蓮を使った香りづけ茶です。ベトナムの観光当局の紹介によると、香りのよいバクジエップ(Bách Diệp)という蓮を朝早く摘み、花の香りが強い部分を茶葉に合わせます。ベースには、タイグエン省産の良質な緑茶が使われます。
伝統製法では、蓮の花から取り出した香りの成分を含む雄しべの部分と茶葉を重ね、いったん乾燥させ、さらに新しい蓮の雄しべを使って香りを移す作業を繰り返します。ベトナム観光当局の伝統製法の紹介では、完成した茶葉1kgに約1,200〜1,500輪の蓮が使われる例もあります。大量の花を必要とする手間と、職人の技術が高級茶とされる理由です。
一方、市販品には、伝統製法で何度も香りづけした茶葉、花の中で短時間香りを移したもの、香料を用いた比較的手軽な茶葉やティーバッグなどがあります。価格だけで「本物・偽物」を決めるのではなく、原材料、香りづけの方法、産地、内容量を見比べましょう。日常用ならティーバッグ、蓮の香りをじっくり楽しみたいなら製法が説明された茶葉を選ぶと、目的に合った買い物ができます。
ベトナムでは蓮茶を大切な客へのもてなしや贈り物に用いる文化があります。スウェーデンにも、コーヒーやお菓子を囲んで会話する「フィーカ」という休憩習慣があります。同じお茶やコーヒーでも、飲み物そのものだけでなく、誰とどのように過ごすかが文化の一部になっているのです。北欧のお菓子に関心がある方は、北欧のシナモンロールの材料と作り方も参考になります。
まとめ
ベトナムのハス茶は、主に緑茶へ蓮の花の香りを移した花茶です。緑茶ベースならカフェインがあるため、蓮葉茶との違いは原材料で確かめましょう。初めていれるなら少量の茶葉を短めに蒸らし、味と香りを調整するのがおすすめ。ハノイ西湖の高級茶には、多くの蓮の花を使い、繰り返し香りづけする職人の手仕事が生きています。
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