検査結果の写真はそのまま送らず、AIには一般的な説明を聞く
病院の血液検査結果や健診票を生成AIに読み込ませたいときは、書類をそのままアップロードしないことが基本です。氏名や病院名だけでなく、診察券番号、具体的な検査値、画像データなどにも注意が必要です。生成AIは専門用語の説明や受診前の質問整理には使えますが、個別の検査結果の判定は医療者に相談します。2026年10月29日(木)放送予定のNHK総合『あさイチ』では「大丈夫?AIの医療相談」が取り上げられる予定です。ここでは放送中の発言を推測せず、2026年10月公開の国立健康危機管理研究機構のガイドを基に、安全な使い分けを整理します。
検査結果の原本を送らない理由は、数値だけでなく本人の情報も含むため
検査結果の用紙には、氏名・生年月日・受診日・医療機関名・患者番号などが一緒に載っていることがあります。個人情報保護委員会は、診療記録や薬剤服用歴、健康診断の結果などが要配慮個人情報に該当する場合を説明しています。本人が自分の情報を利用する場合でも、公開型のAIサービスへ安易に送るのは避けたい情報です。
2026年10月2日更新のJHealth-Linc「生成AIとのつきあい方」は、AIに入力してはいけない情報として、氏名、住所、電話番号、生年月日、診察券番号、保険証情報、医療機関名、紹介状、診断書に加えて、具体的な検査値・画像データ・病理レポート・ゲノム情報を挙げています。名前だけ黒く塗っても、検査票の全体をそのまま送ってよいという意味にはなりません。
たとえば検査結果の写真には、用紙の片隅のバーコード、検査日、医療機関名、まれな検査項目などが写り込むことがあります。氏名を隠す加工をした画像でも、そのほかの情報が残る可能性があります。個人情報保護委員会の匿名化に関するQ&Aも、氏名などを取り除いたからといって、必ず個人を識別できなくなるわけではないと説明しています。
また、AIサービスによって入力データの保存、学習への利用、第三者への提供、削除の条件は異なります。プライバシーポリシーが理解できないときは、個人を特定できる可能性のある内容を送信しないことが安全です。
AIには病名の判定ではなく、検査用語の意味と医師への質問を聞く
利用するなら、検査票そのものを読み込ませるより、検査項目についての一般的な説明を求める使い方が適しています。例えば「血液検査にあるASTとALTは、一般に何を調べる項目ですか。日本の公的医療情報を基に説明し、医師に確認すべき質問を教えてください」と尋ねる方法です。自分の具体的な数値や名前、病院名を添える必要はありません。
もう一つは「検査結果の説明を受けるとき、医師に確認したい項目を整理してください。異常値を自己判断したいわけではありません」という聞き方です。質問例はいずれも記事用に作成したもので、実際の患者の検査結果ではありません。JHealth-Lincも生成AIの利用目的として、医療用語の言い換え、情報の整理、診察前に医師へ質問する内容の準備などを挙げています。
一方で「この数字なら薬をやめてよいか」「検査画像でがんかどうか判定して」「病院に行かなくても大丈夫か」といった、個別の診断・服薬変更・受診の必要性の判断をAIだけに委ねることは避けます。AIが自信を持って説明しても、誤りや古い情報が含まれることがあります。AIが出した出典URLも、実在するか自分で確認してください。
医療AIと医師の役割の違いを詳しく知りたい場合は、既存記事のAI健康相談と医療AIの活用・注意点も関連情報になります。
すでに写真を送った場合は、サービスの保存・削除条件を確認する
検査票の写真をすでに送ってしまった場合は、まずそれ以上の追加送信を控え、使ったサービス名と、送った画像や文章の範囲を確認します。そのうえで、サービスのプライバシーポリシーやヘルプで、会話履歴・添付ファイルの削除方法、データ保存や学習への利用設定、問い合わせ先を調べます。利用規約が分からないときはサービス提供元に問い合わせてください。
画面上で会話を削除できても、サービス側の保存データまで直ちにすべて消去されたとは限りません。また、利用設定はサービスやプランによって異なるため、「設定を切れば送った情報はすべて消える」と一般化しないことが重要です。個人情報保護委員会の生成AIサービス利用の注意喚起も、入力情報の取扱いと利用規約・プライバシーポリシーの確認を求めています。
検査結果の意味や治療方針について不安が残る場合は、書類を持って担当医や医療機関に相談します。強い痛み、息苦しさ、急な症状の悪化などがあるときはAIで質問を続けず、速やかに医療機関へ連絡してください。受診や薬の判断をAIの回答だけで変えないことが大切です。
まとめ
検査結果や紹介状の写真を、生成AIへそのまま送ることは避けましょう。氏名を隠しても具体的な検査値や画像データが残り、個人情報や誤解釈の問題が生じます。AIは検査用語の一般的な説明や医師への質問整理に使い、個別の判定は医療者へ。すでに送信した場合は、利用サービスの保存・削除条件を確認してください。
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント