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米沢の冷や汁の作り方|雪菜・凍みこんにゃくの伝統レシピと宮崎との違い

米沢の郷土料理「冷や汁」をイメージした、緑の葉野菜、にんじん、豆もやし、しいたけ、凍みこんにゃくを浅い浸し汁で和えた大皿。冷や汁なのに、汁じゃないという文字入り レシピ

米沢の冷や汁は「冷たいおひたし」|材料と作り方

米沢の冷や汁(ひやしる)は、ゆでた季節の野菜を、干し貝柱・干ししいたけ・凍みこんにゃくなどのうま味を含んだ冷たい浸し汁で和える山形県置賜地方の郷土料理です。名前に「汁」とありますが、宮崎県でよく知られる、みそ仕立ての汁をご飯にかける料理とは別物。米沢では汁ごと味わう具だくさんのおひたしとして食べられています。

2026年11月2日放送予定のNHK総合『鶴瓶の家族に乾杯』では、山形県米沢市を訪れた野々村友紀子さんが郷土料理の冷や汁を味わうと予告されています。放送で食べる冷や汁の詳しい材料やお店は公表されていません。以下は放送内容を推測したものではなく、農林水産省「うちの郷土料理」に掲載された山形県立米沢栄養大学のレシピを基に、家庭で作る手順を整理したものです。

冷や汁の材料(4〜5人分)

【野菜・具】

  • ほうれん草:100g
  • にんじん:20g
  • キャベツ:100g
  • 雪菜:100g
  • 豆もやし:50g

【浸し汁】

  • 干し貝柱:3個(8g)
  • 干ししいたけ:2枚
  • 凍みこんにゃく:1枚
  • だし汁(干し貝柱の戻し汁):330mL
  • しょうゆ:50mL
  • みりん:50mL

この分量は農林水産省掲載の4〜5人分です。米沢市の学校給食向けレシピとは具の組み合わせや調味料の分量が異なるため、ここでは一つのレシピに統一しています。家庭や季節により使用する野菜が変わる郷土料理であり、これが唯一の作り方というわけではありません。

米沢の冷や汁の作り方

  1. 干し貝柱と干ししいたけを戻す。 前の晩から干し貝柱を水に浸しておき、やわらかくなったらほぐします。戻し汁は捨てずにだしとして使います。干ししいたけも水で戻し、薄切りにします。
  2. 凍みこんにゃくを下処理する。 水につけて戻し、白く濁らなくなるまで水を取り替えながら手で洗います。水気を絞ったら縦半分に切り、幅7〜8mmの短冊状に切ります。
  3. 浸し汁を作る。 干し貝柱の戻し汁330mL(不足する場合は水を足す)、しょうゆ50mL、みりん50mLを鍋に入れ、貝柱・しいたけ・凍みこんにゃくを加えて火にかけます。軽く沸く程度の火加減で5分煮て、火を止めて冷まします。
  4. 野菜をゆでる。 ほうれん草はゆでて3cm長さに切ります。キャベツはゆでて約3cmの短冊状に、豆もやしはひげ根を除いてゆで、3cmほどに切ります。にんじんは3cmの千切りにして短時間ゆでます。
  5. 雪菜を用意する。 根元からほぐしてよく洗い、3cmほどに切って軽く湯通しし、冷ましておきます。
  6. 冷やして味をなじませる。 浸し汁が冷えたら野菜を入れて和え、冷所で1時間から一晩なじませます。大きな器や小鉢に盛り、具だけでなく浸し汁も一緒によそいます。

ポイントは、野菜を煮込まずに別々にゆで、冷ました浸し汁と合わせること。干し貝柱・しいたけから出るうま味を利用しながら、野菜の色と食感を生かす構成です。

宮崎県の冷や汁との違い|ご飯にかける料理ではない

「冷や汁」と検索すると宮崎県の料理が多く見つかりますが、同じ呼び名でも中身が異なります。米沢の冷や汁は、季節の野菜に乾物のだしを含ませたおひたし型の副菜です。干し貝柱、干ししいたけ、凍みこんにゃくなどを使い、汁を残さず野菜と一緒に味わいます。

一方、宮崎県の冷や汁は、いりこやみそ、ごま、豆腐、きゅうり、薬味などで作る冷たいかけ汁で、ご飯にかける食べ方が一般的です。農林水産省が紹介する宮崎県の冷や汁でも、麦飯にかける作り方が示されています。米沢の冷や汁を再現したいときは、みそ汁を冷やすレシピではなく、乾物だしに浸した野菜料理を選ぶのが出発点です。

雪菜と凍みこんにゃくがないときは?季節の野菜で作れる

雪菜は、雪の下で育てられる米沢の伝統野菜で、シャキシャキした歯触りが特徴です。農林水産省は、春にはキャベツや菜の花、秋には菊など、季節に応じて野菜を替えることや、1種類だけを使う家庭もあることを紹介しています。雪菜が手に入らない場合でも、ほうれん草やキャベツなど入手しやすい野菜を中心に組み立てられます。ただし食感や風味は伝統的な雪菜入りとは異なります。

凍みこんにゃくは、乾燥させたこんにゃくを戻して使う保存食。普通のこんにゃくと同一の食感ではないため、伝統的な味に近づけるなら凍みこんにゃくを用意するのがおすすめです。農林水産省は干し貝柱の戻し汁や干ししいたけもおいしさの要点に挙げています。材料を簡略化するときは、この乾物だしの風味が変わる点も踏まえてください。

米沢で冷や汁が受け継がれた理由

米沢の冷や汁には、上杉謙信の時代の陣中料理だったという説や、上杉鷹山が奨励した「一汁一菜」の食習慣に由来するという説があります。農林水産省はいずれも由来に関する説として紹介しており、一つに断定できません。冷や汁は家庭料理としてだけでなく、正月や婚礼などの行事食としても受け継がれてきました。

現在の米沢市の学校給食紹介ページにも冷や汁の1人分レシピが掲載されています。家庭で使う季節の野菜や分量は違っていても、乾物からだしをとり、ゆで野菜と冷まして合わせる点は共通しています。上杉鷹山による農政や食文化の背景については、当サイトの上杉鷹山の藩政改革を紹介した記事でも取り上げています。

まとめ

米沢の冷や汁は、宮崎のご飯にかける冷や汁とは異なり、野菜を干し貝柱・しいたけなどのだしで和えた郷土料理です。雪菜や凍みこんにゃくを使う伝統の味ですが、野菜は季節ごとに替えられます。材料を別々に下ごしらえし、冷ました浸し汁に合わせるのが基本。米沢市や農林水産省が紹介する作り方を参考に、家庭でも楽しめます。


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