世界人口のピークは2084年ごろの約103億人
世界人口は、国連の『世界人口推計2024年版』によると2080年代半ばに約103億人でピークを迎え、その後は緩やかに減少する見通しです。文部科学省が国連の中位推計を整理した資料では、ピークを2084年ごろの約102億8,932万人と示しています。
2026年11月3日放送予定のNHK総合『未来予測反省会「日本の人口は2億5千万人になる」』でも、世界人口が減少に転じる将来予測が取り上げられる予定です。これは確定した未来ではなく、出生率や寿命などについて一定の前提を置いた将来推計です。
世界人口は2037年に90億人、2061年に100億人へ
国連の推計では、2024年の世界人口は約82億人。今後もすぐに減少するわけではなく、2037年ごろに90億人、2061年ごろに100億人へ達すると見込まれます。
さらに2084年ごろにピークを迎えた後、2100年には約102億人へ減少する見通しです。ピークから今世紀末までの減少幅は約1億人で、増加から減少への変化は緩やかです。
なぜ世界人口は増加から減少に変わる?
大きな要因は、世界各地で出生率が低下していることです。国連によると、2024年時点で、世界の半数以上の国・地域では女性一人が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率が、人口を長期的に維持する目安の約2.1を下回っています。
子どもが生まれる数が減っていても、若い世代の人口が多い地域では、親になる世代の人数がしばらく多く、全体の人口が増え続ける場合があります。また、平均寿命が延びることも人口の変化に影響します。このため、出生率の低下と人口減少の開始には時間差が生まれます。
世界全体の出生率は国連の2024年推計で女性一人当たり約2.3。今後さらに低下していくという前提が、2080年代の人口ピークを見込む背景にあります。
2024年に国連が発表した世界人口推計は、TBS NEWS DIGの公式ニュース映像でも紹介されています。11月3日の番組映像ではなく、2024年7月の報道です。
日本はすでに人口減少、アフリカでは増加が続く
世界全体の動きは、どの国でも同じではありません。国連の2024年推計では、日本、中国、ドイツなど63の国・地域で、すでに人口がピークに達していました。さらにブラジル、トルコ、ベトナムなど48の国・地域は、2025年から2054年の間に人口のピークを迎えると見込まれています。
一方、人口増加が今後も続く国々もあります。特にサハラ以南のアフリカには人口の伸びが大きい国があり、アンゴラやコンゴ民主共和国などでは2054年までに人口がほぼ倍増するという推計もあります。
そのため、日本で人口が減っているからといって、世界の人口も同時に減り始めているわけではありません。人口構造や必要な社会サービスも、国・地域ごとに異なります。
「人類が自然消滅する」は国連が予測した未来なのか
世界人口がピークを迎えるという予測と、「低出生率が続けば人類が自然消滅する」という議論は分けて考える必要があります。
人口学・経済学の研究では、出生率が長期にわたって人口の維持に必要な水準を下回り、その状況がすべての地域で続くなら、世代を重ねるごとに人口が縮小していくと考えられます。2026年に発表されたマイケル・ゲルソ氏とディーン・スピアーズ氏の研究も、世界的な低出生率が長期化する可能性を論じています。
ただし、将来の出生率や社会条件は変わり得ます。人類が何年に消滅すると決まったわけではなく、国連も2100年の世界人口を約102億人と推計しています。「今世紀中に人類がいなくなる」という意味ではありません。
人口が減る社会では何が変わる?
人口の増減によって、住宅の需要、学校や医療機関の配置、公共交通、社会保障、働き手の確保などの課題が変わります。人口が増え続ける地域では教育やインフラの拡充が必要になる一方、人口が減る地域では施設の維持や移動手段の確保が重要になります。
国内で人口規模の変化に対応しながら生活の質を守る考え方については、スマートシュリンク(賢く縮む社会)と美咲町・富山市の取り組みでも紹介しています。長期予測は確定した未来として受け止めるのではなく、必要な備えを考える材料として役立てることが大切です。
まとめ
世界人口は国連の2024年推計で2084年ごろ約103億人に達し、2100年には約102億人へ緩やかに減る見通しです。出生率低下が大きな理由ですが、地域差もあります。「人類が自然消滅する」という議論は、低出生率が長期的に続く場合の仮定であり、今世紀中の人類消滅を意味する国連予測ではありません。
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