手の甲に浮き出る血管は治療で目立たなくできる
手の甲にボコボコと浮き出る血管は、年齢とともに気になりやすい部分です。『所さん!事件ですよ(手の血管が消える!? あなたの知らない「手」の世界)(9月5日)』では、こうした血管を目立たなくする治療が取り上げられます。いわゆるハンドベイン治療とは何をするのか、治療法や費用、リスクまで整理します。
この記事でわかること
- 手の血管を目立たなくする治療の仕組み
- 硬化療法とレーザー治療の違い
- 費用の目安と自由診療について
- 治療前に知っておきたい副作用と注意点
手の血管は本当に「消す」ことができる

(出典:TAクリニック ハンドベイン症例ページ)
手の甲に浮き出た静脈を目立たなくする治療は実際に行われています。美容医療では、こうした状態を「ハンドベイン」と呼ぶことがあります。
ただし「血管を瞬間的に消してしまう」というより、治療する静脈を薬剤やレーザーで閉じ、その後、時間をかけて体内で吸収されていく仕組みです。手の血管が普通に透けて見えているだけなら、それ自体は病気とはされていません。
手には複数の静脈が網目状につながっています。そのため治療では、どの血管を処置するかを診察で決めます。採血などに使う血管を残すことも含め、単純に「見える血管を全部なくす」治療ではない点が大切です。
年齢とともに手の血管が目立ってくる理由
手の血管の見え方には、加齢、体質、皮下脂肪の量、腕の筋肉量など複数の要素が関係します。
特に手の甲はもともと皮下組織が厚くないため、皮下脂肪が減ると血管の輪郭が表面に出やすくなります。また、もともと静脈が太い人や皮膚が薄い人では、若い年代でも目立つことがあります。
つまり、血管が見えているからといって「血管そのものが異常に増えた」とは限りません。手の皮膚や皮下組織と静脈の位置関係が変わることで、以前より目につきやすくなるケースがあります。
細い血管には硬化療法、太い血管にはレーザー治療が使われる

代表的なのが硬化療法と血管内レーザー治療です。
硬化療法は、静脈の中に硬化剤を注射して血管を閉じる方法です。専門クリニックでは、おおむね3mm未満の細い静脈を硬化療法の対象とし、3mm以上になるとレーザーを組み合わせる方法を採用している例があります。
血管内レーザー治療では、細いレーザーファイバーを静脈内に入れ、血管を内側から焼灼して閉じます。治療する血管の太さや長さ、走り方によって方法が変わるため、単純に「レーザーのほうが上」という関係ではありません。
実際には、太い部分をレーザー、細かく枝分かれした部分を硬化療法というように組み合わせることもあります。
ハンドベイン治療の費用は10万円前後から40万円以上まで差がある
ハンドベインは見た目を改善することが主目的となるため、専門クリニックでは自由診療として扱われています。形成外科領域でも、美容目的の治療や一部のレーザー治療は健康保険の対象外となります。
料金例では次のような設定があります。
- 硬化療法・片側:71,500円
- 硬化療法・両側:107,800円
- レーザー治療・片側:217,800円
- レーザー治療・両側:396,000円
- レーザー+硬化療法・両側:429,000円
同じ「ハンドベイン治療」という名称でも、対象範囲、血管の本数、麻酔、追加処置などが異なるため、金額だけで単純比較するのは避けたいところです。
症例写真だけで効果を判断しないことも大切
手の静脈に対する硬化療法については医学論文もありますが、大規模な比較試験が豊富にそろっている分野ではありません。
2014年には手背静脈に対するフォーム硬化療法の後ろ向き研究が報告され、2023年にも手の静脈を含む治療成績を調べた後ろ向き研究が発表されています。2023年の報告では手を治療した患者の63.2%に3か月時点で大きな改善が認められましたが、無作為化比較試験ではありません。
クリニックのビフォーアフター写真は「こう変化した症例がある」ことは分かっても、自分にも同じ結果が出ることを保証するものではありません。血管の太さや走行、皮膚の厚さによる個人差を含めて判断する必要があります。
内出血・しこり・色素沈着などのリスクもある
治療後には、処置した血管が一時的に硬くなる、内出血が出る、血管に沿って色素沈着が残るといった変化が起きることがあります。硬化剤によるアレルギーも治療前に知っておきたいリスクです。
専門クリニックの説明では、血管の硬さが1~2か月、内出血が1~2週間、色素沈着が1~2か月程度続く場合があるとされています。ただし経過には個人差があります。
「手術ではないからほぼノーリスク」と考えるのではなく、どの静脈を閉じるのか、副作用が起きた場合に誰が診察するのかまで確認しておくことが重要です。
痛みや腫れを伴う血管は美容目的と分けて考える
単に血管が透けたり盛り上がったりしているだけの場合と、急に赤く腫れた、熱を持つ、押すと痛い、硬い筋のようになったという場合は意味が違います。
表在性血栓性静脈炎などでも、静脈に沿った赤み・腫れ・熱感・痛みが出ることがあります。急な腫れや痛みを伴う場合は、見た目を整える治療を考える前に医療機関で原因を確認するほうが適切です。
ハンドベイン治療を検討するなら、「本当に美容上の問題だけなのか」を最初に診てもらうことが安心につながります。
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