吃音に悩んだ都築政憲さんが「誰かに頼られる人」を目指して歩んできた道
NHK Eテレで2026年9月17日放送の「toi-toi」に登場するのは、吃音の症状と向き合いながら社会福祉士として活動する都築政憲さんです。
27歳の都築さんが番組で投げかける問いは、「“なりたい自分”になれていますか?」。
思うように言葉が出ないことから自信を持てずにきた一方、幼いころから「誰かに頼られる人になりたい」という思いを持ち続けてきました。
現在はNPO法人おりがみの理事を務め、障害のある人と若者をつなぐ「パラ旅応援団」の団長としても活動しています。都築さんにとって大きな転機となったのが、自身も参加してきたボランティア活動でした。
この記事でわかること
- 都築政憲さんの学歴と社会福祉士としての経歴
- 吃音に悩んできた都築さんとボランティアとの出会い
- NPO法人おりがみと「パラ旅応援団」での現在の活動
- 「誰かに頼られる人になりたい」という目標につながった歩み
都築政憲さんはNPO法人おりがみ理事・社会福祉士として活動

都築政憲さんは、NPO法人おりがみの理事です。
公式プロフィールで公表されている主な経歴は次の通りです。
- 千葉大学教育学部卒業
- 小学校・特別支援教育を学ぶ
- 東京福祉専門学校卒業
- 社会福祉士
- 浦安市発達障がい者等地域活動支援センター相談員
- NPO法人おりがみ理事
- パラ旅応援団団長
- パラリンピック聖火リレー千葉県フェスティバル最終走者
- 千葉大学文学部「障害者のリアルに迫る」初代代表
大学では教育を学び、その後さらに福祉の専門教育を受け、社会福祉士になっています。
現在の活動で特徴的なのは、単に福祉サービスを提供する立場だけではなく、障害のある人と若者、ボランティアが実際に出会う場をつくっていることです。
NPO法人おりがみのプロフィールでも、都築さんは重度知的障害のある人への自立支援を経験したのち、社会福祉士として発達障害のある人へのボランティア学習機会づくりに取り組んでいると紹介されています。
吃音といじめ、人間関係の悩みを抱えてきた
都築さんの現在の活動を知るうえで欠かせないのが、本人が吃音とともに生きてきたことです。
NPO法人おりがみの公式プロフィールには、吃音があり、いじめや人間関係づくりに悩んできたことが記されています。
人と話したいのに、思うように言葉が出ない。
9月17日の「toi-toi」でも、言葉が出てこないことへの焦りから、自信を持てずにいる都築さんの姿が取り上げられます。
一方で、都築さんには子どものころから持ち続けてきた目標がありました。
それが、歴史上の偉人のような「誰かに頼られる人になりたい」という思いです。
人とのコミュニケーションに悩みながら、それでも人との関わりを必要とする仕事や活動へ向かってきたところに、都築さんの歩みの大きな特徴があります。
転機になったのはボランティア活動だった
都築さんの人生を大きく動かしたのが、ボランティア活動でした。
公式プロフィールでは、ボランティア活動を始めたことをきっかけに、吃音と向き合えるようになっていったと紹介されています。
さらに活動を通じて都築さんが感じたのが、
「ボランティアには、人をエンパワメントする力がある」
ということでした。
誰かを一方的に「助ける」だけではなく、参加する側も人との出会いや役割を得ることで変わっていく。
この体験が、現在の社会福祉士としての仕事や、障害のある人と若者を結ぶ活動へとつながっています。
「toi-toi」で描かれる「なりたい自分」というテーマとも、ここは深く重なります。
言葉を流ちょうに話せる自分になることだけが「理想の自分」なのか。
それとも、悩みや苦手なことを抱えたままでも、誰かとの関係の中で役割を持つことが「なりたい自分」につながるのか。
都築さん自身の歩みが、その問いを考える材料になっています。
「パラ旅応援団」で障害のある人と若者をつなぐ
現在の都築さんを象徴する活動のひとつが、団長を務める「パラ旅応援団」です。
パラ旅応援団は、さまざまな障害のある人と学生ボランティアが一緒に出かけ、交流を深めながらパラスポーツ観戦などを楽しむプロジェクトです。
活動の背景にあるのは、障害のある人の外出相手や外出先が、家族・ヘルパー、通院・買い物などに限られやすいという課題です。
そこで「支援する人」と「支援される人」という関係だけではなく、若者と一緒に出かけ、楽しみ、友人のような関係をつくる機会を生み出しています。
過去の事業では、千葉シティトライアスロンや車いすラグビー観戦などを実施。
公式発表では合計208人が参加し、障害のある参加者へのアンケートでは約8割が「また会いたいと思える友達ができた」、全員が次回も参加したいと回答したとされています。
活動はその後も続き、2025年には大阪・関西万博で特別ツアーを実施。
都築さんはそこで、障害のある人と学生ボランティアについて、支援する側・される側を越えて「旅の仲間」として過ごすことを大切にしています。
自分の悩みが現在の仕事と切り離されていない
都築さんの経歴を見ると、「吃音に悩んでいた過去」と「現在の福祉活動」は別々の出来事ではありません。
人間関係づくりに悩む。
ボランティアに参加する。
人との出会いによって自分自身も変化する。
福祉を専門的に学ぶ。
社会福祉士になる。
そして今度は、自分が人と人との出会いを生み出す側になる。
こうして見ると、都築さんの現在の仕事は、これまで歩いてきた道の延長にあります。
NPO法人おりがみ自体も、ボランティアを通して普段とは違う「もうひとつの役割」を生み出し、一人ひとりが自分の可能性を諦めずにいられる社会を目指している団体です。
だからこそ、「なりたい自分になれているのか」という今回の問いは、単純に仕事で成功したかどうかを問うものではなさそうです。
都築さんはすでに社会福祉士になり、NPOの理事となり、大勢の人が参加する活動を動かしています。
それでもなお「自分は本当に、なりたかった自分なのか」と考える。
そこが、この回の「toi-toi」で最も興味深い部分です。
NPO法人おりがみは「役割」を生み出す団体
都築さんが理事を務めるNPO法人おりがみは、2014年に学生団体として始まり、2021年にNPO法人となりました。
活動の中心にあるのはボランティアですが、決められた作業を手伝うだけの活動とは少し違います。
一人ひとりの興味や得意分野を生かしながら、仕事や家庭とは別の「役割」や居場所を社会の中につくっていくことを掲げています。
都築さんが率いるパラ旅応援団も、その考え方をよく表した活動です。
障害のある人には「外出して誰かと楽しむ人」という役割があり、学生には「支援者」だけではなく「一緒に出かける仲間」という役割が生まれます。
都築さん自身もまた、かつてボランティアの中で新しい役割を見つけたひとりでした。
現在は社会福祉士やNPO理事という肩書きを持っていますが、その原点にあるのは、人とのつながりの中で自分の可能性を見つけた経験だったことが分かります。
都築政憲さんの現在の活動
都築さんについて現在確認できる主な活動は次の通りです。
- NPO法人おりがみ理事
- パラ旅応援団団長
- 社会福祉士
- 発達障害のある人に向けたボランティア学習機会の創出
- 障害のある人と若者が交流できる外出・旅行企画
- 企業や地域を巻き込んだ社会課題への取り組み
2026年9月にも、NPO法人おりがみが実施した企業社員と学生による社会課題をテーマとした研修プログラムで、都築さんが理事として問い合わせ担当に名を連ねており、現在も団体運営の中心で活動していることが確認できます。
まとめ
「toi-toi」に出演する都築政憲さんは、吃音によるいじめや人間関係の悩みを経験しながら、ボランティアとの出会いを転機に福祉の道へ進んだ社会福祉士です。
千葉大学教育学部、東京福祉専門学校で学び、現在はNPO法人おりがみの理事、パラ旅応援団の団長として、障害のある人と若者が出会える場をつくっています。
幼いころから抱いてきたのは、「誰かに頼られる人になりたい」という目標でした。
現在の経歴だけを見れば、その思いはすでに形になっているようにも見えます。
それでも「本当にこれが、なりたかった自分なのか」と問い続ける都築さん。
9月17日の「toi-toi」は、吃音というひとつの悩みだけではなく、理想の自分と現在の自分との距離をどう受け止めて生きていくのかを考える回になりそうです。
参考リンク
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