記事内には、広告が含まれています。

丹波おばあちゃんの里が売上8億円へ!閉鎖危機から復活した5つの改革|もしマネ

地域・施設

閉鎖危機だった丹波おばあちゃんの里

2026年9月20日放送のテレビ大阪『日経スペシャル もしものマネー道 もしマネ』では、兵庫県丹波市の「道の駅 丹波おばあちゃんの里」が登場します。春日インターチェンジを降りてすぐという好立地でありながら、番組では利用者が少なく「閉鎖の危機」にあった道の駅が、5つの改革によって復活した物語が紹介されます。

現在は状況が一変。2025年度の売上高は過去最高となる8億321万円を記録し、4期連続で前年度を上回りました。物産館を中心に丹波の農産物や加工品をそろえる「ちいき百貨店」へと変化したことが、大きな成長につながっています。

この記事でわかること

  • 丹波おばあちゃんの里が売上8億円まで伸びた経緯
  • 道の駅を変えた5つの改革
  • 丹波黒枝豆の販売期間を延ばした「枝豆リレー」
  • 場所・営業時間・アクセス

売上8億円まで伸ばした道の駅再生

おかげさまで20周年を迎えました。 - 道の駅 丹波おばあちゃんの里

出典:道の駅 丹波おばあちゃんの里公式サイト

道の駅「丹波おばあちゃんの里」は2006年4月8日に開業しました。

春日ICのすぐそばという交通の便に恵まれた場所でしたが、公式サイトでも、開業当初は「そんなに多くのお客様がお越しになられるわけでもなく、静かにのんびりとご休憩いただける道の駅」だったと振り返っています。

大きな転機になったのが、野原正章さんが駅長兼支配人となってから進められた改革と、2022年3月の大規模リニューアルです。

売上高の推移を見ると、その変化は明確です。

リニューアル前は年間3億円台で推移していましたが、2022年度には約6億円まで伸長。2023年度は約6億3600万円、2024年度は約6億8111万円へ増加し、2025年度にはついに8億321万円を記録しました。

2025年度の内訳では、

  • 物販:約6億9454万円
  • 飲食:約1億867万円
  • 野菜:約2億1723万円

となり、特に新鮮な野菜の販売が前年比123%と大きく伸びました。

閉鎖危機として番組で紹介される施設が、20周年を迎えた2026年には年間8億円を売り上げる道の駅へ。この変化を支えたのが、一度に行われた派手な施策ではなく、売り場、商品、生産者、情報発信、観光客の動きを一つずつ変えていった改革でした。

集客を変えた5つの改革

丹波おばあちゃんの里の再生策は、大きく5つに整理できます。

1.物産館と駐車場を約2倍に拡張

2022年3月のリニューアルでは、物産館の売り場を156平方メートルから320平方メートルへ拡大。駐車場も約2倍にし、観光情報センターや大型遊具を新設しました。単なる休憩場所ではなく、家族で立ち寄り、買い物や観光情報収集までできる拠点へ変えています。

2.「ちいき百貨店」へ商品を入れ替える

どこでも買える商品ではなく、丹波市の農産物や地元企業の商品を増やしました。

現在、地元野菜を除く約1000の加工品などでも地元調達率は95%。一般的な道の駅では50~60%程度とされるなか、丹波のものを探すために立ち寄る価値を作っています。

3.地元農家から集まる野菜を増やす

地元生産者への働きかけも強化しました。

道の駅公式の講演記録では、野菜を出荷する地元生産者を約100軒から約240軒まで増やし、種類と量を充実させたことが紹介されています。2023年度にも生産部会を約30人増員し、秋などに発生していた品切れを減らしました。

4.丹波黒枝豆を「短期勝負」から長期販売へ

従来は10月の短期間が中心だった黒枝豆を、早生品種から順番に収穫する仕組みへ変更しました。

6月末から11月末まで品種をリレーする「おば里枝豆観光リレー」により、「黒枝豆を買いたくても時期が合わない」という観光客を減らしています。

5.広報と買いやすさを徹底強化

テレビ、新聞、雑誌などへの情報発信を積極化し、ホームページで商品やイベント情報を頻繁に更新。2024年度には公式サイトのアクセスが100万回を突破しました。

さらにクレジットカード、電子マネー、QR決済を充実させ、キャッシュレス比率も大幅に上昇しています。2024年度には買い物客の約39.5%がキャッシュレス決済になりました。

施設を大きくするだけではなく、「何を売るか」「誰から仕入れるか」「いつ売るか」「どう知ってもらうか」「どう買いやすくするか」まで変えたことが、現在の売上につながっています。

丹波黒枝豆に仕掛けた販売方法

改革の中でも、番組が大きく取り上げるのが丹波の名産「黒枝豆」です。

もともと丹波黒大豆の枝豆は、本格的な収穫時期が10月上旬から下旬に集中します。

ところが道の駅には7月ごろから11月末まで、「黒枝豆はありますか?」という問い合わせが届いていました。せっかく丹波まで来ても、数日違うだけで購入できない客がいたのです。

そこで2020年ごろから進められたのが、品種をずらして栽培する方法でした。

6月末に収穫できる早生品種からスタートし、異なる品種を順番に育て、最後は秋の主役である丹波黒へつなぐ仕組みです。

現在は「おば里枝豆観光リレー」と名付けられ、

6月末 → 夏の早生品種 → 秋の品種 → 丹波黒 → 11月末

という長い期間で黒枝豆を楽しめるようになっています。

2022年には7月ごろから早生品種を販売し、「ここに来れば黒枝豆が買える」という印象を作りました。

そして本番となる10月には長蛇の列ができるほどの集客につながっています。

「旬の商品だから3週間だけ売る」から、「旬を大切にしながら別品種をつなぎ、半年近く丹波の黒枝豆を楽しめる」へ。

農産物の売り方そのものを変えた改革でした。

生産者との対立を乗り越えた転機

『もしマネ』の番組予告では、黒枝豆の新しい販売方法を進める中で「生産者から大きな反感を買ってしまう」と紹介されています。

その一方で、現在の道の駅と農家の関係を見ると、再生の大きな鍵になったのは地元とのコミュニケーションだったことが分かります。

丹波おばあちゃんの里を取材した「みちする」では、かつて道の駅と地元とのつながりが希薄だった時期が長かったものの、野原駅長の着任後に地域との対話へ力を入れ、少しずつ関係が改善していったと紹介されています。

その結果、生産者は黒枝豆リレーにも協力するようになりました。

現在では農産物をただ仕入れるだけでなく、道の駅側から「この野菜を作ってほしい」と農家へ提案する取り組みも行っています。

2025年度には兵庫県が育成したネギ「兵庫エヌワン」を「たんば丹(まごころ)ねぎ」として展開。道の駅が苗や資材を提供し、23人の生産者が栽培に参加しました。

さらに売れ残りや規格外品も買い取り、「ねぎみそ」「ねぎ塩だれ」「ねぎピザ」へ加工しています。

売れなかったら農家だけの損失になる関係ではなく、道の駅側も商品開発や販路づくりを担う。

こうした積み重ねによって、「商品を納めてもらう場所」から「地域と一緒に商品を作る場所」へ変わっていったことが、再生を支えています。

地元商品とオリジナル商品が売上を押し上げた

丹波おばあちゃんの里が目指しているのは、単に大きな農産物直売所になることではありません。

掲げているのは「丹波のちいき百貨店」です。

丹波黒大豆、丹波栗、丹波大納言小豆、米、山の芋などの農産物だけでなく、市内事業者が作る菓子や加工食品まで集めています。

さらに規格外の農産物を使ったオリジナル商品も開発。

黒豆を使った「黒豆おかき」など、農産物を加工品へ変えることで、収穫シーズン以外にも丹波の味を販売できるようにしています。

2023年度には、規格外スイートコーンを使った「たんばのなんば棒」や、大納言小豆を生かした大判焼きなども販売されました。

生鮮野菜だけなら、天候や収穫時期に売上が左右されます。

そこで加工品やオリジナル商品を増やし、1年を通して買える商品を作ったことも、安定した集客につながっています。

丹波おばあちゃんの里の場所とアクセス

道の駅 丹波おばあちゃんの里は、兵庫県丹波市春日町七日市にあります。

高速道路のインターチェンジから非常に近く、丹波観光の入口として利用しやすい場所です。

  • 施設名:道の駅 丹波おばあちゃんの里
  • 住所:兵庫県丹波市春日町七日市710
  • 電話:0795-70-3001
  • 物産館:9:00~17:00
  • ジェラート:9:00~17:00
  • フードコート:10:30~17:00(ラストオーダー16:30)
  • 観光情報センター:9:00~17:00
  • 定休日:なし
  • 駐車場・公衆トイレ:24時間利用可能
  • 車:舞鶴若狭自動車道・北近畿豊岡自動車道「春日IC」を降りてすぐ
  • 一般道:国道175号「春日インター東」交差点から入る
  • 電車:JR福知山線「黒井駅」から約2.3km、車で約7分・徒歩約30分

物産館などは通常9:00~17:00ですが、冬季にはメンテナンス休館が設定される場合があります。訪問前には公式サイトの最新情報を確認しておくと安心です。

まとめ

道の駅 丹波おばあちゃんの里は、2006年の開業後、番組で「閉鎖の危機」と紹介される時期を経験しながら、大きな変化を遂げました。

野原正章駅長のもとで地元との関係を立て直し、2022年には物産館と駐車場を約2倍へ拡張。「ちいき百貨店」を掲げて丹波の商品を増やし、生産者の拡大、黒枝豆リレー、オリジナル商品開発、広報強化、キャッシュレス対応などを積み重ねてきました。

そして2025年度には、過去最高となる売上8億321万円を達成しました。

なかでも象徴的なのが、3週間ほどだった黒枝豆の販売を、品種をつなぐことで6月末から11月末まで広げた「おば里枝豆観光リレー」です。

「丹波へ行けば、おいしいものがある」ではなく、「丹波おばあちゃんの里へ行けば、丹波のおいしいものが集まっている」。

そんな目的地へ変わったことが、閉鎖危機から年間8億円を売り上げる道の駅へ成長した大きな理由です。

参考リンク


気になる生活ナビをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました