更別村「100歳までワクワク」を支えるデジタルと人のつながり
2026年9月21日放送のNHK Eテレ『ハートネットTV フクチッチ 老い“生きがい”でワクワク!』では、「100歳までワクワク」を目指す北海道・更別村を紹介します。番組が注目するのは、単なる高齢者向けサービスではなく、若者と高齢者が関わりながら新しい楽しみや生きがいを生み出していく仕組みです。
その土台になっているのが、更別村のデジタル田園都市構想から生まれた「ひゃくワク SARABETSU DIGITAL」。無料サービスに加え、月額2,280円の有料サービス、健康や趣味を選べる有料オプションまで用意されています。さらに、デジタルだけに頼らず、地域に入り込んで住民とつながる「コミュニティナース」が重要な役割を担っています。
この記事でわかること
- 更別村「ひゃくワク」の現在の月額料金
- 無料・有料サービスで利用できる内容
- 「100歳までワクワク」を支えるコミュニティナースの役割
- 高齢者と若者の交流から生きがいが生まれる仕組み
更別村「ひゃくワク」は月額2,280円、無料サービスも充実
更別村で進められているのが「更別ベーシックインフラサービス(SBIS)」です。村民や地元企業・団体など、更別村に関わる人の暮らしをデジタルサービスで支える仕組みで、大きく3段階に分かれています。
- デジタル公民館サービス:0円/月
- ひゃくワクサービス:2,280円/月
- ひゃくワク選べるサービス:内容ごとの有料オプション
公式ページには「ひゃくワクサービス1,980円/月」という旧料金の表記も残っていますが、2026年4月利用分から2,280円/月へ改定されています。2026年9月時点では月額2,280円が現在の料金です。利用には会員登録が必要となります。
特徴的なのは、有料会員にならなければ何も使えない仕組みではないことです。まず無料の「デジタル公民館」があり、その上に有料の「ひゃくワク」、さらに必要なサービスだけを追加できる構成になっています。
無料の「デジタル公民館」で移動・健康・買い物まで支える
月額0円のデジタル公民館には、高齢になっても村で生活を続けるためのサービスが幅広く組み込まれています。
主なサービスは次の通りです。
- スマホ教室・相談会
- 健康見守りサービス
- 自動運転定期便
- さらクル移動サービス
- オンライン診療所予約サービス
- 商品取り置きができる「さらっとショッピング」
- 更別村内フリーWi-Fi
- スマートフォン貸出し
- 地域ポイントサービス
- 「楽しい麻雀」などの交流サービス
一部はマイナポータルの登録など利用条件がありますが、「行政手続きをデジタル化する」だけで終わらず、移動、買い物、健康、趣味、人との交流まで含めているのが特徴です。
高齢者のデジタル利用というと、スマートフォンを使えるようにすること自体が目的になりがちです。しかし更別村では、その先に「外出する」「人に会う」「買い物をする」「趣味を楽しむ」といった日常生活があります。
デジタル庁が2026年4月に紹介した更別村の事例では、スマホ教室に90歳の住民が訪れ、80歳の住民が隣で文字入力を教える場面も生まれていました。教える側・教えられる側を年齢だけで固定しない交流ができていることも、更別村の取り組みを象徴しています。
有料「ひゃくワク」は温泉や飲食、村民講座まで楽しみに変える
月額2,280円の「ひゃくワクサービス」では、生活を便利にするだけでなく、外へ出るきっかけになる利用券も用意されています。
現在案内されている主な特典は、
- 村内温泉施設の温泉・サウナ1回利用券
- 村内対象施設で使える合計500円分の飲食割引券
- 村民講座で使える1回1,000円相当の割引券
- 通話機能付きスマートフォンの貸し出し
などです。
さらに「選べるサービス」を追加すると、
- 健康レポート:ひゃくワク会員は月額100円
- カラオケ:ひゃくワク会員は月額100円
- いきいき教室:ひゃくワク会員は月額100円
- 健康運動教室:ひゃくワク会員は月額500円
といった健康・趣味サービスも利用できます。料金は税込で、サービス内容は変更される場合があります。
ここで重要なのは、健康維持だけを前面に出していない点です。
温泉へ行く、食事を楽しむ、カラオケをする、麻雀をする、講座へ参加する。健康のために何かを「やらされる」のではなく、自分が楽しみたいことを続けた結果として外出や交流の機会が増えていく設計になっています。
「100歳までワクワク」を支えるコミュニティナース
もう1つの柱が「コミュニティナース」です。
更別村の公式ポータルでは、コミュニティナースを「村民同士の絆づくりの担い手」と位置づけています。村で暮らしながら住民と顔見知りになり、シニア世代の「100歳までワクワク」な生活を支える存在です。
「ナース」という名前ですが、全員に看護師資格が必要な制度ではありません。看護師資格を持つ人と持たない人が一緒に活動し、住民の日常の困りごとや「やってみたいこと」を拾い上げています。
活動も医療相談だけではありません。
ある住民にとって公園へ行くことがリハビリの目標になれば、一緒に出かける。女性たちが集まれば、歩いてケーキを買いに行く。草刈りをしたいという話が出れば翌日に一緒に作業する。そうした小さな日常の希望を、人とのつながりへ変えていきます。
若者が高齢者を一方的に支える関係ではない
更別村の取り組みで興味深いのが、若者が高齢者にサービスを提供するだけの構図になっていないことです。
公式ポータルで紹介されているコミュニティナースの稲本夕海さん、今村智之さん、西上耶弥さんはいずれも24歳。ところが自己紹介を見ると、「編み物を教えてください」「芋掘りを手伝わせてください」「麻雀の高度な技を教えてください」と、高齢者から若者へ知識や経験を渡す方向も意識されています。
つまり、高齢者は単に「助けてもらう人」ではありません。
長年積み重ねてきた技術や経験を教える側にもなれる。誰かに頼られることや、自分の得意なことを伝えることも新しい役割になります。
番組が予告している「若者と高齢者の関わりの中からワクワクが生まれる仕組み」と、まさに重なる部分です。
デジタル化の本当の役割は人と人をつなぐこと
更別村は、予約制の移動サービスや見守り、スマートフォンなど、かなり多くのデジタルサービスを導入してきました。
ただし、デジタル庁の取材で更別村の担当者が説明しているのは、システムだけでは住民の生活に届かないという課題です。アプリの使い方が分からないときに気軽に聞ける人がいなければ、便利な仕組みを作っても利用にはつながりません。
そこでコミュニティナースが住民との「接点」になります。
スマートフォンの操作相談から会話が始まり、健康の話につながることもある。日常的に顔を合わせているからこそ、「これをやってみたい」という希望も出てきます。
デジタルは人間関係を置き換えるものではなく、人がもう一度つながるための道具として使う。
更別村の「100歳までワクワク」は、最新技術そのものよりも、その技術をきっかけに外へ出たり、人と話したり、新しい楽しみを見つけたりできることに大きな特徴があります。
ひゃくワクの利用情報
2026年9月時点で公表されている主な内容です。
- 対象:更別村民、地元企業・団体など更別村に関わる人
- 会員登録:必要
- デジタル公民館:月額0円
- ひゃくワクサービス:月額2,280円
- 健康レポート:ひゃくワク会員は月額100円
- カラオケ:ひゃくワク会員は月額100円
- いきいき教室:ひゃくワク会員は月額100円
- 健康運動教室:ひゃくワク会員は月額500円
- 一部サービス:マイナポータル登録など別途条件あり
サービス内容や料金は今後変更される場合があるため、利用時には最新の案内を確認してください。
まとめ:更別村の「ワクワク」はサービスと人の接点をセットにしている
更別村の「ひゃくワク」は、単なる高齢者向けデジタルサービスではありません。
月額0円のデジタル公民館を入口に、月額2,280円のひゃくワクサービス、さらに健康・運動・カラオケなどを選択できる仕組みを整えています。そこへコミュニティナースが加わり、デジタルに不慣れな人にもサービスが届くよう、人と人との関係を作っています。
年齢を重ねても「新しく何かを始める」「人から必要とされる」「誰かと一緒に楽しむ」機会を地域の中につくること。それが、番組で紹介される更別村の「100歳までワクワク」につながっています。
参考リンク
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント