捨てられる青いみかんを「食べてもらえる価値」へ変えた半田農業高校
2026年10月5日放送のCBCテレビ「THE TIME,」内「東海3県!中高生ニュース」に、愛知県立半田農業高校が登場します。今回取り上げられるのは、果樹を学ぶ生徒たちが、通常は間引かれる摘果みかんをシャーベットなどの冷菓へ生まれ変わらせる取り組みです。
半田市の「黒牛の里」と連携して始まったこのプロジェクトは、商品を作って終わりではありません。2026年度には後輩たちが活動を引き継ぎ、一般の親子を招いた摘果体験や授業、試食まで自分たちで企画する活動へ広がっています。
この記事でわかること
- 半田農業高校が摘果みかんをシャーベットへ活用した理由
- 黒牛の里と開発した「青切カンキツのジェラート」の特徴
- 2026年度に後輩たちが引き継いだ食品ロス削減プロジェクト
- 商品の販売実績と現在確認できる入手情報
半田農業高校が廃棄される摘果みかんを冷菓へ
出典:愛知県立半田農業高校
半田農業高校で取り組んでいるのは、みかんを育てる途中で行う「摘果」から生まれる青い果実の再利用です。
摘果とは、育っている果実の一部を間引く作業。半田市が2026年8月に実施した体験イベントでも「果樹の間引き(摘果)」として紹介されています。
半田農業高校では、この摘果によって出る青いみかんを、そのまま捨てるのではなく食品として活用する方法を生徒たちが考えました。
CBCテレビの10月5日放送では、この「廃棄される果実でシャーベットを開発」した活動が紹介されます。
黒牛の里と「青切カンキツのジェラート」を共同開発
プロジェクトで大きな役割を果たしたのが、同じ半田市にある「黒牛の里」です。
半田農業高校の2025年度活動報告では、果樹専攻の生徒たちが黒牛の里と共同で「青切カンキツのジェラート」を開発したことが紹介されています。
使ったのは、半田農業高校の南峡農場で育てたカンキツ類の摘果果実。
学校はその味について、黒牛の里の濃厚なミルクと、青いカンキツならではの爽やかさを組み合わせたものとして紹介しています。
「まだ青いから商品にならない」と考えるのではなく、その爽やかな風味を逆に生かして冷たいデザートへ変えたわけです。
なお、2025年度の学校発表では「青切カンキツのジェラート」、2026年度の半田市発表では「摘果みかんを使用したシャーベット」と、それぞれの年度の活動で異なる呼び方が使われています。
2025年度は半農祭と地域イベントで限定販売
「青切カンキツのジェラート」は、試作品だけで終わりませんでした。
半田農業高校によると、2025年11月5日・6日の「半農祭」や地域イベントで限定販売されています。学校は、多くの来場者から好評だったとしています。
ここが、この活動の面白いところです。
高校の授業で栽培した果実を使い、地域企業と商品を開発し、さらに実際に客へ販売するところまで経験しています。
半田農業高校の農業科学科では、3年生になると作物・果樹・環境緑化・畜産などから専門分野を選択。果樹ではブドウ、ナシ、カンキツ類などの栽培技術を学びます。
その学習が、実際の商品開発までつながった形です。
先輩の商品を後輩が引き継ぎ「食品ロス問題」へ
プロジェクトは2025年度だけで終わりませんでした。
2026年度の果樹専攻では「摘果ミカンの再利用化プロジェクト」が本格化しています。
生徒たちが掲げたテーマは、「摘果ミカンって何?を知ってもらい、食品ロス問題の解決をみんなで目指そう!」。
さらに、この活動は愛知県農業クラブ連盟のプロジェクト発表会・分野Ⅲ類で優秀賞を獲得し、愛知県内の上位3組に入りました。
前年度の生徒が商品を作り、次の学年がその意味を地域へ伝えていく。
単年度の「高校生が珍しい商品を作りました」という活動ではなく、学校の中でテーマそのものが受け継がれていることが特徴です。
高校生自身が摘果体験イベントを企画
2026年8月19日には、半田農業高校、黒牛の里、半田市が連携して親子向けの摘果体験を開催しました。
参加したのは小中学生の親子など約10組26人。
特徴的なのは、高校生が単に作業を教えるだけではなく、イベントの企画から当日の運営まで主体的に担当したことです。
当日は、生徒による授業から始まり、実際のみかん畑で摘果を体験。最後には摘果みかんを使ったシャーベットの試食も行われました。
つまり現在の活動は、
「捨てる予定だった果実を加工する」
ところから、
「なぜ摘果が必要なのかを地域の人に知ってもらう」
ところまで進んでいます。
商品そのものだけでなく、農業の現場でなぜ未熟な果実が生まれるのか、その背景まで高校生自身が伝える活動になっています。
黒牛の里は知多牛の生産農家が運営する地域企業
共同開発先の黒牛の里は、半田市で知多牛を扱う企業です。
知多牛の生産農家が直接運営し、焼肉店やfarm restaurant、ジェラートショップなど複数の店舗を展開しています。
farm restaurant黒牛の里は、地域の特産である知多牛を広く知ってもらうことを目的の1つとして運営されており、地域の農産物とも関わりながら商品や料理を提供しています。
半田農業高校とのジェラート開発も、学校だけでは難しい「商品として仕上げ、食べてもらう」という部分を地域企業が支えた取り組みです。
高校の農場で生まれた素材と、地元飲食企業の商品開発力が組み合わさっています。
半田農業高校は農業を作るところから流通まで学ぶ
半田農業高校の農業科学科では、単に植物を育てる方法だけを学ぶわけではありません。
3年生には「食品流通」という科目もあり、米・麦・青果物・食肉・加工品が、生産者から消費者までどのように流通するのかを学びます。
今回の摘果みかんプロジェクトは、その学びを実践した形にも見えます。
畑でみかんを育てるだけなら、摘果した果実は栽培途中に生まれる副産物です。
しかし、
摘果する
↓
未熟な果実を回収する
↓
特徴を生かせる食品を考える
↓
地域企業と加工する
↓
イベントで販売・試食する
↓
活動の意味を地域へ伝える
ところまで進めば、農業と商品開発、販売、地域交流が一本につながります。
摘果みかんシャーベットは現在どこで買える
購入を考える人が最も注意したいのが、販売形態です。
学校が公式に販売実績を公表している「青切カンキツのジェラート」は、2025年度の半農祭と地域イベントでの限定販売です。
2026年8月の摘果体験では、シャーベットは参加者向けの試食として提供されました。
2026年10月3日時点で、半田農業高校や半田市から、この摘果みかんを使った冷菓を常時販売するという案内は出ていません。
一方、共同開発先のfarm restaurant黒牛の里にはジェラートショップが併設されていますが、今回の摘果みかん商品を常時販売しているとは確認できないため、通常商品として購入できるものとは分けて考える必要があります。
半田農業高校の場所と学校情報
愛知県立半田農業高校は、愛知県半田市柊町にあります。
農業科学科のほか、施設園芸科、食品科学科、生活科学科があり、農作物の栽培から畜産、食品製造、バイオテクノロジーまで幅広い分野を学べる農業高校です。
所在地は愛知県半田市柊町1-1。
農業科学科では、作物、果樹、環境緑化、畜産などを実習中心で学んでいます。
まとめ
半田農業高校の摘果みかん活用プロジェクトは、果樹栽培の途中で間引かれる青いみかんを、食べられる商品へ変えるところから始まりました。
2025年度には半田市の黒牛の里と「青切カンキツのジェラート」を共同開発し、半農祭や地域イベントで限定販売。2026年度には後輩が活動を引き継ぎ、「摘果ミカンって何?」を伝えることや食品ロス問題までテーマを広げています。
さらに親子向け摘果体験では、高校生が企画・運営を担い、畑での体験からシャーベットの試食までをつなげました。
2026年10月5日の「THE TIME,」内「東海3県!中高生ニュース」で紹介されるのは、単に高校生が珍しいデザートを作ったという話ではありません。
農業では途中で取り除かれる果実にも新しい使い道を作り、先輩から後輩へ活動を引き継ぎながら、地域の企業や子どもたちまで巻き込んでいる取り組みです。
参考リンク
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