長崎・伊王島で生まれた「刺身で食べられるカマス」
長崎市伊王島周辺で水揚げされる「伊王島日の出カマス」は、日の出の時間帯に刺し網で漁獲し、船上ですぐ氷締めして、その日のうちに出荷する鮮度重視のブランド魚です。
2026年10月8日放送のNHK「うまいッ!」では、伊王島のカマス漁に密着。全長約700mの刺し網を使った漁や、鮮度を落とさず素早く出荷する仕組み、カマスを地域の新たな名物へ育てる取り組みが紹介されます。
一般にカマスは水分が多く鮮度が落ちやすい魚ですが、「伊王島日の出カマス」は刺身で味わえるほどの鮮度を目指して扱われているのが大きな特徴です。
この記事でわかること
- 伊王島日の出カマスが普通のカマスと違う理由
- 日の出に漁をして船上で氷締めする鮮度管理
- カマスを伊王島の地域資源へ育てる取り組み
- 2026年秋に伊王島日の出カマスを味わえる場所
伊王島日の出カマスは「日の出に獲って、その日に出荷」

「日の出カマス」という名前は、その漁の時間帯に由来します。
長崎市によると、伊王島周辺の海で日の出とともに刺し網によって漁獲される天然のアカカマスを、氷締めして当日中に出荷しています。
カマスは身に水分が多く、傷みやすい魚です。そのため焼き物や一夜干しとして食べる印象が強い魚ですが、伊王島では「獲ってから食卓へ届くまで」の時間を短縮することで、生でも楽しめる鮮度を実現してきました。
漁に使うのは刺し網です。
「うまいッ!」では約700mにも及ぶ網を使い、魚体をできるだけ傷つけずにカマスを捕らえる漁師の技が登場します。水揚げ後も迅速な出荷を行い、漁獲から流通まで一貫して鮮度を守ります。
単に「長崎で獲れたカマス」というだけではなく、漁獲する時間、漁法、締め方、出荷スピードまでを組み合わせて価値を高めている魚なのです。
刺身にすると弾力があり、旬は脂ものる
伊王島日の出カマスとして扱われるのはアカカマスです。
鮮度が高いものは刺身にでき、長崎市も西彼南部漁協の特徴として「さしみでも食べられる」ほど新鮮で、プリプリした食感を楽しめると紹介しています。
カマスは焼くことで香ばしさや脂のうまみが際立つ魚ですが、伊王島では鮮度を生かした食べ方にも力を入れています。
例えば、
- 刺身
- 炙り
- 寿司
- 丼
- フライ
- 天ぷら
- 一夜干し
など、さまざまな料理に展開できます。
長崎市は家庭向けレシピとして「伊王島日の出カマスのガチ丼」も公開しています。
カマスを3枚におろし、塩をしてから厚めに切り、甘口醤油、みりん、砂糖、すりごま、おろし生姜を合わせたタレで味わう料理です。皮目を炙るアレンジも紹介されています。
「カマス=干物」という従来のイメージだけではなく、生食や創作料理まで楽しめる魚として広げているところが、伊王島日の出カマスの大きな特徴です。
カマスを魚だけで終わらせず「伊王島へ来る理由」に
伊王島日の出カマスの取り組みには、もう1つ大きな目的があります。
伊王島周辺の水産資源を生かし、漁業だけでなく地域の観光にもつなげることです。
西彼南部漁協を中心にブランド化が進められ、カマスを味わう「伊王島豊漁祭」や、市内飲食店でオリジナル料理を提供する企画も行われてきました。
豊漁祭では、新鮮なカマスそのものだけでなく、カマスをフライにした「カマスティック」なども販売されています。
さらに長崎大学魚料理研究会が料理や魚に親しむ企画へ参加するなど、漁業者だけでブランドを作るのではなく、飲食店や若い世代も巻き込んでカマスの新しい食べ方を発信しています。
ここが、伊王島日の出カマスの面白いところです。
高級魚として高く売ることだけを目標にするのではなく、「この魚を食べに伊王島へ行ってみたい」と思ってもらえる地域資源へ育てようとしています。
2026年秋はi+Land nagasakiで「日の出カマス袖寿司」
2026年秋にも、伊王島日の出カマスを味わえる場所があります。
伊王島にあるリゾート施設「i+Land nagasaki」のレストラン「うららか」では、2026年9月1日から11月30日までの秋の和食会席に「日の出カマス 袖寿司」を取り入れています。
秋の和食旬味会席では、
- ごま豆腐と秋茄子の揚げ浸し
- 柿の絹和え
- 日の出カマス 袖寿司
- 鮮魚のお造り
- 長崎和牛炙り石焼
- 雲仙豚のはりはり鍋
など、長崎の食材を組み合わせた内容になっています。
上位の特選・特上会席にも日の出カマスの袖寿司が組み込まれており、伊王島を訪れて旬の魚を味わう選択肢の1つになっています。
海のそばで獲れた魚を、その地域へ出かけて味わう。
ブランド魚を観光資源につなげたいという取り組みが、実際の旅行や食事へ結びついている例です。
伊王島日の出カマスを家庭でも楽しめる「ガチ丼」
新鮮な伊王島日の出カマスが手に入った場合、長崎市が公開している「ガチ丼」は比較的シンプルです。
主な材料は、
- 伊王島日の出カマス
- ご飯
- 大葉
- のり
- 甘口醤油
- みりん
- 砂糖
- すりごま
- おろし生姜
です。
カマスは3枚におろして塩を振り、しばらく置いてから塩水で洗い、水分を取ります。
厚めの刺身にしてご飯へ盛り付け、甘辛いゴマダレをかければ完成です。皮目を軽く炙れば香ばしさも加わります。
ただし、生食する場合は必ず生食可能な鮮度・状態の魚を使用し、販売店や漁業者の案内に従うことが大切です。
「伊王島日の出カマス」というブランドが成立する背景にも、まさにこの鮮度管理があります。
実用情報
伊王島日の出カマスは、西彼南部漁業協同組合が伊王島周辺で取り組むブランド魚です。
- 魚種:天然アカカマス
- 漁場:長崎市・伊王島周辺
- 漁法:刺し網
- 特徴:日の出の時間帯に漁獲
- 鮮度管理:船上で氷締め
- 出荷:原則として漁獲当日に出荷
- 主な食べ方:刺身、寿司、炙り、丼、焼き物、一夜干しなど
- 漁協:西彼南部漁業協同組合
2026年秋に料理として味わえる場所の1つが「i+Land nagasaki」のレストラン「うららか」です。
- 所在地:長崎県長崎市伊王島町1丁目3277-7
- 秋メニュー期間:2026年9月1日~11月30日
- 夕食時間:17:00~21:30
- 最終受付:21:00
- メニュー:日の出カマス 袖寿司を含む秋の和食会席
食材の入荷状況により内容が変わる場合があるため、利用時は最新の料理内容を確認してください。
まとめ
「伊王島日の出カマス」は、長崎市伊王島周辺で日の出の時間帯に刺し網で漁獲され、船上で氷締めして当日出荷する天然アカカマスです。
傷みやすいカマスの弱点に対し、漁獲から流通まで徹底して時間を短縮することで、刺身でも楽しめるブランド魚へと育てられてきました。
さらに現在は、寿司や丼、フライなど食べ方を広げ、豊漁祭や飲食店との連携を通じて伊王島そのものの魅力を発信する地域資源になっています。
2026年10月8日の「うまいッ!」で注目したいのは、旬の魚のおいしさだけではありません。
日の出とともに海へ出る漁師の技、その場ですぐに締める鮮度管理、そして1匹の魚を地域の新しい名物へ変えていく取り組みまで含めて、「伊王島日の出カマス」の価値につながっています。
参考リンク
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント