栗は冷蔵すると甘くなる!低温貯蔵の仕組みと家庭での保存方法
秋の味覚・栗は、買ってきてすぐに食べるだけでなく、低温で保存することで甘みが増すという特徴があります。
2026年10月12日放送のNHK Eテレ『きょうの料理』では、料理研究家の関岡弘美(せきおか・ひろみ)さんが、栗を甘くする低温貯蔵の方法と、しっとりしたゆで栗、栗のポタージュ、洋風の栗の渋皮煮を紹介します。
栗が甘くなる理由は、実の中に含まれるでんぷんが、低温で保存される間に糖へと変化するためです。
茨城県笠間市では、0~マイナス2℃で約3~4週間保存することで栗の糖度が上がることを確認しています。
ただし、これは温度を厳密に管理した産地の貯蔵方法です。家庭では、皮付きの栗を袋に入れてチルド室で保存し、1週間程度を目安に使い切る方法が農林水産省から紹介されています。
冷蔵庫での保存方法と、甘くなる仕組みを知っておくだけでも、秋の栗をよりおいしく楽しめます。
この記事でわかること
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栗を甘くする冷蔵保存の温度と家庭での手順
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低温貯蔵で栗のでんぷんが糖に変わる仕組み
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関岡弘美さんが紹介するゆで栗・ポタージュ・渋皮煮の特徴
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料理研究家・関岡弘美さんの経歴とフランス料理を学んだ背景
栗の冷蔵保存は皮付きのままチルド室に入れる
家庭で栗を保存する際の基本は、外側の硬い鬼皮をむかず、皮付きのまま低温で保存することです。
農林水産省が紹介している保存方法は、次のとおりです。
栗の冷蔵保存方法
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傷みのない栗を選ぶ
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皮付きの栗をポリエチレン製の袋に入れる
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袋の口は縛らず、軽く折り曲げる
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冷蔵庫のチルド室に入れる
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0℃付近で保存し、1週間程度を目安に使い切る
袋の口を完全に密閉しないのは、湿気がこもるのを防ぐためです。
栗は乾燥にも弱い一方、湿度が高すぎるとカビが発生する原因になります。
新潟県の農業関係機関でも、皮付きの栗をビニール袋に入れ、袋の口を軽く折って冷蔵する方法を案内しています。
また、5℃以下で7日以上冷蔵すると、収穫直後に比べて甘みが増すことも紹介されています。
ただし、家庭の冷蔵庫は開閉や保存場所によって温度が変わります。長期間置くほど安全に保存できるというわけではありません。
傷みやカビが見られる栗は使用せず、無理に熟成期間を延ばさないことが大切です。
栗が低温貯蔵で甘くなるのはでんぷんが糖へ変わるため
栗は、さつまいもなどと同じく、でんぷんを多く含む食材です。
収穫したばかりの栗にも甘みはありますが、その甘さは保存する温度によって変化します。
ポイントになるのが、栗の内部に存在する「アミラーゼ」という酵素です。
アミラーゼは、でんぷんを分解して糖に変える働きを持っています。
栗を低温で保存すると、こうした酵素の作用によって糖が増え、収穫直後より甘みが強くなります。
実際に茨城県笠間市では、JA常陸や農業改良普及センターと協力し、栗の低温貯蔵について研究してきました。
その結果、0~マイナス2℃で約3~4週間保存すると糖度が上昇することが確認されています。
さらに茨城県の研究では、約30日間の冷蔵貯蔵によって、栗の糖含量が生栗の2倍近くまで増える結果も得られています。
ここで注意したいのは、糖度が2倍になることと、食べたときの甘さが必ず2倍に感じられることは同じではないという点です。
甘さの感じ方には、栗の品種、食感、調理方法なども関係します。
産地の3~4週間貯蔵と家庭の冷蔵保存は別物
栗をより甘くする方法として、1か月近い低温貯蔵が紹介されることがあります。
しかし、家庭の冷蔵庫でそのまま同じ方法を再現することには注意が必要です。
茨城県笠間市で行われている貯蔵は、温度を一定に保てる専用設備を使用したものです。
その設備では、糖度を高めることに加え、栗の害虫対策も行っています。
栗の内部には、収穫時点で害虫の卵が入っている場合があります。
笠間市では、低温で一定期間保存することにより、薬剤を使用したくん蒸処理に代わる方法として冷蔵貯蔵を導入しました。
2023年からは、JA常陸が冷蔵殺虫と低温流通を組み合わせた取り組みを進めています。
一方、一般家庭では冷蔵庫の設定温度や湿度が異なり、専用設備と同じ貯蔵条件を保てるとは限りません。
そのため、家庭では短期間の冷蔵保存を基本とし、長期熟成された栗を楽しみたい場合は、産地で管理された貯蔵栗を選ぶ方法があります。
ゆで栗は40~50分ゆでてスプーンで食べられる
栗のおいしさを手軽に楽しむなら、まず試したいのがゆで栗です。
栗は品種によって甘さや食感が異なりますが、ゆで栗なら素材そのものの味を楽しめます。
農林水産省が紹介している基本的な調理方法は、次のとおりです。
ゆで栗の材料
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生栗:食べたい分量
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水:栗を十分にゆでられる量
ゆで栗の作り方
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鍋に湯を沸かす
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沸騰した湯に生栗を入れる
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中火で40~50分ゆでる
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ゆで上がった栗をやけどに注意して取り出す
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包丁で縦半分に切る
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スプーンで中身をすくって食べる
この方法なら、鬼皮や渋皮をすべてむく必要がありません。
栗の中心まで十分に火を通し、半分に切って中身を食べるシンプルな方法です。
10月12日の『きょうの料理』では、関岡弘美さんがしっとりした食感に仕上げるゆで栗を紹介します。
低温貯蔵で引き出した栗の甘みを、素材そのものの味として楽しめる料理です。
栗の渋皮煮は鬼皮を丁寧にむくことが大切
栗の手仕事の中でも、特に時間と手間がかかるのが渋皮煮です。
栗には、外側の硬い鬼皮と、その内側にある薄い渋皮があります。
渋皮煮では、鬼皮を取り除き、渋皮を残したまま煮込みます。
このとき重要になるのが、渋皮を傷つけないことです。
渋皮が破れると、煮ている途中で栗の実が崩れやすくなります。
農林水産省が紹介する栗の皮むきでは、生栗を熱湯に10分ほどつけ、皮を柔らかくしてから鬼皮をむきます。
渋皮煮は、鬼皮を丁寧に取り除いた後、アク抜きを行い、砂糖などを加えて煮含める料理です。
10月12日の『きょうの料理』では、関岡弘美さんが洋風に仕上げる栗の渋皮煮を紹介します。
栗の渋皮を残すことで生まれる独特の風味と、やわらかな実の甘みを楽しむ保存食です。
栗のポタージュは栗の自然な甘さを生かせる料理
栗は甘いお菓子だけでなく、食事にも使える食材です。
その代表的な料理の1つが、栗のポタージュです。
栗を柔らかく煮て細かくつぶし、牛乳やスープなどと組み合わせることで、なめらかな口当たりに仕上げます。
栗にはでんぷんが多いため、とろみのあるスープを作りやすいという特徴があります。
また、玉ねぎやバターなどと組み合わせることで、栗の甘さだけでなく、食事として楽しめるコクも生まれます。
茨城県の農産物情報サイトでも、栗のポタージュが郷土の食材を楽しむ料理として紹介されています。
10月12日の『きょうの料理』では、栗の甘さを引き立てるポタージュが登場します。
ゆで栗や渋皮煮とは異なる、栗の楽しみ方です。
関岡弘美は京都大学卒業後にフランスで料理を学んだ料理研究家
今回、栗の手仕事を紹介する関岡弘美さんは、京都生まれの料理研究家です。
京都大学文学部を卒業し、学生時代にはフランスのパリ・リッツエスコフィエで製菓を学びました。
大学卒業後は約6年間、出版社で料理雑誌の編集に携わっています。
その後、2006年にフランスへ渡りました。
フランスでは、世界的な料理学校「ル・コルドン・ブルー」パリ本校で料理、製菓、ワインを学び、グラン・ディプロムを取得しています。
さらに、パリの有名レストラン「ル・ムーリス」「ミシェル・ロスタン」や、パティスリー「パン・ド・シュクル」でも研修を重ねました。
関岡弘美さんの主な経歴
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出生地:京都府
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出身大学:京都大学文学部
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学生時代:パリ・リッツエスコフィエで製菓を学ぶ
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大学卒業後:約6年間、出版社で料理雑誌の編集に従事
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2006年:フランスへ渡る
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フランス留学:ル・コルドン・ブルーでグラン・ディプロム取得
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資格:日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、豆腐マイスターなど
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現在の活動:料理研究家、料理教室主宰、レシピ開発、書籍執筆
関岡さんは、フランス料理の技術を日本の家庭料理に取り入れた、作りやすいレシピを得意としています。
今回の栗料理でも、丹波地方で親しんできた栗という食材と、フランスで学んだ料理技術が結び付いています。
栗の名産地・丹波で育った経験が料理の原点
関岡さんは京都生まれで、栗の名産地として知られる丹波地方で育ちました。
丹波栗は、大粒で存在感のある栗として古くから知られています。
農林水産省の資料では、丹波栗は古事記や万葉集、日本書紀にも登場する歴史ある食材として紹介されています。
江戸時代には京都周辺で名物として親しまれ、参勤交代などを通じて全国に知られるようになりました。
栗の栽培は、収穫して終わりではありません。
収穫した栗の選別、保存、鬼皮をむく作業、渋皮の処理など、食べるまでにもさまざまな手間があります。
関岡さんが紹介する栗の手仕事は、こうした食材を丁寧に扱う文化とも重なっています。
栗の甘みを引き出す低温貯蔵、素材の味を楽しむゆで栗、フランス料理の要素を取り入れたポタージュや渋皮煮。
同じ栗でも、調理方法によって異なる味わいを楽しめることが魅力です。
栗を買ったときに確認したい選び方と保存の注意点
おいしい栗料理を作るためには、購入するときの状態も重要です。
農林水産省では、次のような点を栗選びの目安として紹介しています。
良い栗を選ぶポイント
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鬼皮に張りがある
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皮の茶色が濃い
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指で押してもブカブカしていない
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表面に白いブツブツがない
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底の部分が黒ずんでいない
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底がベタベタしていない
購入後はなるべく早めに冷蔵保存し、傷みが進まないうちに使い切ることが大切です。
冷蔵によって甘さが増す仕組みはありますが、傷んだ栗を保存しても品質が回復するわけではありません。
『きょうの料理』放送・テキスト情報
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放送日:2026年10月12日(月・祝)
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放送時間:21:00~21:25
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放送局:NHK Eテレ
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講師:関岡弘美
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司会:浅野里香
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テキスト:NHK『きょうの料理』2026年10月号
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テキスト発売日:2026年9月18日
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定価:680円(税込)
まとめ
栗は低温で保存することにより、内部のでんぷんが糖へ変化し、甘みが増す特徴を持つ食材です。
産地では0~マイナス2℃で3~4週間ほど貯蔵し、甘さを引き出す取り組みが行われています。
一方、家庭では皮付きの栗を袋に入れてチルド室で保存し、1週間程度を目安に使い切る方法が基本です。
2026年10月12日の『きょうの料理』では、関岡弘美さんが栗の低温貯蔵からゆで栗、ポタージュ、洋風の渋皮煮まで紹介します。
栗の保存方法と調理の特徴を理解することで、秋ならではの甘さと風味をより深く楽しめます。
参考リンク
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