ミラブルアシストバスは介護現場向けの「人間洗濯機」
ミラブルアシストバスは、大阪・関西万博で注目された「ミライ人間洗濯機」の洗浄技術を、介護施設向けに応用した入浴装置です。メーカー希望小売価格は159万5,000円(税込)。浴槽の側面に扉があり、またぐ動作を減らし、細かな泡を使って肌を強くこすらずに洗う仕組みです。2026年10月26日放送予定のTOKYO MX『堀潤 Live Junction』では、人間洗濯機の介護施設への導入が取り上げられる予定です。
価格とサイズ|万博の展示機との違い
製造するのは大阪市に本社を置くサイエンス。公式製品ページで確認できる2026年10月時点のメーカー希望小売価格は税込159万5,000円です。購入を検討する施設は、機器代だけでなく、設置工事・浴室の寸法・給排水設備の条件も確認する必要があります。
メーカーの製品仕様では、本体の型番はHWM-2025-WIBR(Rタイプ)/HWM-2025-WIBL(Lタイプ)。本体寸法は長さ1,250×幅660×高さ971mm、重量は約80kgです。別にリザーブタンクを使用する構成で、推奨湯量は約230Lとされています。設置前には本体だけでなく、タンクや介助者の動線を含めたスペース確認が欠かせません。
万博で展示された「ミライ人間洗濯機」は、入浴者の状態に応じた映像・音楽なども特徴でした。一方、介護用のミラブルアシストバスは、またがずに入れる構造と洗浄の補助に重点を置いた別製品です。万博の装置がそのまま施設に置かれているわけではありません。
またがずに入る・こすらず洗う仕組み
浴槽の側面に開閉式の扉があるため、通常の浴槽のように高い縁をまたぐ必要がありません。入浴時の足の上げ下ろしを減らせることは、足腰に不安がある人や、浴槽への出入りを支える介助者にとって重要な特徴です。ただし、立位保持や移乗に介助が必要な人が一人で安全に入浴できると保証するものではありません。
身体を洗う部分には、微細な泡を浴槽内に発生させる「ミラバス」の技術を使用。メーカーは、泡が皮膚の汚れに付着して浮かせる仕組みを説明しています。顔や髪など水面より上の部分には「ミラブル」のシャワー技術を用います。つまり、すべての洗身工程を無人で自動化する装置ではなく、介助者が必要な洗浄や安全確認を続けながら、こする負担を軽くする設備です。
導入時には、本人の皮膚状態、姿勢保持、湯温、入浴時間、扉の開閉や緊急時の対応を、施設のケア手順に合わせて検討することが大切です。特殊浴槽や機械浴を利用している人の入浴方法を、そのまま置き換えられるとは限りません。
導入施設は交欒 森ノ宮|介護現場での使い分け
サイエンスは2026年6月、大阪市中央区にあるSOYOKAZE運営の介護付きホーム「交欒(まぜらん) 森ノ宮」でミラブルアシストバスが稼働を始めたと発表しました。メーカーが紹介する導入事例では、従来の浴室も残し、利用者の状態や希望に合わせて入浴方法を選べるようにしています。
現場で注目したいのは、洗身の手間だけでなく、入浴前後の移動、着脱衣、見守り、浴室清掃まで含めた一連の業務です。泡による洗浄で負担が軽くなっても、全体の所要時間や職員配置が一律に減るとは限りません。導入判断では、利用者に適した入浴方法を確保したうえで、実際の介助手順と費用対効果を確認する必要があります。
介護職の仕事や家族が介護を始める際の準備については、介護の現場とケアマネジャー探しを扱った関連記事でも紹介しています。
なお、メーカーは本製品の福祉用具情報システム(TAIS)コード取得を公表していますが、TAIS登録だけで介護保険給付の対象になると決まるわけではありません。導入や補助金の適用条件は、自治体・関係機関・販売窓口に個別確認してください。価格や仕様は変更される場合があるため、購入前はサイエンスのミラブルアシストバス公式製品情報で最新情報を確かめるのが確実です。
まとめ
ミラブルアシストバスは、万博の「ミライ人間洗濯機」を介護現場向けに発展させた扉付き入浴装置です。税込159万5,000円という価格だけでなく、設置条件や利用者の身体状況、介助動線も確認したいところ。泡による洗浄とまたがない構造は魅力ですが、見守りや移乗介助まで不要になるわけではありません。
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