岡本秀樹は中東に空手を広めた日本人|エジプトで語り継がれる「オカモト」の歩み
岡本秀樹(おかもと・ひでき)さんは、1970年からシリア、レバノン、エジプトなど中東・アフリカで空手の普及に尽力した日本空手協会の指導者です。2009年4月30日に67歳で亡くなりましたが、その教えは現地の空手家へ引き継がれています。2026年10月28日放送予定のNHK総合『世界で開け!ひみつのドアーズ』では、エジプト・アイユーブ村で語り継がれる伝説の日本人「オカモト」が予告に登場。日本空手協会や本人を取材した書籍の資料をもとに、岡本さんの人物像と活動の歴史を整理します。
岡本秀樹とは|国士舘大学から中東へ渡った空手指導者
岡本さんは1941年生まれ。国士舘大学で空手に打ち込み、大学卒業後、日本空手協会の海外派遣指導員として活動しました。日本空手協会が発表した訃報では、シリア中央警察学校へ派遣された後も現地に残り、アラブ・アフリカ諸国の要望に応えて長年空手の普及に取り組んだ人物として紹介されています。
1970年、岡本さんはシリアへ渡りました。日本で空手を教えるのではなく、文化も言葉も異なる土地で道場や指導のつながりを築いていく道を選んだのです。のちに中近東・アフリカ地区理事を務め、九段の段位を持つ指導者となりました。
岡本さんの功績は、現地の人々が自ら次の世代を指導できるようになるまで空手が根付いたことです。日本空手協会は2009年に岡本さんの死を悼み、同年6月には九段会館で関係者による「偲ぶ会」が開かれたことを記録しています。
エジプトで「オカモト」の名が残る理由|空手が世代をつないだ
岡本さんの活動はシリアにとどまりませんでした。レバノンやエジプトへと広がり、現地で空手を学ぶ人々や指導者たちの間に交流が生まれました。中東に日本の武道を伝えた功績から、「アラブの空手の父」と紹介されることもあります。
2026年10月28日の番組予告には、エジプト・アイユーブ村の空手教室で日本語の掛け声が響き、伝説の人物「オカモト」が語られるとあります。日本空手協会による番組案内でも、岡本さんを師と仰ぐ現地の指導者ムハンマド・アブーバクルさんと子どもたちの姿が紹介される予定だと示されています。
岡本さんが亡くなった2009年から17年たった2026年にも、遠く離れた村で名前が受け継がれている背景には、指導を受けた人が次の世代に教え続けるという武道のつながりがあります。個人の偉業だけでなく、現地の指導者が自分たちの場で文化を伝えていることが、現在につながる重要な点です。
番組では同じ村の暮らしや、ハト料理に使われる日本にルーツを持つ食材にも注目する予定です。ただし、予告ではその食材の正式名称は明かされていません。現時点で確認できる「オカモト」の経歴とは区別し、特定の調味料や作物だと断定しないことが正確です。
『ロレンスになれなかった男』に描かれた波乱の人生
岡本さんの人生は、空手の普及だけでは説明しきれません。1970年のシリア渡航後、レバノンやエジプトを拠点に活動するなか、政府関係者や警察関係者にも空手を指導し、広い人脈を築いていきました。
その一方で、ビジネスにも挑戦し、時代の政治情勢に大きく翻弄されています。こうした複雑な歩みを取材したのが、ジャーナリスト小倉孝保さんによるノンフィクション『ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯』です。KADOKAWAから2020年6月26日に刊行されました。
出版社の紹介では、岡本さんが映画『アラビアのロレンス』に憧れてシリアへ渡ったことや、イラクでの事業がイラク戦争の影響で行き詰まったことなどが語られています。単なる美談としてだけでなく、海外で武道を広めた日本人が現地の政治や社会とどのように関わったのかを知るための記録です。
書籍のKADOKAWA公式商品ページには、著者・刊行日・内容紹介が掲載されています。関連資料を探したい場合は、同書のISBN「9784041091609」で図書館の蔵書や書店を検索する方法もあります。
まとめ
岡本秀樹さんは1970年にシリアへ渡り、エジプトを含む中東・アフリカ各地で空手の普及を続けた指導者です。2009年に67歳で亡くなりましたが、現地の教え子たちが武道を次世代に伝えています。「オカモト」の名が今も語られる背景には、長い年月をかけた指導と人とのつながりがあります。
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