「宿坊」を調べ続けてきた寺社旅研究家・堀内克彦さん
2026年9月11日放送の『おとな時間研究所 心と体ととのう 宿坊の旅』にゲスト出演するのが、宿坊研究会代表の堀内克彦さんです。愛称は「ほーりー」。大学時代に寺社巡りにのめり込み、1999年のクリスマスイブに初めて宿坊へ宿泊。その体験をきっかけに2000年から「宿坊研究会」を運営してきました。現在では宿坊紹介だけでなく、寺社の活性化や旅行、イベント企画まで活動を広げています。
この記事でわかること
- 堀内克彦さんの経歴と現在の仕事
- 宿坊に興味を持ったきっかけ
- 宿坊研究会が生まれた経緯
- 26年間で宿坊研究がどう広がったのか
堀内克彦さんは「宿坊研究会」の代表

出典:いま話題の「宿坊」って何だ?|宿坊研究会 堀内克彦さんにインタビュー① | 他力本願.net | 人生100年時代の仏教ウェブメディア
堀内克彦さんは「人生を変える寺社巡り」をテーマに活動する寺社旅研究家です。
宿坊研究会を中心に、縁結び神社研究会、お守り研究会などを運営。現在は株式会社寺社旅の代表取締役社長でもあり、寺社旅行を紹介するだけでなく、寺院や企業の顧問・アドバイザー、講演、寺院活性化などにも携わっています。
つまり「寺好きの旅行ライター」だけではありません。
長年集めた旅行者側のニーズと、寺院側が抱える課題の両方を知り、それを結び付けるところまで仕事にしている人物です。
今回『おとな時間研究所』が宿坊をテーマにするうえでゲストとして登場するのも、この長い宿坊研究が背景にあります。
原点は大学時代の比叡山だった
堀内さんが寺社巡りを始めたのは大学時代です。
本人のプロフィールによると、1997年に旅行サークル「古都愛好会」に入り、寺社巡りに熱中するようになりました。
きっかけの一つが比叡山延暦寺の根本中堂でした。当時は仏教史の知識よりも、まず建築の美しさに引き込まれたと振り返っています。そこから日本建築を見て歩くようになり、寺や神社そのものへの興味が深まっていきました。
専門家というと、最初から宗教や歴史を研究してきた人物を想像しがちです。
堀内さんの場合は「旅行先で寺の建物にひかれた」という、ごく普通の旅人にも近い入口だったところが興味深いところです。
1999年12月24日に人生初の宿坊へ
宿坊研究につながる大きな転機は、1999年12月24日でした。
本人によると、この日に京都・妙心寺の大心院へ初めて宿泊しています。
しかも理由は、「世紀末のクリスマスを京都のお寺で過ごそう」というかなり自由な発想だったそうです。
この一泊が、その後20年以上続く宿坊研究の出発点になりました。
人生の転機は、必ずしも大きな決意から始まるとは限りません。
「ちょっと面白そうだから泊まってみる」という一回の旅行から、やがて仕事にもつながるテーマが見つかったという経緯は、堀内さんの経歴の中でも特に印象的です。
2000年に「宿坊研究会」を立ち上げた理由
初めて宿坊に泊まった翌年、2000年5月5日に「宿坊研究会」がスタートしました。
当時は現在のように宿泊予約サイトで宿坊を簡単に検索できる時代ではありません。ネット上にも宿坊の情報が少なく、堀内さん自身が泊まり歩いた記録をまとめるところから始まりました。
すると読者から、
「座禅を体験できる寺はどこか」
「写経をしてみたい」
「精進料理を食べられる場所を知りたい」
といった情報が寄せられるようになります。
その声に応える形で、サイトは宿泊施設一覧から、座禅・写経・精進料理なども扱う「寺社体験のデータベース」へ広がっていきました。
2026年でスタートから26年。今回の番組で扱われる「宿坊=泊まるだけではなく、食事や修行体験も楽しめる場所」という考え方を、堀内さんはかなり早い時期から発信してきたことになります。
宿坊を「寺と接点のない人への入口」にした
宿坊研究会が掲げている目的の一つが興味深いところです。
それは、もともとの檀家や氏子だけではなく、これまで寺や神社と接点がなかった人が足を運ぶ「入口」をつくることです。
これは宿坊の魅力とも重なります。
「仏教を勉強しよう」と考えると少しハードルが高くても、
「珍しいところに泊まりたい」
「精進料理を食べてみたい」
「朝の座禅を体験したい」
という旅行なら参加しやすくなります。
そこから寺の歴史や考え方を知る人も出てくるでしょう。
今回の『おとな時間研究所』も、まさに「旅行」という入口から宿坊文化を紹介する内容です。
宿坊紹介から寺院活性化の仕事へ
堀内さんの活動は、宿坊情報サイトの運営だけにとどまりません。
現在の宿坊研究会では、宿坊開設、仏前結婚式、マインドフルネス、樹木葬、祈願・祈祷など、寺院の新しい取り組みに関する相談やコンサルティングも行っています。
今回番組で登場する青森県大間町の普賢院のように、寺が宿坊を開くことで遠方から人が訪れ、その地域の観光にもつながる例があります。
つまり宿坊は「昔から残る寺の宿泊施設」であると同時に、これからの寺と地域をつなぐ仕組みにもなり得ます。
旅行者の視点から宿坊を研究してきた堀内さんが、やがて寺院側の支援まで行うようになったのは自然な流れだったのかもしれません。
「寺社コン」などユニークな企画も
堀内さんは寺社好きの男女をつなぐ「寺社コン」もプロデュースしています。
自身の公式プロフィールでは、寺社旅サークルの参加者は1000人を超え、「寺社コン」では800人以上を結婚に導いたと紹介しています。
寺社巡りという共通の趣味から人をつなぐ考え方も、「寺を日常から遠い場所にしない」という宿坊研究会の活動と通じています。
ほかにもお守り、仏前結婚式、お寺の漫画図書館など、入口をかなり柔軟に作っているのが堀内さんの特徴です。
著書でも座禅・写経・精進料理を自ら体験
堀内さんは宿坊や寺社体験に関する本も出版しています。
代表的な一冊が、淡交社の『こころ美しく京のお寺で修行体験』です。
京都の寺で体験できる座禅、写経、写仏、精進料理、普茶料理、念仏、水行、入峰修行、宿坊などを、実際の体験を交えて紹介した本です。
単に全国の宿坊名を集めるだけではなく、「自分で泊まる」「自分で体験する」というスタイルを続けてきたことが、長く宿坊情報を発信できている理由の一つでしょう。
実用情報
堀内克彦さんについて番組後にさらに調べたい場合は、「宿坊研究会」と本人サイト「ほーりーの旅ブログ」が中心になります。
宿坊研究会では全国の宿坊だけでなく、座禅、写経・写仏、精進料理、寺修行など目的別にも探せます。
実際に宿坊旅行を計画するときは、堀内さん自身も注意しているように、掲載情報だけで決めず、最後は各寺院の公式サイトで開催日、料金、宿泊条件を確認するのが大切です。
まとめ
堀内克彦さんの宿坊研究は、1999年のクリスマスイブに京都の宿坊へ泊まったことから始まりました。
翌2000年には宿坊研究会を開設。当初は自分の旅行記に近かったサイトが、利用者から寄せられる声によって、座禅・写経・精進料理などを含む大きな寺社体験情報サイトへ成長しました。
さらに現在は寺院の活性化や宿坊開設の支援にまで活動を広げています。
『おとな時間研究所』の宿坊特集を見るときに、この26年間の歩みを知っておくと、「なぜ今、宿坊が旅先として注目されているのか」という番組の背景もより見えやすくなります。
参考リンク
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