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岩谷技研の宇宙遊覧は1回2400万円!高度20,816m成功と気球で宇宙へ行く仕組み|ふるさとの未来

企業・新技術

岩谷技研が挑む「気球で宇宙遊覧」普段着のまま高度20km超へ

2026年9月17日放送のTBS「ふるさとの未来」では、北海道江別市の株式会社岩谷技研が特集されます。

岩谷技研が目指しているのは、ロケットではなく巨大なガス気球で成層圏まで上がり、青い地球と暗い宇宙の景色を眺める「宇宙遊覧」です。

すでに有人気球で高度20,816mへの到達に成功。現在の公式情報では、宇宙遊覧フライトの費用は1回2400万円、飛行時間は約4~6時間とされています。

この記事でわかること

  • 岩谷技研の宇宙遊覧フライトの料金
  • 気球で高度18~25kmまで行く仕組み
  • 国内初の高度20,816m有人飛行試験
  • 宇宙遊覧の搭乗募集と現在の実現状況

岩谷技研の宇宙遊覧は1回2400万円

公式動画:岩谷技研|宇宙遊覧フライト

岩谷技研が現在公開している宇宙遊覧フライトの基本データは次のようになっています。

  • 費用:1回2400万円
  • 飛行高度:約18~25km
  • 最高到達高度:約25km
  • 飛行時間:約4~6時間
  • 気球:全高約60m級
  • キャビン:「T-10 Earther」
  • キャビン直径:約1.7m
  • 窓:直径約1.5mのドーム型アクリル窓
  • キャビン内気圧:約0.8気圧
  • 日本国内でフライトに適した時期:6~9月

現在の公式サイトでは、2400万円を「1回あたりの費用」と表記しています。以前の報道などでは1人2400万円として紹介されたこともありますが、最新情報に合わせるなら**「1回2400万円」**とするのが正確です。

決して気軽な金額ではありませんが、ロケットを使った宇宙旅行とは仕組みそのものが違います。

岩谷技研が目指しているのは、激しい加速に耐えて大気圏外へ飛び出す旅行ではなく、気球の浮力を利用してゆっくり高度を上げ、成層圏から宇宙のような景色を眺める旅です。

特別な訓練なしで「普段着の宇宙遊覧」を目指す

岩谷技研の宇宙遊覧で大きなポイントとなるのが、乗客を乗せる耐圧キャビン「T-10 Earther」です。

高度25km付近は低温、低気圧、ほぼ無酸素という人間がそのままでは生存できない環境です。

そのためキャビンには耐圧・断熱・気密機能に加え、二酸化炭素を除去する装置や酸素分圧を調整する生命維持システムを搭載。船内は航空機と同程度の約0.8気圧に保つ設計です。

乗客とパイロットが座る2人乗りで、正面には直径約1.5mという大きなドーム型の窓があります。

ロケットのような急激な加速ではなく、ヘリウムガスの浮力によってゆっくり上昇するのも特徴です。

岩谷技研が掲げているのは、幼児から高齢者まで特別な訓練なしで宇宙の景色を体験できる世界。いわば「選ばれた宇宙飛行士だけが宇宙を見る」という常識を変えようとしているわけです。

国内初の高度20,816mに有人気球で到達

この構想が単なる未来予想ではなくなった大きな転機が、2024年7月17日でした。

北海道士幌町から、自社開発した気球とキャビンを使って有人飛行を実施。

約4時間56分の飛行で、高度20,816mに到達しました。

岩谷技研によると、気球による有人飛行として国内で初めて高度20kmを突破した記録です。

試験では商用運航で使うものと同型のキャビンと生命維持装置を搭載。研究開発部のパイロットが乗り込み、成層圏の低圧環境でシステムを実際に動かしました。

商用フライトで想定している高度が18~25kmなので、実際に乗客を連れていく高度帯まで有人機が到達したことになります。

岩谷技研にとって、宇宙遊覧を「構想」から「現実の乗り物」へ近づけた重要な試験でした。

岩谷圭介社長は大学時代から気球を研究

このプロジェクトを率いるのが、株式会社岩谷技研代表取締役の岩谷圭介さんです。

北海道大学工学部機械知能工学科を卒業。大学で航空宇宙工学を学びながら、2011年に気球の研究開発を始めました。

2014年ごろに事業化し、2016年に株式会社岩谷技研を設立。2020年から有人気球の開発へ進みます。

最初から巨大な有人気球を作っていたわけではありません。

岩谷さんは「宇宙を見たい」という思いから小さな風船を使った実験を繰り返し、成層圏まで機材を運ぶための技術を積み重ねてきました。

その延長線上で、「カメラを飛ばして宇宙を見る」のではなく、人そのものを気球で上空へ運ぶという現在の宇宙遊覧構想へ発展しています。

商用第一号機の名前は「かざぶね」

宇宙遊覧の商用第一号機には、「かざぶね」という名前が付けられています。

2025年1月から3月に一般公募が行われ、集まった4,983案から選ばれました。

現在展開している「OPEN UNIVERSE PROJECT」には、岩谷技研のほかJTBや日本航空も共創パートナーとして参加しています。

単に気球を作るだけではなく、旅行・航空などを含めた新しい宇宙観光産業として育てようとしていることが分かります。

2028年にも実現?搭乗者募集は現在スケジュール検討中

「ふるさとの未来」の番組予告では、宇宙遊覧について「早ければ再来年にも実現!?」と紹介されています。

2026年9月の放送なので、ここでいう「再来年」は2028年です。

ただし、ここは番組予告と現在の公式発表を分けて考える必要があります。

OPEN UNIVERSE PROJECTは2026年8月31日、宇宙遊覧フライトの搭乗者募集について、実施方法およびスケジュールを現在検討中と発表しています。

つまり、2026年9月時点で一般向けの搭乗日程が正式決定したわけではありません。

これまでにも商用化予定時期は開発状況などに合わせて変更されてきました。

高度20,816mまでの有人飛行には成功していますが、一般客を乗せる商用運航では、さらに高い安全性と安定した運航体制が必要になります。

番組で紹介される「早ければ2028年」は今後の実現時期を示す情報として注目されますが、実際の搭乗募集開始日は今後の正式発表を確認する必要があります。

気球だから「宇宙」が身近になる

岩谷技研が面白いのは、ロケットを安くするのではなく、最初からロケットを使わない方法を選んだことです。

大型ガス気球は非可燃性のヘリウムガスを利用し、1トンを超える重量を成層圏まで運ぶことを想定しています。

上昇・下降はガスの放出やバラストによって調整。気球の位置や高度、キャビン内部の状態は地上の管制車両から監視します。

目指す高度18~25kmは、国際宇宙ステーションが飛ぶような宇宙空間ではありません。

それでも高度20kmを超えると、眼下には地球の輪郭、上空には暗い空が広がります。

「宇宙へ飛び出す」のではなく、宇宙が見える場所までゆっくり上がっていく。

この発想こそ、岩谷技研の宇宙遊覧の最大の特徴です。

まとめ

岩谷技研が北海道江別市から挑戦しているのは、巨大な気球を使った新しい宇宙遊覧です。

現在公開されている計画では、1回2400万円、約4~6時間をかけて高度18~25kmのNear Spaceを往復します。

すでに2024年には自社開発の有人気球で高度20,816mへ到達しました。一方、一般向け搭乗者募集の実施方法とスケジュールについては、2026年8月31日時点でまだ検討中です。

「宇宙旅行=ロケット」という常識から離れ、気球でゆっくり地球を見下ろす。

「ふるさとの未来」で紹介される岩谷技研の挑戦は、宇宙旅行そのもののイメージを大きく変える可能性を持っています。

参考リンク

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