テーブルマークの冷凍うどんが国内トップシェアを守り続ける理由
2026年9月23日(水)放送のNHK『経済バックヤード』では、冷凍食品の舞台裏を特集し、「冷凍うどんトップシェア企業を支える“うどんプロフェッショナル”」の仕事が紹介されます。番組のフックに当てはまる企業が、代表商品「カトキチさぬきうどん」を展開するテーブルマーク株式会社です。番組表では企業名が伏せられていますが、同社は現在も家庭用冷凍うどんで国内シェアNo.1と公式に案内しています。
冷凍さぬきうどんの製造・販売を始めたのは1974年。1992年には年間製造数量1億食、2000年に3億食、2012年に5億食へ達し、2020年には6億食を突破しました。現在も年間約6億食を製造する巨大商品群へ成長しています。
この記事でわかること
- 冷凍うどん国内シェアNo.1の企業・テーブルマーク
- カトキチさぬきうどんが全国へ広がった歴史
- 包丁切り・大釜ゆで・急速凍結に隠された製造技術
- 年間約6億食と冷凍麺世界売上No.1につながった商品力
冷凍うどんトップシェア企業はテーブルマーク
公式動画:カトキチさぬきうどん TVCM
テーブルマークは、冷凍食品やパックごはんなどを製造・販売する食品メーカーです。2026年現在、代表商品である「カトキチさぬきうどん」をはじめとした家庭用冷凍うどんで国内シェアNo.1を掲げています。
会社のルーツは香川県。1956年に水産品の製造販売会社として始まり、1962年には冷凍エビフライを製造。そして1974年、地元・香川の名物である讃岐うどんを全国へ届けようと、冷凍さぬきうどんの製造・販売を始めました。
現在の「カトキチさぬきうどん」は、強いコシ、もちもち感、なめらかなのどごしが特徴。電子レンジでも鍋でも調理でき、3食入りや5食入りなどが家庭用商品として販売されています。
代表商品「カトキチさぬきうどん」が伸びた歴史
テーブルマークの冷凍うどんの始まりは、現在の社名になる前の「加ト吉」時代です。
1974年、「本場の讃岐うどんのおいしさを全国の家庭でも食べてもらいたい」という思いから冷凍さぬきうどんの販売を開始しました。現在では当たり前になった冷凍うどんですが、当時はまだ「冷凍食品=保存のための食品」というイメージが強い時代でした。
そこで加ト吉が目指したのは、単にうどんを凍らせることではありません。
讃岐うどん店で食べるような「ゆでたてのコシ」を、家庭で解凍したときに再現することでした。
冷凍技術だけでなく、製造ラインの自動化や工場で職人技を再現する研究を積み重ね、徐々に家庭へ浸透。2008年にはJTの子会社となり、2010年に社名を現在の「テーブルマーク株式会社」へ変更しました。
2024年には冷凍うどん発売50周年を迎えています。
麺の切り方・大釜ゆで・急速冷凍に詰まった製造技術
カトキチさぬきうどんのおいしさを支えている大きなポイントが、包丁切り・大釜ゆで・急速凍結です。
現在の定番「カトキチさぬきうどん」では、生地を麺状に切る際、包丁で切るように1本ずつ切る「包丁切り」を採用。麺を大量のお湯が入った大釜で泳がせるようにゆで、ゆで上がった後は流水で洗い、すぐ冷却します。
そして最も重要なのが急速凍結です。
ゆでたてのうどんは、麺の外側と中心部で水分量が異なります。この水分差が讃岐うどん独特のコシにつながりますが、時間がたつと水分が均一になり、食感が変化してしまいます。
そこで、ゆで上がったおいしい状態のまま短時間で凍結。解凍したときに、ゆでたてに近い食感を戻せるようにしています。
さらに上位商品「カトキチ丹念仕込み 本場さぬきうどん」では、生地を何度も折り返し、縦だけでなく横方向にも延ばす独自の「丹念仕込み 綾・熟成法」を採用。太めの乱切りによって、つゆが絡みやすく、手打ちに近い食感を目指しています。
1992年1億食から2020年6億食超へ伸びた冷凍うどん
テーブルマークの冷凍うどんがどれだけ広がったのかは、年間製造数量を見ると分かります。
- 1992年:年間1億食
- 2000年:年間3億食
- 2012年:年間5億食
- 2020年:年間6億食を突破
- 現在:年間約6億食を製造
1974年の発売から約18年で1億食に到達し、その後はさらにスピードを上げて家庭へ浸透しました。
背景には冷凍冷蔵庫の大型化やスーパーの冷凍食品売り場の拡大だけでなく、「冷凍だから長持ちする」という価値から、「冷凍だからおいしさを閉じ込められる」という価値へ変えていった製造技術があります。
保存性だけではなく、食感を保つ手段として冷凍を利用したことが、現在の冷凍うどん市場につながっています。
国内シェアNo.1を支える「うどんプロフェッショナル」
『経済バックヤード』では、冷凍うどんトップシェア企業を支える“うどんプロフェッショナル”の流儀が紹介されます。
テーブルマークの工場では、完全に機械任せで同じ条件のうどんを作っているわけではありません。
例えば生地作りでは、気温や小麦粉の状態を見ながら加える水の量を調整。熟成工程でも、水分量や気温に応じて寝かせる時間や温度を変えています。
製造の最後には機械による金属検査やX線検査だけでなく、従業員が実際に試食し、味や食感も確認します。
大量生産でありながら、職人が手打ちうどんを作るときに行う「練る」「延ばす」「切る」「ゆでる」「冷やす」という工程を工場で再現する。
その細かな調整を積み重ねる人たちが、年間約6億食を支えています。
スーパーで購入できるテーブルマークの冷凍うどん
テーブルマークの家庭用冷凍うどんは、食品スーパーなどの冷凍食品コーナーで購入できます。
代表的な現行商品には次のようなものがあります。
- カトキチさぬきうどん3食
- カトキチさぬきうどん5食
- カトキチ丹念仕込み 本場さぬきうどん3食
- カトキチ極細さぬきうどん3食
- カトキチ稲庭風うどん
- カトキチ丹念仕込み やわもちうどん
定番の「カトキチさぬきうどん5食」は1食180gの5食入りで、合計900g。電子レンジと鍋調理の両方に対応しています。
同じ冷凍うどんでも、太さやコシ、のどごしを変えた商品をそろえており、食べ方に合わせて選べるラインナップになっています。
冷凍麺世界売上No.1につながった商品力
テーブルマークの実績は国内だけではありません。
2024年8月、テーブルマークの冷凍うどんを含む冷凍麺類が、「最大の冷凍麺ブランド(最新年間売上)」としてギネス世界記録に認定されました。対象はパスタを除く冷凍麺で、2023年1月〜12月の第三者によるグローバル調査データを根拠としています。
つまり「カトキチさぬきうどん1商品が世界売上No.1」という意味ではなく、テーブルマークが展開する冷凍麺ブランド全体で認定された記録です。
冷凍うどんで積み重ねた技術は、そばやラーメンなどほかの冷凍麺にも広がっています。
1974年に「香川の讃岐うどんを全国へ届けたい」と始めた商品が、50年を経て年間約6億食を作る事業となり、冷凍麺の世界記録につながりました。
まとめ
2026年9月23日の『経済バックヤード』で紹介される「冷凍うどんトップシェア企業」に当てはまるのが、テーブルマーク株式会社です。
冷凍さぬきうどんを発売したのは1974年。1992年に年間1億食、2000年に3億食、2012年に5億食、2020年には6億食を突破し、現在も年間約6億食を製造しています。
その成長を支えたのは、包丁切り、大釜ゆで、冷水での締め、急速凍結といった「職人の仕事を工場で再現する」製造技術です。
さらに2024年には、冷凍うどんを含むテーブルマークの冷凍麺類が冷凍麺世界売上No.1としてギネス世界記録に認定されました。
スーパーの冷凍庫で何気なく手に取る1玉のうどん。その裏側には、50年以上積み重ねてきた冷凍技術と、年間約6億食の品質を支える“うどんプロフェッショナル”の仕事があります。
参考リンク
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