トヨタ車のボンネットを支える瀬戸市のテクノエイト
2026年9月26日放送のテレビ愛知『キャイ~ンの社食いただきます!~1年260回食べたい会社メシ~』に登場するのが、愛知県瀬戸市に本社を置く自動車部品メーカー「テクノエイト株式会社」です。
番組で注目されるのは、トヨタ国内生産シェア100%を占める「フードロック」。名前だけでは分かりにくい部品ですが、自動車のボンネットを閉じた状態で保持する重要な保安部品です。
1948年設立のテクノエイトは、プレス加工から溶接、組付、金型設計まで手掛けながらトヨタをはじめとする自動車メーカーを支えてきました。普段は目につかない場所にありながら、多くのトヨタ車に欠かせない部品を作る瀬戸市のものづくり企業です。
この記事でわかること
- テクノエイトのフードロックがどんな部品なのか
- トヨタ国内生産シェア100%という実績
- 瀬戸市で自動車部品を作り続けてきた会社の歩み
- プレスから組立まで支えるテクノエイトの製造技術
フードロックはボンネットを保持する重要な保安部品

「フードロック」と聞いて、すぐに形や役割を思い浮かべられる人はそれほど多くないでしょう。
自動車でいう「フード」は、一般にエンジンルームなどを覆うボンネットを指します。
フードロックは、そのボンネットを閉めた状態で保持するための部品です。
運転席付近のレバーを操作してボンネットを開けようとすると、最初に少しだけ浮き上がり、その後ボンネット側の解除操作を行って完全に開く車があります。
その開閉や保持に関わる機構の重要な部分がフードロックです。
走行中にボンネットが不用意に開けば、前方視界を遮る重大な危険につながります。
そのため、単に金属部品同士を組み合わせればよいわけではなく、多数の構成部品を正確に組み立てる精度が求められます。
テクノエイト自身も、フードロックを「重要な保安部品」と位置づけています。
トヨタ国内生産シェア100%を占める
テクノエイトのフードロックで特に目を引くのが、**トヨタ国内生産シェア100%**という実績です。
海外を含めたトヨタ車すべてという意味ではなく、テクノエイトが公表しているのは「トヨタ国内生産シェア100%」。
国内で生産されるトヨタ車を陰から支えている重要部品の一つということになります。
車を外から見てもフードロックはほとんど目立ちません。
タイヤやライト、シート、カーナビのように購入時に比較される部品でもありませんが、車を安全に使用するためには欠かせない存在です。
しかもフードロックは複数の部品から構成されており、それぞれを正しい位置と精度で組み立てる必要があります。
大量生産と高い精度を両立させながら安定供給することが求められる分野です。
「名前は知られていないのに、実は多くのトヨタ車を支えている」。
テクノエイトのフードロックは、まさにそんな自動車部品です。
フードロックだけではないテクノエイトの自動車部品
テクノエイトが作っているのは、フードロックだけではありません。
鉄製部品では、車体の安全性に関わる部品も数多く製造しています。
代表的なのが「センターボデーピラー」です。
これは前後のドアの間にあり、床から屋根までつながる柱状の部品。側面から車が衝突した際に乗員を守る重要な部分で、硬度の高い超ハイテン材が使われています。
「ロッカーアウタ」も、車体の強度を支える部品です。
乗車するときにまたぐ車体下側付近に位置し、側面や前面から衝突した際の安全性に関わります。
さらにアルミ部品では、
- フードリンフォース
- サイドドアリンフォース
- バックドアリンフォース
- インシュレータ
などを製造しています。
目立つ外装パーツではなく、車体の内側や裏側で強度、安全性、軽量化を支える部品が多いのが特徴です。
プレスだけでなく金型設計から組付まで手掛ける
テクノエイトの事業は、金属板をプレスするだけではありません。
会社が手掛ける工程には、
- 自動車部品のプレス加工
- 溶接
- 塗装
- 組付
- 金型設計・製作
があります。
自動車部品の形を作るためには、まず元になる金型が必要です。
その金型を設計・製作し、プレス加工で金属を成形。その後、必要に応じて溶接や組付まで行います。
フードロックのように構成部品が多く、高い組立精度が求められる製品では、それぞれの工程を安定して行う生産技術が重要になります。
近年は自動車の軽量化に対応するため、アルミ加工にも力を入れています。
鉄より軽いアルミを自動車部品へ使えば車体重量の削減につながりますが、素材の性質が異なるため、従来の鉄部品とは違った加工技術が必要です。
テクノエイトでは大型プレス機の導入やアルミ加工技術の蓄積を進めながら、自動車の変化に対応しています。
会社のルーツは1914年、トヨタとの関係は戦後から続く
現在のテクノエイト株式会社が設立されたのは1948年9月ですが、そのルーツはさらに古く、1914年創立の「丸八鉄工所」までさかのぼります。
1937年には自動車部品の製造開始を機に社名を変更。
1945年にはトヨタ自動車の協力工場となりました。
1948年に「丸八工業株式会社」として会社を設立し、その後も自動車関連のものづくりを拡大していきます。
1986年に現在の「テクノエイト株式会社」へ社名変更。
翌1987年には工場を愛知県瀬戸市へ集約移設しました。
さらに1997年にはフィリピンに海外生産子会社を設立。
2009年からは豊田鉄工グループの一員となっています。
現在の株主構成は、
- 豊田鉄工株式会社:64%
- トヨタ自動車株式会社:36%
です。
100年以上にわたる会社のルーツと、戦後から続く自動車産業との関係が、現在のフードロック国内生産シェア100%へつながっています。
レクサスLFAのアルミ部品も量産してきた
テクノエイトの歴史を見ると、自動車の変化に合わせて設備や技術を更新してきたことが分かります。
2010年には「レクサスLFA」のアルミドアインナーを量産。
その後もアルミ加工設備を強化し、
2015年には摩擦攪拌接合に使うFSW線接合設備、2018年にはアルミ専用600t順送プレス機を導入しました。
さらに大型プレス設備として、
2023年に3,000tトランスファープレス機、2024年には3,500tトランスファープレス機を導入しています。
車の電動化が進む中では、航続距離やエネルギー効率にも関係する車体軽量化の重要性が高まります。
長く鉄部品を作ってきた会社がアルミ部品の加工技術にも取り組み、次世代の自動車づくりへ対応している点もテクノエイトの特徴です。
瀬戸市の本社には600人以上が働く
テクノエイトの本社は、愛知県瀬戸市暁町1番地にあります。
2026年3月期の従業員数は単体642人、フィリピンの関係会社を含む連結では1,048人。
資本金は4億9,500万円です。
主要取引先には、
トヨタ自動車、トヨタ車体、ダイハツ工業、トヨタ自動車東日本、三菱自動車工業、豊田通商、トヨタ紡織、日野自動車、豊田自動織機など、自動車産業を支える企業が並びます。
瀬戸市というと「せともの」に代表される陶磁器産業の印象が強い地域ですが、自動車産業が集積する愛知県らしく、大規模な自動車部品工場も存在しています。
その一社がテクノエイトです。
番組では夜勤社員を支える社食も登場
『キャイ~ンの社食いただきます!』では、製品だけでなくテクノエイトで働く社員を支える社員食堂も取り上げられます。
製造現場では勤務時間が昼間だけとは限りません。
テクノエイトの社員食堂は夜勤社員のため夜間も営業しており、番組では毎年夏に行われている人気企画も紹介されます。
テレビ番組の入口は「社食」ですが、その会社が何を作っているのかをたどると、トヨタ国内生産シェア100%のフードロックへ行き着きます。
毎日目にする自動車のボンネットの内側には、瀬戸市で作られた部品が使われています。
テクノエイトの会社情報
- 会社名:テクノエイト株式会社
- 本社所在地:愛知県瀬戸市暁町1番地
- 設立:1948年9月
- 代表者:取締役社長 永野智也
- 資本金:4億9,500万円
- 従業員数:642人、連結1,048人(2026年3月期)
- 事業内容:自動車部品のプレス加工、溶接、塗装、組付、金型設計・製作
- 主要製品:フードロック、フードロックR/F、ドアR/F、インシュレータなど
- フードロック:トヨタ国内生産シェア100%
- アクセス:名鉄瀬戸線・尾張瀬戸駅から車で約10分、愛知環状鉄道・中水野駅から車で約10分
まとめ
テクノエイトの「フードロック」は、自動車のボンネットを閉じた状態で保持する重要な保安部品です。
決して目立つパーツではありませんが、テクノエイトはこのフードロックで**トヨタ国内生産シェア100%**を占めています。
会社のルーツは1914年。1945年にはトヨタ自動車の協力工場となり、1948年の会社設立を経て、1987年から愛知県瀬戸市を生産拠点としてきました。
現在はフードロックだけでなく、車体の強度を支える鉄部品や、軽量化につながるアルミ部品まで製造しています。
普段は見ることのないボンネットの内側にありながら、安全な走行を支えている小さな部品。その国内生産を一手に支えているのが、瀬戸市のテクノエイトです。
参考リンク
・テレビ愛知「キャイ~ンの社食いただきます!~1年260回食べたい会社メシ~」
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