業務用洗剤と固形燃料で外食産業を支えるニイタカ
2026年10月3日放送のテレビ東京「知られざるガリバー~エクセレントカンパニーファイル~」では、業務用洗剤や固形燃料を手掛ける株式会社ニイタカが特集されます。
旅館やホテルの1人鍋で使われる固形燃料「カエン」をはじめ、厨房用洗剤、除菌剤、手指消毒剤などを開発してきた会社です。創業後には2度の倒産を経験しながら再建し、現在はヒトiPS細胞由来の腸管上皮細胞を使った試験でノロウイルスへの消毒効果を確認した製品まで生み出しています。
この記事でわかること
- 株式会社ニイタカがどんな会社なのか
- 固形燃料「カエン」が成長の転機になった経緯
- Nスター・Nスタープレミアムとノロウイルス研究
- 工場の自動化と業務用に特化した事業の特徴
ニイタカは旅館の1人鍋で使われる「カエン」のメーカー
株式会社ニイタカは、大阪市淀川区に本社を置く業務用化学製品メーカーです。
現在の主な事業は、業務用洗剤・洗浄剤・除菌剤・漂白剤、固形燃料、食品添加物、医薬部外品などの製造・販売。飲食店やホテル、旅館、給食施設、食品工場など、家庭からは見えにくい「業務用」の現場を中心に支えています。
中でも身近なのが固形燃料「カエン」です。
旅館や和食店で1人用の鍋や釜飯が出てきたとき、料理の下で小さな炎を上げている固形燃料。その分野を長年手掛けてきたのがニイタカです。
現在の「カエン ニューエースE」は、料理を温める用途に合わせて複数サイズが用意され、燃焼後に片付けやすいアルミカップ付きの商品も展開されています。
創業は1963年、固形燃料の発売は1972年
ニイタカの前身となる新高化学株式会社が設立されたのは1963年です。
創業当初は9人ほどの会社で、界面活性剤関連製品の製造販売からスタート。1964年には業務用液体中性洗剤「マイソフト」を発売しました。
しかし、会社の歩みは順調なものではありませんでした。
テレビ東京は今回、ニイタカが2度の倒産を経験した企業として紹介しています。会社自身も、創業当初は資産や信用が乏しく、資金繰りに苦しみ、倒産や他社の支援を経験したことを明らかにしています。
その状況から抜け出す大きな力になったのが固形燃料でした。
1972年、ニイタカは業務用固形燃料を発売します。
団体旅行ブームと旅館の鍋料理が「カエン」を成長させた
固形燃料が伸びた背景には、当時の旅行事情がありました。
高度経済成長によって生活が豊かになり、観光地には団体旅行客が増加。ホテルや旅館では、大勢の宿泊客へ料理を提供する必要がありました。
そこでニイタカが営業と品質改良を続けた結果、客席で鍋を温める固形燃料が観光ホテルなどで採用され、需要が拡大していきます。会社は、この固形燃料の開発・改良が経営を立て直す力になったと説明しています。
固形燃料なら、厨房で完成させた料理を運ぶだけではなく、客の目の前で加熱できます。
料理が冷めにくく、鍋料理や陶板焼き、釜飯などを食べるタイミングに合わせて仕上げられる。この提供方法と固形燃料が結び付き、日本の旅館や和食店で現在まで続く食事風景の一つになりました。
1982年にはアルミ箔付フィルム包装の「カエンニューエース」を発売。ニイタカは固形燃料を成長の柱の一つに育てていきます。
カエンは料理に合わせて燃焼時間を選べる
「カエン」はすべて同じ大きさではありません。
料理によって必要な加熱時間が違うため、複数のサイズが設定されています。
代表的な「カエン ニューエース」では、サイズによって燃焼時間の目安が変わり、
- 小型:土瓶蒸しや軽い加熱
- 中型:湯豆腐、陶板焼き、寄せ鍋
- 大型:すき焼き、釜飯、しゃぶしゃぶなど
といった使い分けが想定されています。
「料理用の小さな火」という単純な商品に見えますが、必要な火力や燃焼時間、臭い、保存性、後片付けまで業務用の現場に合わせて改良されてきた製品です。
洗剤メーカーとしても外食産業へ深く入り込む
固形燃料だけがニイタカの事業ではありません。
1976年には業務用食器洗浄機用洗浄剤へ進出し、1977年に高濃度液体中性洗剤「サラセン」、1978年には「ニイタカブリーチ」や「ニューケミクール」を発売しました。
現在は、
- 食器用洗剤
- 食器洗浄機用洗浄剤
- 厨房の油汚れ用洗剤
- 除菌・漂白剤
- 手洗い石けん
- 手指消毒剤
- 食品工場用洗浄剤
- 固形燃料
など幅広い製品を扱っています。
家庭向け商品を大量に売る会社ではなく、飲食店や食品工場など「業務用」に集中してきたことが大きな特徴です。
洗剤を売って終わりではなく全国180拠点でメンテナンス
ニイタカのもう一つの特徴がサービス網です。
食器洗浄機用洗剤を使用する顧客に対し、洗剤の濃度調整や自動供給装置の作動確認、簡単な機器対応などを行っています。
会社によると、食器洗浄機のメンテナンスは全国180のサービス拠点から対応しています。
飲食店では、洗剤そのものだけではなく「正しい濃度で安定して洗えること」が重要です。
製品開発から販売、現場でのメンテナンスまでつなげることで、業務用に特化した仕組みを築いています。
ノロウイルス対策でヒトiPS細胞由来の腸管上皮細胞を活用
現在のニイタカを象徴する技術の一つが、ノロウイルスに対する消毒効果の評価です。
かつてヒトノロウイルスは培養が難しく、市販消毒剤の効果を実際のヒトノロウイルスで評価することには大きな制約がありました。
その後、ヒトiPS細胞由来の腸管上皮細胞を使ってノロウイルスを増殖させる技術が発展。実際のヒトノロウイルスを使った消毒効果の検証が可能になっています。
ニイタカの「Nスター」でも、この方法を使った試験が実施されました。
製剤をヒトノロウイルスへ30秒作用させた後、ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞へ接種。培養後のウイルス遺伝子量を調べ、消毒効果が確認されています。
Nスタープレミアムはノロウイルスへの消毒効果を確認
その研究成果を製品へつなげた一つが「Nスタープレミアム」です。
ニイタカは、iPS細胞を使った実証試験でノロウイルスへの消毒効果を確認したアルコール製剤として同製品を展開しています。
製品は指定医薬部外品で、
- 有効成分:ベンザルコニウム塩化物
- エタノール配合
- 保湿成分配合
- 1L・5Lを展開
- 非危険物に該当する濃度設計
となっています。
「旅館の鍋を温める固形燃料」と「ヒトiPS細胞を使って効果を検証する消毒剤」。
まったく違う製品に見えますが、どちらも飲食・食品関連の現場で生じる課題から製品を作るという点ではつながっています。
工場では大量生産と品質を両立する自動化を進める
10月3日の「知られざるガリバー」では、ニイタカの工場も大きな見どころになります。
番組では、固形燃料や洗剤の製造工程で進められている徹底した自動化と、品質を保ちながらコストを抑えるための工夫が紹介されます。
ニイタカには西日本の生産拠点である「びわ湖工場」と、東日本の生産拠点である「つくば工場」があります。
つくば工場は1989年に建設。びわ湖工場は1997年に建設され、その後も設備の拡充が続いています。
固形燃料から液体洗剤、消毒剤まで扱う会社だからこそ、同じ「工場」でも製品によって製造方法は大きく異なります。
番組では、その普段見ることのできない業務用品の生産現場へカメラが入ります。
「自助自立」が倒産から現在まで続く社風
ニイタカが掲げている社訓が「自助自立」です。
創業後に資金繰りで苦しみ、倒産も経験した会社が、固形燃料を自ら開発し、市場を開拓して再び成長してきた歴史と重なります。
現在も既存の飲食・食品分野だけではなく、歯科施設や農業向けの商品など新しい市場へ製品を広げています。
2026年には歯科施設向け「MedShine」シリーズの新製品も投入。長年の洗浄・衛生技術を別分野へ展開する動きが続いています。
株式会社ニイタカの基本情報
- 会社名:株式会社ニイタカ
- 本社:大阪市淀川区新高1-8-10
- 設立:1963年4月
- 資本金:5億8,519万円
- 代表取締役:野尻大介さん
- 主な事業:業務用洗剤・洗浄剤・除菌剤・漂白剤、固形燃料、食品添加物、医薬部外品などの製造販売
- 主な製品:カエン、ニューケミクール、ニイタカブリーチ、Nスター、Nスタープレミアムなど
- 主な工場:びわ湖工場、つくば工場
まとめ
株式会社ニイタカは、家庭では社名を見る機会が少ない一方、飲食店、ホテル、旅館、食品工場などの裏側で使われる製品を長年作ってきた会社です。
大きな転機となったのが1972年に発売した固形燃料。団体旅行が盛んになった時代に、旅館やホテルの鍋料理へ「カエン」が広がり、倒産を経験した会社の再建を支えました。
その後は業務用洗剤や衛生管理へ事業を広げ、現在はヒトiPS細胞由来の腸管上皮細胞を利用してノロウイルスへの消毒効果を検証した「Nスター」や「Nスタープレミアム」へ技術が発展しています。
2026年10月3日の「知られざるガリバー」では、旅館の小さな炎から最新の衛生技術まで、ニイタカが60年以上積み重ねてきた「業務用」のものづくりが紹介されます。
参考リンク
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