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食料品の消費税1%案は2027年4月から2年間、外食10%のまま・財源と影響【クローズアップ現代】

クローズアップ現代

食料品の消費税1%でスーパーの買い物と外食はどう変わる

2026年10月5日放送のNHK「クローズアップ現代」では、食料品の消費税率を1%へ引き下げる制度案が取り上げられます。

現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品について、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、税率を1%にするのが政府案です。一方、外食は現在と同じ10%が続くため、スーパーやテイクアウトと店内飲食では税率差が大きく広がります。

ただし、2026年10月4日時点では制度の大綱が閣議決定された段階です。国税庁も「法案が国会に提出され、審議を経て可決・成立した場合」の内容として案内しています。

この記事でわかること

  • 食料品の消費税1%が予定されている期間
  • スーパーの商品と外食で税率がどう変わるか
  • 食品の値段が実際にどの程度下がるのか
  • 財源、スーパー、農家などに生じる課題

食料品は8%から1%へ、2027年4月1日から2年間

公式動画:国税庁・財務省「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げ説明動画」

政府が2026年9月15日に閣議決定した大綱では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率を1%へ引き下げる方針が示されています。

対象になるのは、現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品です。

主な整理は次の通りです。

  • スーパーなどで購入する飲食料品:8%→1%
  • テイクアウト:8%→1%
  • 外食・店内飲食:10%のまま
  • 酒類:10%のまま
  • 定期購読契約の新聞:8%のまま

つまり「軽減税率8%が全部1%になる」というわけではありません。

特に注意したいのが新聞で、現在の軽減税率対象ではありますが、今回の1%への引下げ対象は飲食料品とされているため8%のままです。

1000円の商品なら1080円から1010円になる計算

消費者にとって最も気になるのは、実際の買い物がどれくらい安くなるのかという点です。

商品の税抜価格が変わらないという単純な条件で考えると、税抜1000円の商品は現在、

1000円+8%=1080円

です。

税率が1%になれば、

1000円+1%=1010円

となり、70円安くなります。

税率そのものは7ポイント下がりますが、現在の税込価格1080円を基準にすると、価格の下落率は約6.5%です。

例えば、現在税込10800円になる食料品をまとめて購入しているケースなら、同じ税抜価格であれば10100円となり、700円の差になります。

ただし、これはあくまで税抜価格が変わらなかった場合の計算です。

食品価格そのものは原材料費、物流費、人件費、為替などでも動くため、「消費税が7ポイント下がれば店頭価格も必ず7%下がる」とは限りません。

テイクアウト1%と店内飲食10%で税率差は9ポイントに

制度が実施された場合、特に大きな変化が生まれるのが外食です。

現在でも、

  • 店内飲食:10%
  • テイクアウト:8%

という違いがあります。

これが、

  • 店内飲食:10%
  • テイクアウト:1%

となり、税率差は9ポイントまで広がります。

税抜1000円の商品を同じ価格で販売したと仮定すると、店内飲食なら1100円、テイクアウトなら1010円です。

同じ料理でも利用方法によって税込価格に大きな差が生じることになります。

外食産業にとっては、消費者が店内飲食より持ち帰りを選ぶ動きが強まる可能性もあり、今回の制度で注目されるポイントの一つです。

政府も国会答弁で、外食産業への影響を食料品減税の検討課題として挙げています。

なぜ0%ではなく1%なのか

今回の制度で少し分かりにくいのが、「食料品を実質ゼロにする」としながら税率そのものは1%とされている点です。

政府の制度案では、飲食料品の税率を1%に引き下げる一方、飲食料品にかかる1%相当額の範囲で、所得に連動した給付を2027年度から先行導入する考えです。

この「税率1%」と「所得に応じた給付」を組み合わせ、全体として飲食料品の消費税負担を実質的にゼロに近づける設計になっています。

そして、この2年間は恒久的な制度ではありません。

政府は本格的な「給付付き税額控除」へ移行するまでのつなぎと位置付けています。

2年後は1%から8%へ戻す想定

現在示されている政府方針では、食料品の1%税率は2029年3月31日までです。

その後は、現在の軽減税率である8%へ戻すことが想定されています。

高市総理は国会答弁で、2年間の減税終了後について「現行の8%の軽減税率に戻す」と説明しています。

つまり予定通り進んだ場合、

2027年4月
8%→1%

2029年4月
1%→8%

という大きな税率変更が2年間で2回発生することになります。

消費者だけでなく、スーパーやコンビニ、食品メーカーなどにとっても重要なポイントです。

スーパーではレジや価格表示の変更が必要になる

税率を変更するには、レジの数字だけを変えれば終わるとは限りません。

小売店では、

  • POSレジ
  • 商品マスター
  • 値札
  • レシート
  • 会計システム
  • ECサイト
  • インボイス対応

など幅広い変更が必要になります。

国税庁も2026年9月15日に専用サイトを開設し、レジ・システム開発事業者向けの案内を始めています。

さらに今回は2年間限定のため、2027年に1%へ対応した後、2029年には再び8%へ戻す作業が発生することになります。

全国スーパーマーケット協会も短期間の消費税減税について、準備やコストだけでなく、実施前の買い控え、開始後の需要増、終了前の駆け込み、終了後の需要減などが起きる可能性を指摘しています。

農家や食品事業者にも影響が及ぶ

今回の制度は、スーパーで買う消費者だけの話ではありません。

農家や漁業者、食品メーカーなどは、売上側の消費税率が1%になる一方で、肥料、燃料、農機具、資材などの仕入れには異なる税率が適用されるケースがあります。

特に免税事業者や簡易課税制度を利用する小規模事業者への影響は、以前から国会でも論点になってきました。

農林水産省は飲食料品の消費税率引下げについて、農林漁業者、食品事業者、外食事業者の実情を確認しながら支援内容を具体化するとしています。

国税庁でも、飲食料品を扱う事業者について簡易課税制度の計算方法や届出時期に特例を設ける案内を始めています。

財源は今後の国会審議でも大きな焦点

税率を8%から1%へ引き下げれば、当然ながら国や地方の税収にも影響します。

2026年6月の国会答弁では、飲食料品の税率を1%にした場合、地方消費税と地方交付税への影響を合わせ、地方側だけでも約1.6兆円の減収になるとの機械的試算が示されました。

政府は財源について、特例公債に頼らず、予算編成改革を具体化する中で確保する方針を示しています。

一方で、具体的にどの歳出や財源を充てるのかは、国会審議でも重要な論点になります。

税率を下げることで家計負担が軽くなる面と、国・地方の税収減や事業者側の対応コストをどう両立するのか。この部分が、制度全体を見るうえで欠かせません。

実用情報

現在示されている制度案を整理すると、

  • 実施予定:2027年4月1日
  • 終了予定:2029年3月31日
  • 飲食料品:8%→1%
  • テイクアウト:1%
  • 店内飲食:10%
  • 酒類:10%
  • 定期購読の新聞:8%
  • 2029年4月以降:飲食料品は8%へ戻す想定
  • 現在の状況:閣議決定された大綱に基づく案で、法案成立前

となっています。

特に重要なのは、2026年10月4日時点では「2027年4月から必ず1%になることが法律として確定した状態ではない」という点です。

国税庁も、今後国会に提出される法案が可決・成立した場合の制度として情報を公開しています。

まとめ

食料品の消費税1%案は、2027年4月1日から2年間、現在8%の飲食料品の税率を1%へ引き下げる制度です。

税抜価格が変わらなければ、1000円の商品は税込1080円から1010円になります。

一方、外食は10%のままなので、テイクアウト1%との税率差は9ポイントまで広がります。

さらに2年後には8%へ戻す想定のため、スーパーのレジやシステム改修、外食産業への影響、農林漁業者への支援、税収減を補う財源など、消費者からは見えにくい課題もあります。

「安くなるか」だけではなく、誰の負担が減り、どこに新しい負担が生まれるのかまで見ることが、今回の食料品消費税減税を理解するポイントになりそうです。

参考リンク


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