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凍眠は約3分で急速冷凍!導入4000社超の液体冷凍技術|世の中お金で見てみよう!

企業・新技術

肉や魚を液体に沈めて一気に凍らせる「凍眠」

2026年10月6日放送のテレビ東京系『世の中お金で見てみよう!』では、年間2兆円を超える冷凍食品・アイス市場を特集。その中で、肉を短時間で凍らせ、解凍後のドリップを抑える液体急速冷凍技術が登場します。番組で扱われるのが、横浜市の株式会社テクニカンが開発・製造する「凍眠(TOMIN)」です。

一般的な冷凍機が冷たい空気で食品を凍らせるのに対し、凍眠は約-30℃の液体へ食品を浸して急速凍結します。2026年8月には導入企業が4000社を超え、中小企業省力化投資補助金の対象製品にも登録されました。

この記事でわかること

・液体急速冷凍機「凍眠」が約3分で凍らせられる仕組み
・解凍時のドリップを抑えられる理由
・1980年代の食肉工場から始まった開発の背景
・凍眠ミニの能力や導入前に確認できる無料凍結テスト

凍眠は約-30℃の液体で食品を約3分で急速冷凍

公式動画:テクニカン「1分でわかる液体凍結機 凍眠」

凍眠の最大の特徴は、「空気ではなく液体で冷やす」ことです。

テクニカンでは約-30℃の不燃性エタノール液へ包装した食品を浸し、短時間で中心部まで凍結させます。2026年に農林水産省主催のシンポジウムで紹介された例では、空気式冷凍で約1時間かかるところを、凍眠では約3分で凍結できるとされています。

ただし、すべての食品が必ず3分で凍るわけではありません。

厚さ、大きさ、食材の種類、凍結前の温度などによって時間は変わります。実際にテクニカンも、海鮮丼の具を約3分で凍結した事例を紹介する一方、「全ての商品が3分で凍るわけではない」と明記しています。

重要なのは「3分」という数字そのものより、食品の中心温度を短時間で下げられることです。

速く凍らせるとドリップが出にくくなる

肉や魚を普通に冷凍して解凍すると、赤い液体や水分が出てくることがあります。

これが「ドリップ」です。

食品に含まれる水分は、凍ると氷の結晶になります。凍結に時間がかかると氷の結晶が大きく成長し、食材の細胞を傷つけやすくなります。

その状態で解凍すると、細胞内にあった水分やうま味成分が外へ流れ出します。

凍眠では、この氷の結晶が大きくなりやすい温度帯を短時間で通過させます。

その結果、氷結晶を小さく抑え、食材へのダメージを少なくすることができます。

テクニカンが目指しているのは「冷凍したものをおいしくする技術」ではありません。

新鮮な状態の食材を、解凍した後までできるだけそのまま残す技術です。

なぜ空気より液体のほうが速く凍るのか

冷凍庫の温度をさらに下げれば同じではないか、と感じるかもしれません。

凍眠で重要なのは、温度だけではなく熱を奪うスピードです。

食品の周囲を冷たい液体で完全に包み込むことで、空気を使った冷凍よりも効率よく食品から熱を奪えます。

テクニカンの山田義夫社長も、凍結で重要なのは「温度ではなくスピード」という考えを示しています。

凍眠では食品をそのままアルコール液へ入れるのではなく、真空包装などをした状態で液体へ浸します。

肉、魚介類、寿司、弁当、パン、果物など、現在では非常に幅広い食品に活用されています。

始まりは1980年代の食肉工場だった

凍眠誕生のきっかけは、高級レストランや寿司店ではありません。

1980年代の食肉工場でした。

山田義夫さんは当時、食肉工場の商品開発に携わっていました。外食産業が急速に成長し、冷凍食品の生産量を増やす必要がある一方、従来の冷凍方法では凍結に時間がかかるという課題がありました。

「もっと短時間で凍らせられれば、生産量を増やせる」。

ここから急速凍結の研究が始まります。

水は0℃付近で凍り、塩水も極端な低温には向きません。そこで山田さんが目をつけたのがアルコールでした。

アルコールは濃度によって-30℃でも液体の状態を保てます。

食品をこの冷たい液体へ入れて凍らせる方法を試すと、目的だった凍結時間の短縮だけでなく、解凍後の品質が非常に良いという別の効果が見つかりました。

これが現在の「凍眠」につながっています。

最初の10年は「そんな冷凍はあり得ない」と疑われた

現在では4000社を超える企業へ導入されていますが、開発当初から順調だったわけではありません。

山田さんは食肉工場で液体凍結を実用化した後、1989年にテクニカンを設立しました。

しかし、液体へ食品を入れて凍らせる方法はほとんど知られていません。

さらに、解凍してもドリップが少なく品質が保たれていたため、逆に「何か裏があるのではないか」と疑われることもあったといいます。

山田さんは機械をトラックへ積み、全国各地を回って実際に食品を凍らせて見せました。

現在でもその考え方は引き継がれています。

テクニカンでは購入前の企業に対し、実際の食材を使った「無料凍結テスト」を行っています。

技術の説明だけではなく、

「実際に凍らせる」
↓
「解凍する」
↓
「食べてもらう」

という方法で性能を確認してもらう仕組みです。

凍眠ミニなら飲食店にも設置できる

液体急速冷凍というと、大きな食品工場に設置する巨大設備を想像します。

現在の凍眠には、飲食店やEC販売向けの小型モデル「凍眠ミニ」もあります。

本体は約60cm四方。

2026年10月時点の主なラインアップは、

・TM-01:約2.5~3.5kg/時
・TM-02:約3.5~4.5kg/時
・TM-03:約8.0~9.0kg/時

という凍結能力です。

これにより、大規模な冷凍食品メーカーだけではなく、

・寿司店
・焼肉店
・レストラン
・鮮魚店
・菓子店
・EC販売事業者

などでも、店で作った料理や仕入れた食材を高品質な状態で冷凍しやすくなりました。

売れ残る前に冷凍する。

旬の時期にまとめて仕入れて保存する。

店舗だけで提供していた料理を冷凍商品として全国へ発送する。

凍結スピードの向上が、そのまま新しい商売の方法につながっています。

冷凍寿司や生しらすまで販売できるようになった

凍眠の技術を一般消費者が実際に体験できるのが、冷凍食品専門店「TŌMIN FROZEN」です。

テクニカン自身が展開している店舗・オンラインショップで、凍眠を使って冷凍した食品だけを扱っています。

商品の中には、

・生しらす
・鮎
・海鮮丼
・中華料理
・すき焼き
・パン
・フルーツ
・生酒

などがあります。

「冷凍に向かない」と考えられてきた食品まで商品化されていることが特徴です。

2026年10月6日の『世の中お金で見てみよう!』でも、横浜の冷凍食品専門店に握り寿司、鮎、生しらすなどが並び、解凍した寿司を食べた人が冷凍とは思えない品質に驚く場面が紹介されます。

冷凍機そのものではなく、「凍らせた結果」を見せる場所でもあるわけです。

食品ロス削減にもつながる

急速冷凍の価値は、味だけではありません。

食品を品質の高い状態で長期間保存できれば、売れる期間を延ばせます。

豊漁や豊作で一度に大量の商品が集まったときも、すべてを短期間で売り切る必要がなくなります。

飲食店でも、仕込んだ料理を需要に合わせて使いやすくなります。

テクニカンでは、こうした保存技術を食品ロス削減へつなげる取り組みを進めており、2018年には山田さんがニューヨークの国連本部でSDGsと冷凍技術についてスピーチしました。

「冷凍=長く保存する」だけではなく、

「おいしい状態で保存できるから、捨てなくて済む」

というところまで技術の目的が広がっています。

2026年には導入企業4000社を突破

凍眠は2026年8月時点で導入企業4000社を突破しました。

さらに同年、「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)」の対象製品として登録されています。

飲食店や食品加工会社にとって急速冷凍機は大きな設備投資です。

そのためテクニカンでは、

・導入前の無料凍結テスト
・食品ごとの凍結方法の提案
・機種選定
・補助金活用のサポート
・導入後のメンテナンス

まで対応しています。

大型食品工場向けの設備だけでなく、小規模な飲食店向けモデルまで展開したことも、利用企業を広げた理由の1つです。

実用情報

凍眠は一般家庭向けの冷凍庫ではなく、基本的には業務用機器です。

導入を検討する場合は、食品の種類だけで機種を決めるのではなく、

・1時間に何kg凍らせるか
・食品の厚さ
・包装方法
・凍結前の温度
・厨房や工場の設置スペース
・必要な電源

などから選定します。

テクニカンでは横浜のほか、札幌、名古屋、大阪、福岡などで凍結テストに対応しています。

会社の基本情報は次の通りです。

・会社名:株式会社テクニカン
・本社:神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎南3-1-16
・代表取締役:山田義夫
・設立:1989年7月14日
・主力製品:液体急速凍結機「凍眠」「凍眠ミニ」
・主な事業:冷凍機の製造販売、冷凍食品の製造販売

まとめ

「凍眠」は、約-30℃の液体へ食品を浸し、短時間で凍結するテクニカンの液体急速冷凍技術です。

空気で時間をかけて凍らせる方法とは違い、食品を素早く冷却することで氷の結晶を小さくし、解凍時のドリップや食感の変化を抑えます。

始まりは1980年代の食肉工場。

生産量を増やすために「もっと速く凍らせたい」と開発した技術が、結果的に解凍後の品質を大きく変えました。

現在は寿司、生しらす、肉、パン、果物、生酒などにも用途が広がり、2026年には導入企業4000社を突破しています。

2026年10月6日の『世の中お金で見てみよう!』で登場する「肉を約3分でカチコチにする冷凍庫」。その背景には、40年以上にわたって「冷凍は温度ではなくスピード」を追求してきた開発の歴史があります。

参考リンク

・テレビ東京「世の中お金で見てみよう!」2026年10月6日放送内容
・テクニカン「液体急速冷凍機 凍眠とは」
・テクニカン「液体凍結機ができるまで」

おすすめ関連商品

・採れたて急速冷凍 凍眠生シラス(生食用)100g
・凍眠フルーツ


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