日立で100年以上受け継がれてきた謎のスポーツ
2026年9月9日の『千鳥かまいたちゴールデンアワー』では、日立で約100年前に生まれたスポーツ「パンポン」に千鳥、かまいたちたちが挑戦します。パンポンは番組用に作られた珍競技ではありません。1921年ごろ、創業間もない日立製作所の日立工場で生まれ、その後正式なルールが整備され、現在も日立市で大会が開かれている地域スポーツです。日立市スポーツ協会も今回の番組で紹介されることを正式に告知しています。
この記事でわかること
- パンポンがどのように誕生したのか
- 卓球やテニスとは違う独特なルール
- ラケット・ボール・コートの大きさ
- 現在も日立市で続いている理由
パンポンは日立市で今も大会が開かれている
「パンポン」という名前だけ聞くと、最近作られたレクリエーションのようにも感じます。
しかし、その歴史は100年以上前までさかのぼります。
日立市スポーツ協会によると、パンポンが始まったのは大正10年、つまり1921年ごろ。場所は創業間もない日立製作所日立工場でした。
現在も日立市ではパンポン大会が継続して開催されており、2026年には第47回日立市パンポン大会まで開催されています。昔の企業スポーツが地域文化として残った、かなり珍しい例です。
きっかけはキャッチボールで窓ガラスが割れたこと
パンポン誕生の経緯が面白いところです。
当時の日立工場では、昼休みに将棋や囲碁を楽しむ従業員が多く、運動といえばキャッチボール程度でした。しかしキャッチボールの球で建物の窓ガラスを割ってしまうことがあり、遊べる範囲が制限されます。
そこで、ミカンの空き箱などを利用し、板切れをラケットのように持ってテニスボールを打ち合う遊びが自然に始まりました。
最初から「新スポーツを開発しよう」と作られたわけではなく、昼休みに身近な物を使って遊んだことが原型だったのです。
「パンと打って、ポンと弾む」からパンポン
現在の「パンポン」という名称が付いたのは昭和4年、1929年です。
当時の日立工場長だった高尾直三郎氏が、ボールを「パン」と打ち、「ポン」と弾む様子から「パンポン」と名付け、正式なルールも整備されました。
名前の由来を知ると、一度聞いただけで覚えられるのも納得です。
ラケットは木の板、ボールは軟式テニスボール
パンポン最大の特徴は道具です。
使うラケットは卓球ラケットでもテニスラケットでもなく、木製の板。正式ルールでは最大で長さ30cm、幅20cm、厚さ0.8~1.5cmと定められています。
そこに幅5cm以下の手持ち部分を付けます。ボールは原則として白い軟式テニスボールです。
非常にシンプルなので、木材さえあればラケットを自作できます。日立市スポーツ協会はラケットの作り方まで公開しています。
コートは7m×2.5mとかなり小さい
コートも独特です。
アウトラインは長さ7m、幅2.5m。中央には高さ40cm、長さ3mのネットを設置します。
テニスより圧倒的に小さく、卓球よりは大きい。このサイズ感が「卓球とテニスを混ぜたようなスポーツ」と言われる理由です。
もともと工場の昼休みに行われていたので、広い専用競技場が必要ないことも重要でした。
1セットはわずか4点先取
パンポンは試合時間も短くなるよう作られています。
正式ルールでは1セット4点先取、3セットマッチです。3対3になった場合は2点差が付くまで続けますが、4対4になると次の1点を取った側が勝ちになります。
普通のテニスや卓球と比べるとかなり短期決戦です。
昼休みに遊ぶ競技として生まれたことを考えると、短時間で1試合を終え、次の人に交代できる仕組みになっているのがよく分かります。
サーブにも独特のルールがある
サービスはエンドラインの後方から行います。
ボールを打つ位置は腰より下。自分のコートに一度バウンドさせるのではなく、直接相手側のサービスエリアへ入れます。相手はそのボールをワンバウンドさせてから返球します。
プレー中はラケットを左右の手に持ち替えても構いません。ネットの横を通って相手コートへ入ったボールも有効という、パンポンならではのルールもあります。
なぜ100年以上も残ったのか
パンポンが長く残った理由は、競技そのものの手軽さにあります。
専用の高価なラケットはいらず、ボールも軟式テニス用。広大な競技場も必要ありません。そして4点先取なので、短時間でも遊べます。
日立市スポーツ協会が競技者に魅力を聞いた紹介でも、「昼休みに着替えずすぐできる」「上司も先輩も後輩も仕事を忘れてできる」「4点先取なので交代が早い」といった声が紹介されています。
企業の昼休みの遊びから始まり、職場、学校、地域大会へ広がったからこそ、単なる昔の遊びで終わらなかったのでしょう。
実用情報
パンポンは日立市スポーツ協会が現在も普及活動を行っており、競技規則だけでなく、ラケットやネットの作り方も公式サイトで公開されています。子ども向け体験会や市内大会も開催されているので、実際にやってみたい場合は同協会の「パンポンの普及促進」ページを確認すると情報を探しやすいです。
まとめ
パンポンは「日立が100年前に作った謎スポーツ」という番組の見せ方だけでも十分面白いテーマですが、調べてみると背景はさらに興味深いものがあります。
窓ガラスを割るキャッチボールから始まり、木の板とボールだけの遊びへ変化。それが正式競技になり、100年以上たった現在も市民大会が続いています。
『千鳥かまいたちゴールデンアワー』を見て初めて名前を知った人にとって、「何のスポーツ?」「ルールは?」「なぜ日立?」という疑問をまとめて解消できる、独立記事向きのテーマです。
参考リンク
日立市スポーツ協会・パンポンの由来と魅力
日立市スポーツ協会・パンポン競技規則
日立市スポーツ協会・千鳥かまいたち放送告知
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