ROBO-HI STARTは工事不要でも人がロボットを運ぶ仕組み
「ROBO-HI START(ロボハイ スタート)」は、既存のビルでエレベーターの連携工事をしなくても清掃ロボットを使えるサービスです。ただし、ロボットが一台だけでエレベーターに乗り、全フロアを自動清掃する仕組みではありません。スタッフが別の階へ運び、スマホ操作で地図を切り替えます。2026年10月28日放送予定のTBS『ふるさとの未来』は、旧ZMPのROBO-HI株式会社と配送ロボット「DeliRo」などを特集。ここでは同社が7月に発表したサービスを中心に、導入前に知りたい費用と運用の注意点を整理します。
エレベーター改修が不要な理由は、人が階を移動させるから
清掃ロボットが複数階のビルを完全に自力で移動するには、エレベーターやセキュリティドアとの連携が必要になる場合があります。古い施設では、そのための設備改修費や工事期間が導入の壁になってきました。
2026年7月23日に提供開始が発表された「ROBO-HI START」は、ここを発想転換しています。現場スタッフがエレベーターを利用してロボットを目的のフロアまで運ぶため、専用の設備連携工事を前提としません。清掃を行う階に着いたら、スタッフがスマートフォンの「移動完了ボタン」を押します。
すると、クラウド側のシステム「ROBO-HI OS」が現在のフロアに対応した地図へ切り替え、ロボットの作業を管理します。従来は別の階に移動するたび、担当者が手作業で地図を設定し直し、誤ってデータを変更してしまうトラブルもあったと同社は説明しています。人の手を借りることによって、工事費だけでなく現場の操作負担も抑える狙いがあります。
その一方で、「スタッフがいなくてもビルの全階を勝手に掃除してくれる」わけではないことが、導入判断の大切なポイントです。エレベーターに乗る作業や移動先での確認など、人が担当する時間を含めて運用を考える必要があります。
ロボットが広い床、人が隅を清掃|ROBO-HI DANCEの分担
清掃ロボットの得意分野は、廊下やロビーなど一定の広さがある床面です。一方、机の脚の周り、壁ぎわ、狭いすき間、段差のある場所などは、ロボットだけで仕上げにくいことがあります。
ROBO-HIは、広い範囲を「面」、端や細部を「点・線」と表現し、面はロボット、点や線は人が担当する役割分担を提案しています。作業を割り振るシステムは「ROBO-HI DANCE」、現場スタッフに指示を伝えるアプリは「EYECAN Staff」です。
EYECAN Staffでは、スタッフに作業や移動先を案内し、清掃完了の記録も残せます。ビル管理者は、どこを誰が担当し、どの作業が終わったのかをデータから確認できる仕組みです。紙の日報からの転記など、従来は人が行っていた事務作業の軽減も目指しています。
もっとも、実際にどれだけ人員や作業時間を減らせるかは、施設の広さ、フロア数、障害物、清掃頻度、ロボットの機種によって異なります。メーカーが説明する省力化の仕組みを、どの現場でも同じ割合で人件費が下がるという保証と混同してはいけません。
初期費用ゼロはサービス料金すべて無料という意味ではない
ROBO-HIの公式ページには「初期費用ゼロでスモールスタート」とあります。ここでいうポイントは、エレベーターとの連携工事など、高額な設備改修を伴わずに導入できることです。利用するロボットの機種・契約期間・月額費用・保守費などを含めた総額が必ずゼロになるという意味ではありません。
2026年10月時点で確認できるサービス説明には、施設の規模ごとの月額料金や、すべての契約に共通する支払総額の一覧は掲載されていません。導入を検討する場合は、ロボット本体を購入するのか借りるのか、ソフトウェア利用料や保守・通信費が別にかかるのかを見積もりで確かめる必要があります。
あわせて、エレベーターへの搬入を担当するスタッフの人件費、各階への移動回数、通行人と交差する場所の安全管理、故障した場合の対応方法も確認しましょう。特に既存のオフィスビルや商業施設では、設備工事なしで始められることと、毎日の運用が無人になることは別です。
サービス内容や導入相談はROBO-HI STARTの公式案内で確認できます。個別の費用や対象となる施設は、ROBO-HI公式問い合わせ窓口に条件を伝えて確かめる方法があります。
ROBO-HIは旧ZMP|配送ロボットDeliRoとの関係
ROBO-HI株式会社は、2001年に創業したロボット開発企業を前身とし、2025年4月に株式会社ZMPから社名を変更しました。代表取締役社長は谷口恒さんです。
同社の「DeliRo(デリロ)」は、荷物の配送に使う自律移動ロボットで、清掃用とは役割が違います。2026年10月28日の『ふるさとの未来』では、公道を走るDeliRoや、メーカーの異なるロボットを複数拠点でまとめて管理する取り組みが紹介される予定です。ROBO-HI STARTがその放送で実演されるかどうかは、予告からは確認できていません。
ROBO-HI OSは、清掃・配送・警備など、異なるメーカーや用途のロボットを一つの仕組みで管理する考え方を持ちます。清掃ロボを新たに開発することだけでなく、ビルの設備と人の動きを含めた運用全体を整えることが同社の事業の特徴です。
ロボットが建物の中だけでなく日常生活へ広がっていく背景については、当サイトの配送・警備ロボットとフィジカルAIの仕組みを紹介した記事でも説明しています。
まとめ
ROBO-HI STARTは、スタッフがロボットのフロア間移動を助け、スマホ操作で地図を切り替えるため、エレベーターの改修工事なしで導入できるサービスです。広い床はロボット、隅や細部は人が担当します。「初期費用ゼロ」は運用費まで無料という保証ではないため、契約前には機体代・利用料・人の作業時間を含めた総費用を確認しましょう。
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